「自宅の屋根が劣化してきた」「屋根のメンテナンスは必要?」など、屋根に関する悩みはなかなか尽きないものです。また、屋根といってもさまざまな種類があり、自宅の屋根に適した塗料・工法を選ばないとトラブルにつながってしまうおそれがあります。
今回は、屋根の種類のひとつである「スレート屋根の塗装」に関して解説します。本記事を参考にし、「自宅の屋根に塗装が必要かどうか」「塗装すべきタイミングはいつか」などの疑問を解消させましょう。
スレート屋根とは?
スレート屋根(着色スレート瓦)とは、薄く加工された板状の屋根材です。和瓦よりも軽量なので、建物の耐震性アップ(地震の揺れに強くなる)に期待できます。また、形状や色にはいくつかバリエーションがあり、建物のイメージに合わせやすいことも特徴です。
スレート屋根を塗装する目的
スレート屋根を塗装する目的は、「美観と防水性」の2つを維持するためです。ここからは、なぜこれらの維持が必要なのかを解説していきます。
美観の維持
スレート屋根は、経年劣化によって以下のような状態に陥ります。
<経年劣化によるスレートの変化 >
- ひび割れ
- スレートの反り
- コケの繁殖
上記のような状態に陥ると、屋根としての性能が損なわれるほか、見た目も美しくありません。美観維持のためにも、スレート屋根は定期的な塗装によるメンテナンスが必要です。
防水性の維持
スレート屋根は、時間の経過とともに防水性が失われるため、定期的な塗装で防水性を維持しなければなりません。そもそも、スレートは防水性に乏しい屋根材です。
スレートに水分が付着しないよう塗装でガードすることにより、屋根としての役割を果たします。雨風や紫外線などが原因で塗装が剥がれてしまうと、屋根そのものが防水性を失ってしまいます。定期的な塗装は、スレート屋根の防水性を維持させつつ、寿命を延ばすことにもつながるメンテナンスです。
スレート屋根を塗装する費用相場
スレート屋根の塗装をする場合、費用はおおよそ40~60万円(塗り面積50~80㎡以上の場合) が相場です。ただし、塗料の種類や足場代、劣化の具合などによって費用は前後するため、上記はあくまでも目安として参考にしてください。
スレート屋根を塗装する頻度
スレート屋根の塗装は、経年劣化が始まる前に行わなければなりません。ここからは、塗装の目安時期と塗装すべきかどうか見極める方法について解説していきます。
目安は7~10年周期
スレート屋根の耐用年数は20~30年程度ですが、塗装は雨風や紫外線などによって剥がれていきます。 具体的な時期については専門業者に確認しなければなりませんが、新築・リフォームの際は7~10年の周期で塗装することを頭に入れておきましょう。
塗装すべきかどうか見極めるポイント
先述した「7~10年周期」はあくまでも目安なので、以下のような症状が現れた際は塗装を検討してください。
<塗装すべき屋根の症状 >
- コケやカビの発生
- 水を弾いていない
- 屋根が色あせている
- 塗装の一部が剥がれ始めている
屋根の状態を確認する際は、ベランダや屋外(地上)などから行ってください。屋根に登って直接確認するのは、転落事故のリスクがあるため避けましょう。
スレート屋根に使う塗料を選ぶポイント
スレート屋根に使う塗料を選ぶ際は、どの点を比較すれば良いのでしょうか。この見出しでは、塗料選びのポイントを解説します。
□グレード
□水性・油性塗料
□特殊性能
グレード
スレート屋根に使用できる塗料の中にも、幅広いグレードのものがあります。グレードが高いほど耐用性が高く、次回のメンテナンスまでの期間が長くなる傾向があります。しかし、今用意できる予算として高グレードな塗料を選ぶのは負担が大きいというケースもあるでしょう。
グレード選びは、予算とコスパの両面から考える必要があります。また、選択した塗料の次回メンテナンス時期に子どもの進学や車の買い替えなど家族の経済面で影響の大きいイベントが重なるかどうかによって決めるのも1つの方法です。
水性・油性塗料
塗料を塗る際、水で薄めるのが水性塗料、シンナーで薄めるのが油性塗料です。2種類の塗料には一長一短あり、どちらがいいと言うことは難しいです。
一般的には油性は耐用性が高く、水性は匂いが少ない点がメリットとされています。しかし、近年では両者のマイナス点を補う製品も登場しているため、業者と相談しつつ決めましょう。
特殊性能
塗料の中には、付加的な特殊性能が加わっている製品もあります。例として、以下の性能が挙げられます。
□遮熱塗料
□断熱塗料
□低汚染塗料
□防カビ塗料
一般的に、特殊性能がある塗料ほど価格は高くなる傾向です。特殊性能を加えることで、外壁の耐用性を高められる場合もあれば、住宅の条件によっては不要な性能である場合もあります。住宅の悩みで解決したいポイントや目的をはっきりさせたうえで、必要な性能を取捨選択しましょう。
スレート屋根を塗装する際の注意点
スレート屋根を塗装する際は、次項で解説する2つのポイントに注意してください。屋根の寿命や事故のリスクなどにつながるので、塗装を行う前に目を通しておきましょう。
ノンアスベストの屋根に塗装は不要
ノンアスベストの屋根(アスベストを使用しない屋根材)の場合、塗装作業により屋根材の劣化を招く可能性があります。塗装作業の際は、屋根のコケやカビを取り除くため、高圧洗浄機で屋根の清掃を行わなければなりません。
しかし、ノンアスベストの屋根は傷みやすい材質なので、高圧洗浄機の圧力によって表層を剥がすおそれ があり、ほかの方法(カバー工法や屋根葺き替えなど)でメンテナンス・補修が必要です。
「自宅の屋根がノンアスベストなのかどうかわからない」という方は、業者 から受け取った見積書や屋根材メーカーの型番などで確認できるので、そちらをチェックしましょう。また、専門業者に問い合わせるのもひとつの手です。
DIYでの塗装はNG!業者に依頼しよう
費用を抑えたいからといって、DIYで塗装するのはおすすめできません。厚生労働省が発表した「令和3年 労働災害発生状況 」によれば、労働災害のうち「墜落・転落」による死亡者数は全体の25%と、最も高い割合を示しています。
高所作業はプロでも死亡率が高いので、自分で塗装作業を行うのは避けましょう。塗装を専門とする業者に依頼して、安全・確実なメンテナンスを行ってください。
参考:厚生労働省労働基準局 「令和3年 労働災害発生状況」
まとめ
スレート屋根は、軽量で建物の耐久性アップにも期待できる屋根材です。導入される住宅も増えてきましたが、新築・リフォームの際は定期的なメンテナンスが必要なことも頭に入れておきましょう。
業者への塗装依頼を検討している場合は、ぜひ「菊地塗装企画」へご連絡ください。弊社は「一般住宅塗替え専門店」として、各種塗装工事をメインに事業展開しております。職人直営店であり、高品質かつ低価格で各種サービスを提供しておりますので、屋根の塗装でお悩みの際はお気軽にご相談ください。