「FRP防水」は防水工事のひとつで、ほかの防水工事に比べて費用が高いという特徴を持っています。しかし、費用に見合う分のメリットがあるため、FRP防水を希望する方も少なくありません。今回は、FRP防水の施工が向いているケースや、FRP防水の後に行うメンテナンス方法などについて解説していきますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
FRP防水とは?
FRPとは、ガラス繊維を混ぜたプラスチック樹脂のことです。FRP防水では、FRPのシートを敷き、その上に樹脂を塗って硬化させ、最終的にプラスチックのような硬さを目指していきます。一般住宅のベランダやバルコニーのほか、ビルやマンションの屋上にも多く採用される施工方法です。
そのほかの防水工事との違い
防水工事には、FRP防水のほかに「ウレタン防水」や「シート防水」などがあります。ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を使って塗装し、防水層を形成する施工方法です。またシート防水は、塩化ビニール製のシートを熱や接着剤で貼り付ける施工方法となります。それぞれの防水工事の特徴を表にまとめましたので、参考にしてください。
工法 | メリット | デメリット |
ウレタン防水 | ●費用が安価 ●継ぎ目なく施工できる ●伸縮性が高い |
●施工の難易度が高い ●乾燥に時間がかかる |
FRP防水 | ●防水性が高い ●衝撃に強い ●工期が短い |
●費用が高い ●施工場所を選ぶ |
シート防水 | ●下地を選ばず施工が可能 ●品質に差が生じにくい ●仕上がりが滑らか |
●1箇所の亀裂や穴が全体のダメージになる ●費用が高い |
FRP防水のメリット
FRP防水には以下のようなメリットがあり、さまざまなシーンで採用されています。自分にとって魅力的なメリットがあれば、FRP防水を検討するのもひとつの手です。
- 防水性が高い
- 衝撃に強い
- 工期が短い
防水性が高い
FRP防水は、シートを敷いて上から樹脂でカバーする施工方法となっており、ほかの防水工事よりも高い防水性があります。FRPは、プールや水槽、船舶など一般の建築物よりも高い防水性が求められるものに使用されている素材です。
衝撃に強い
FRP防水で施工した部分は、人が歩けるほどの耐久性があるほか、あらゆる衝撃に強いです。車両の走行にも耐えることができるといわれており、駐車場の設置の際にも採用されます。
工期が短い
FRP防水の施工で乾燥に時間が必要なのは、トップコートに使用する樹脂だけです。おおよそ1〜2日と短い日数で施工できるため、施工期間中に施工エリアを使用できない不便さが少ない点はメリットです。
FRP防水のデメリット
FRP防水には多くのメリットがある一方、注意すべきデメリットも存在するので、双方の内容を十分に理解したうえで採用するかどうか決めるようにしましょう。
- 費用が高い
- 施工場所を選ぶ
費用が高い
FRP防水の施工費用は、ウレタン防水やシート防水の2倍ほどになる場合があります。また、メンテナンスの頻度も高く、維持費用もかかる点もデメリットです。
施工場所を選ぶ
FRPは伸縮性が低いため、歪みが生じやすい箇所への施工ができません。木造や鉄の下地の箇所や、湿気が多く傷んでいる箇所に施工するとひび割れが起きやすくなります。
無理に施工をすると、より大きなトラブルが生じる可能性があります。安易に判断せず、FRP防水の施工が可能かどうか業者に確認を取りましょう。
FRP防水が向いているケース
FRP防水は、ほかの防水工事に比べて費用がかかりますが、優れた耐久性と防水性を持っています。このような性能面を重視する方は、ウレタン防水やシート防水ではなくFRP防水を選択すると良いでしょう。また、施工箇所の長期間の閉鎖が難しい場合にも適しています。
DIYでFRP防水の施工をすることは可能?
FRP防水の施工は高額なので、「DIYで施工したい」と考えている方も多いでしょう。しかし、FRP防水に使用する材料には引火性があり、場合によってはやけどなどの怪我を負ってしまうため注意が必要です。
また、万が一意図しない形状に固まってしまうと、撤去が面倒になります。FRP防水の施工には知識と技術が必要なため、DIYではなく業者に依頼することをおすすめします。
FRP防水の施工後に行うメンテナンス方法
FRP自体の寿命は10〜12年程度です。また5〜6年に一度、表面の樹脂を塗り替えるメンテナンスが必要になります。FRP防水を希望する場合は、5年を目安に張り替えと塗り替えを交互に行う計算です。
また、FRP防水を長持ちさせるためには日々の清掃も重要です。水と一緒にゴミが流れて排水口が詰まると、漏水のリスクが高くなります。排水口周りや床は定期的に清掃し、ゴミがない状態を保ちましょう。
FRP防水のメンテナンスが必要なサイン
FRP防水を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンス時期のほかにも、劣化のサインを見逃さず適切な対処をすることが大切です。以下の状況は、メンテナンスが必要なサインの例です。
□膨れ
□塗装の剥がれ
□ひび割れ
□水たまりの発生
膨れ
防水層が劣化して下地との密着が低下すると、膨れが見られるようになります。放置すると、防水層のひび割れにつながり床材の劣化も引き起こすため、メンテナンスが必要な時期であるといえます。
塗装の剥がれ
FRP防水の塗装に剥がれがあると、防水層がダメージを受けやすくなります。そのままにしていると、ガラス繊維の隙間を埋めている樹脂が削れて穴が開き、雨漏りなどにつながります。トップコートの一部だけが剥がれている場合は、トップコートの塗り直しだけで対処できるでしょう。剥がれが広範囲にわたる場合には、防水工事を再度行う必要があるかもしれません。
ひび割れ
ひび割れは、トップコート層が割れる場合と、下地が割れる場合の2種類があります。ひび割れの深さに応じ、適切な修繕が必要となります。
水たまりの発生
雨が降った後に水たまりが発生するのは、トップコート施工時の傾斜に問題があるサインです。塗装や床材の劣化や雨漏りの原因となるため、トップコートの塗り直しなどの対処が必要です。
まとめ
FRP防水とは、ガラス繊維を混ぜたプラスチック樹脂を敷き、その上に樹脂を塗って仕上げていく施工方法です。ほかの防水工事より高額ですが、耐久性・防水性が高いというメリットがあります。しかし、施工箇所の状態によっては施工できない場合がある、高い技術が必要になるといった注意点もあるので、不安な方は一度業者に相談してみてはいかがでしょうか。
「菊地塗装企画」は、高い技術力を持ったスタッフがそろっている施工会社です。外壁塗装だけでなく、今回ご紹介した防水工事の実績も豊富にあるので、不安なくお任せいただけます。費用やスケジュールに関するご相談も随時受け付けておりますので、防水工事をご検討中でしたらお気軽にご連絡ください。