コロニアル屋根とは?メリット・デメリットや屋根塗装をする時期の目安を解説


コロニアル屋根はスレート屋根の一種であり、これまで多くの住宅で採用されてきた実績を持ちます。しかし、「具体的にどのような特徴を持つ屋根なのかわからない」という方も少なくありません。今回は、コロニアル屋根のメリット・デメリットや塗装時期について解説していきますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

コロニアル屋根とは?

コロニアル屋根とは、ケイミュー株式会社(旧:クボタ松下電工外装株式会社)が販売していた屋根材の商品名です。分類はスレート屋根ですが、非常に広く普及した商品のため、スレート屋根を「コロニアル屋根」と呼ぶ方も少なくありません。

コロニアル屋根のメリット

コロニアル屋根には、以下のようなメリットがあります。

● 耐震性がある
● 耐用年数が長い
● カラーバリエーションが豊富にある

耐震性がある

コロニアル屋根は軽量のため、地震の際に建物に与える負担が少ない点はメリットです。屋根を軽くして重心を低くする設計にした場合、より住宅の耐震性が高まります。また、軽量のため施工もしやすく、ほかの素材に比べて工期が短いです。

耐用年数が長い

コロニアル屋根の耐用年数は、30~35年程度とされています。コロニアルは、セメントとパルプ繊維を混合して形成しており、パルプ繊維の強い粘りが強い結合を叶えています。また、耐食性が高く、サビにくい点もメリットです。

カラーバリエーションが豊富にある

コロニアル屋根は、カラーバリエーションも豊富にあります。似た色味でも違うカラーの製品がそろっており、選ぶ楽しさも持ち合わせています。和風・洋風問わず、あらゆるデザインの家に似合うのもメリットです。

コロニアル屋根のデメリット

コロニアル屋根には魅力的なメリットがある一方、以下のようなデメリットもあるため、葺き替えの際は注意が必要です。

  • ひび割れが起こりやすい
  • 断熱性が低い
  • 2004年以前の製品はアスベストが含まれている可能性がある

ひび割れが起こりやすい

コロニアル屋根は薄いため、衝撃に弱くひび割れが起こりやすい点がデメリットです。地震や積雪など天候による衝撃のほか、体積の変動の影響で気づかないうちにひび割れが起きているケースもあります。水の浸透や強い日差しによる乾燥で体積が変動し、膨張や伸縮を繰り返すことでひび割れになるケースは決して少なくありません。

断熱性が低い

コロニアル屋根は、断熱材を含んでいない屋根材のため断熱性は低いです。北海道や東北地方などの寒冷地では、室内の寒さが厳しく感じる可能性があります。

2004年以前の製品はアスベストが含まれている可能性がある

コロニアル屋根は、2004年にアスベストの使用が全面的に禁止されて以降、別の素材を使用して作られるようになりました。2004年以前に購入、施工した場合は、アスベストを含む屋根材である可能性があります。健康被害が不安な方は、業者に相談して葺き替えを検討すると良いでしょう。

いつコロニアル屋根を塗装すればいい?

コロニアル屋根の塗装の目安は10~15年程度ですが、劣化状態によってはそれよりも前に実施する必要があります。以下のような症状が見られた場合、塗装を検討してみてください。

  • 色あせ
  • 棟板金のサビや釘抜け
  • 藻やカビの発生
  • 反りやひび割れ

色あせ

色あせは、紫外線や湿気により塗膜が劣化して薄くなることで生じる症状です。塗膜の撥水性が失われているサインであり、放っておくと屋根材の内部まで水が浸食するおそれがあるため、早期のメンテナンスを検討しましょう。

棟板金のサビや釘抜け

棟板金は、スレート屋根の頂点を止めている鉄板で、風圧を受けて劣化するとサビや釘抜けが起こる場合があります。釘が抜けると鉄板が外れてしまうおそれがあるので、早めの修繕が必要です。

藻やカビの発生

コロニアル屋根の重なり部分に水分が溜まり、藻やカビが発生するケースも少なくありません。放置すると水分が内部に入り込み、大事な下地材が腐食するおそれがあります。

反りやひび割れ

水分を含んだ状態で膨張と収縮を繰り返すと、反りが起こりやすくなります。反り上がった箇所が広くなると、そこから雨水が入ってくるようになるため注意が必要です。また、ひび割れもコロニアル屋根によく見られる劣化のサインなので、こちらも定期的にチェックする必要があるといえるでしょう。

コロニアル屋根の塗装をする際の注意点

コロニアル屋根の塗装をする際は、以下の2つのポイントに注意しましょう。

□縁切りが重要
□塗装に向かない屋根に注意

縁切りが重要

縁切りとは、塗料でくっついた屋根材を切り離す作業のことです。屋根材同士の間の隙間は、排水のための重要な役割をしています。この部分が塗料で塞がってしまうと、雨漏りなどの原因となります。縁切りの方法には、カッターで切り離す方法と予めタスペーサーを設置し隙間を作る方法の2種類があります。業者との見積もりの際は、この縁切りの作業まで費用に含まれているかしっかりと確認しましょう。

塗装に向かない屋根に注意

コロニアル屋根の中には、塗装が向かないものもあります。例として、以下の製品名が挙げられます。

□コロニアルNEO
□パミール屋根
□セキスイかわらU

これらは、アスベストが全面禁止となった2004年前後に開発された製品で、スピード開発された製品ゆえの脆弱性が後に問題となりました。塗装を行っても屋根材自体が剥がれてしまう特性があるため、塗装によるメンテナンスは推奨されていません。

DIYによる屋根塗装はなるべく避ける

コロニアル屋根の塗装は、DIYが全く不可能なわけではありません。しかし、屋根塗装は屋根上の不安定な場所での作業が求められるため、不慣れな人にとっては大変危険です。足場の設置の際の騒音や塗料の飛び散りなどの近隣トラブルを避けるためにも塗装は業者へ依頼することをおすすめします。

依頼は信頼できる業者を選ぶことが大切

屋根塗装の際は、信頼できる業者に依頼することも重要です。優良業者の特徴として、詳細な見積もりを出し、料金内訳が明確であるという点があります。また、特定の施工方法や契約を強引に進めようとするのではなく、提案の根拠をしっかり説明してくれる業者も信頼できます。ホームページを確認し、施工実績や資格の有無を確認すると良いでしょう。

まとめ

コロニアル屋根は、ケイミュー株式会社(旧:クボタ松下電工外装株式会社)が販売していた商品のひとつですが、スレート屋根全般を指して呼ばれることもあります。重なり部分に水分が溜まったり、反りやひび割れが生じたりするといったデメリットがあるため、撥水性を保つための定期的な塗装が大切です。

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