屋根の塗り替えを検討する際、決めなければならないのが「塗料」です。しかし、塗料にはさまざまなグレードや性能があり、予算もそれぞれ違うため、「どんなものを選べばいいの？」と迷ってしまいがちです。今回は、日本でよく使われている塗料の性能や選び方のポイントについて解説していきますので、お困りの方はぜひ参考にしてください。
主な屋根用塗料4種類
屋根用塗料を選ぶ際は、まず樹脂の種類をチェックすると良いでしょう。まずは、現在多くシェアされている4種類の塗料について解説していきます。
- ウレタン塗料
- シリコン塗料
- フッ素塗料
- 無機塗料
ウレタン塗料
ウレタン塗料は、価格が安価でDIYにもよく使用される塗料です。4種類の中では耐用年数が最も低く、早期のメンテナンスが必要となります。ただし、伸縮性が高いため、また、艶が目立つ仕上がりになるのも特徴です。
シリコン塗料
シリコン塗料は耐久性と価格のバランスが良く、多くの屋根に採用されている塗料です。また、耐水性・耐熱性に優れており、自然環境の影響を受けにくい点もメリットといえます。ただし、シリコンの製品は数が多く、グレードや耐用年数に違いがあるため、慎重な選定が必要になるでしょう。
フッ素塗料
フッ素塗料は高価格で耐用年数も長いことから、一般住宅よりも公共建築や大型物件の塗装で多く使われています。しかし、近年では技術開発が進んでおり、一般住宅向けの手ごろな価格の製品も登場してきています。親水性があり、雨水とともに汚れやホコリを落とす機能を持つ高性能な塗料です。
無機塗料
無機塗料は、石やガラスなどの無機物の成分を使用しているため、劣化がしにくいという特徴があります。防汚性に優れ、コケやカビなどがつきにくい点がメリットです。ただし、比較的新しい塗料のため採用事例が少なく、施工できる業者が限られている点に注意が必要です。
水性塗料と油性塗料とは
塗料選びの際は、樹脂の種類のほかに、水性塗料にするか、それとも油性塗料にするのかを選択する必要があります。水性塗料と油性塗料にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、目的に応じた選択をしましょう。
- 水性塗料
- 油性塗料
水性塗料
水性塗料は水で薄めて使用するため、環境や人体に優しいというメリットがあります。また、塗料のニオイも薄くなるため、刺激臭に敏感な人にも水性塗料がおすすめです。一方、水性塗料は油性塗料に比べて仕上がりの艶や耐久性で劣る場合があります。
油性塗料
一般的に、油性塗料はシンナーで薄めてから使用します。耐久性が高く、紫外線による劣化にも強い点がメリットです。屋根の上での作業のため、室内までニオイが気になるケースは稀ですが、シンナーのニオイが苦手な方は注意が必要です。
特殊性能 を持つ塗料
一般的な塗装のコーティング効果に加え、特殊性能を付加したい場合には、さらにこだわった塗料選びが必要です。以下に挙げる性能について、次項で詳しく見ていきましょう。
- 遮熱
- 断熱
- 高耐久性
遮熱
遮熱塗料は、紫外線を反射して熱の吸収を防ぎ、室内の温度上昇を防ぐ効果があります。夏が過ごしやすくなる、冷房にかかる光熱費が削減できるなどの点はメリットです。特に、濃い色は熱吸収率が高いため、濃い色を希望している場合は遮熱塗料の選択がおすすめです。
断熱
断熱塗料は、熱気と冷気の出入りを防ぐ塗料です。遮熱塗料は夏の暑さを防ぐだけなのに対し、断熱塗料なら冬の寒さにも効果があります。
近年の住宅は、建材に断熱材を含んでいることが多く、塗装に断熱塗料を使うケースは少ないかもしれません。しかし、屋根からの外気の暑さ・寒さが気になる場合は検討できるでしょう。
高耐久性
塗料の中には、長期にわたって塗り替えが必要ない高い耐久性を持つものもあります。耐久性の種類には、錆びにくくする塗料や汚れがつきにくい塗料、など様々含まれます。耐久性が高い製品ほど価格も高めですが、メンテナンスにかかる費用を検討すると、結果的に安くなる場合もあります。
屋根用塗料を選ぶときのポイント
屋根は外壁より早く劣化するケースが多いため、外壁の塗料と同等もしくは高グレードなものを選ぶのがおすすめです。また、外壁に艶無しの塗料を選ぶ場合でも、屋根は汚れ防止のためにも艶有りの塗料にした方が無難です。さらに、屋根材の種類によっても塗料の使用可・不可があるため、業者としっかり相談したうえで決定しましょう。
なお、自宅の屋根がノンアスベストだった場合、そもそも施工ができない可能性があります。ほかにもさまざまなデメリットがあるので、ノンアスベストへの変更を選択肢に入れている方は、一度考えをあらためてみることをおすすめします。
塗料選びと同じほど大切な業者選び
塗料選びのポイントを解説しましたが、実は塗料選びと同じくらい大切なのが業者選びです。同様の塗料を使用しても、施工する職人の技術によって仕上がりの質は大きく変わります。
それぞれの塗料の性能を十分に発揮させるためには、正しい量や施工方法を守る必要があり、一定の知識や経験が求められます。ここでは、業者選びの際に注意したい以下のポイントを紹介します。
□施工実績を確認する
□補償内容やアフターフォローを確認する
□資格や許可証を確認する
施工実績を確認する
塗装業者のホームページでは施工実績を紹介している場合が多いです。実際の写真や具体的な施工内容が掲載されていると、信頼度が高いといえるでしょう。検討している内容と類似した実績があるかどうか確認の上、依頼するのがおすすめです。
保証内容やアフターフォローを確認する
塗装直後は気づかなかった施工上の問題が、しばらくしてから現れるケースもあります。事前に保証やアフタ-フォローが手厚い業者を選んでおくと、万が一の際の対応も安心です。契約をする前に、保証内容をしっかり確認しておきましょう。
資格や許可証を確認する
技術や経験の有無を確認する1つの方法が、資格や許可証です。塗装業者の開業には特別な資格や免許が必要ではありませんが、その中でもホームページに資格や許可証についての記載がある業者は高水準の技術を持つ可能性が高いといえます。
まとめ
屋根用塗料といってもその種類は多岐にわたり、耐用年数や性能などがそれぞれ異なっています。メンテナンスの時期や予算を考慮し、そのときの状況に見合った塗料を選ぶと良いでしょう。なお、屋根は紫外線の影響を受けやすいため、なるべく長持ちする塗料がおすすめです。
「菊地塗装企画」は、高品質・低価格の施工を提供している職人直営店です。有資格者がお客様のライフスタイルやご希望などをお伺いしたうえで施工を進めてまいりますので、初めての方も不安なくお任せいただけます。環境・時代に沿った施工方法や最新技術にも目を向けつつ、より良い提案ができるよう努めておりますので、施工に関するお悩みがございましたらお気軽にご相談ください。
