屋根の塗装は住宅を守るために必要な施工です。しかし、「どのペースで塗装するかわからない」「自宅の屋根に塗装が必要か判断できない」といった人も多いでしょう。
そこで今回は、「セメント瓦」をメインに、塗装の目的や費用の目安などを解説します。塗装頻度についても解説しているので、屋根の塗装が初めての人も安心してください。
セメント瓦とは?
セメント瓦とは、セメントと川砂を混ぜて成型された屋根材です。まずは、主な特徴を見ていきましょう。
<セメント瓦の特徴>
- 耐用年数は30~40年
- 同一の型で製造されるため、形が均一で屋根に隙間ができにくい
- 形状のバリエーションが豊富
- 吸水性がある(水が染み込みやすい)
吸水性については、表面を塗装することで弱点を補っています。
セメント瓦を塗装する目的
防水性と美観を維持するため、セメント瓦には塗装が必要です。それぞれの目的について、次項で詳しく見ていきましょう。
防水性を維持するため
セメント瓦は防水性が乏しく、定期的な塗装によって防水性を維持する必要があります。ただし、塗装したからといって、永久的に防水性が保たれるわけではありません。
雨風や紫外線などが原因で、表面の塗装は徐々に剥がれていきます。定期的なメンテナンスを行い、塗装によってセメント瓦の劣化を防ぐことが大切です。
美観を維持するため
セメント瓦の塗料は経年劣化によって色が落ちていくため、定期的な塗装で美観を維持することも目的のひとつです。また、色選びをこだわることで、建物のイメージに合わせたカラーリングを施すこともできます。さらに、 「日本風から洋風にする」といった変化も叶うので、新築時のような外観に戻しつつ、イメージを一新できるのも塗装の魅力です。
セメント瓦を塗装しないリスク
セメント瓦を塗装せずに放置すると、以下のようなリスクを招くおそれがあります。
<セメント瓦を放置するリスク>
- 経年劣化による塗装の剥がれ
- セメント瓦のひび割れ
- カビやコケの繁殖
セメント瓦の塗料が剥がれてしまうと屋根の防水性が失われるため、カビやコケなどの繁殖リスクが高まります。屋根材の劣化を招かないためにも、定期的な塗装を行いましょう。
セメント瓦の塗装サイクル
セメント瓦には塗装サイクルがあり、時期を守ることでセメント瓦の耐久性を維持できます。では、具体的なサイクルと塗装すべき症状の例を見ていきましょう。
塗装サイクルは10~15年
セメント瓦は10~15年を目安として、定期的な塗装を行いましょう。セメント瓦そのものの耐用年数は30~40年程度ですが、塗料は自然現象によって劣化が進行します。 塗料の種類によって塗装サイクルは変動しますが、上記を目安として塗装することを頭に入れておいてください。
塗装すべき劣化の症状
「前回いつ塗装したかわからない」「今のままでも塗装しなくて平気?」などの疑問・不安を抱える方は、屋根の状態を見て塗装すべきか判断しましょう。
<塗装すべき症状>
- チョーキング(塗料の表面が粉っぽくなる現象)が発生している
- 塗料が変色している
- 日当たりの悪い部分にカビやコケが生えている
- 塗料の一部が剥がれている
上記の症状が現れていれば、塗装すべきタイミングです。ベランダや自宅の周囲などから、屋根の状態をチェックしてみてください。
セメント瓦に施工する塗料選びのポイント
セメント瓦に施工する塗料を選ぶ際は以下のポイントを踏まえて、検討を行いましょう。
□セメント瓦適用の下地を選ぶ
□耐用年数の長い塗料を選ぶ
□遮熱・断熱塗料は効果が薄くなる可能性に注意する
セメント瓦適用の下地を選ぶ
塗料を選ぶ際は見た目にわかりやすい上塗り塗料に注目しがちですが、下地選びも重要です。下地は上塗り塗料を屋根材にしっかり密着させるために欠かせない役割をします。下地選びが適切でないと、早期に塗装の剥がれなどが生じます。
知識と経験の豊富な業者であれば、当然セメント瓦適用の下地を選んでくれるはずですが、念のため製品カタログを確認しておくと安心です。
耐用年数の長い塗料を選ぶ
セメント瓦は、屋根材の中では耐用年数が長い部類に入ります。セメント瓦を使用している住宅は、長期使用を想定したしっかりした造りであるケースが多いです。そのような住宅事情と合わせ、塗料も耐用年数の長いものを選ぶと、長期的に見てコストパフォーマンスが良くなります。
フッ素や無機系の塗料は、価格が高めですが、耐用年数も長めです。建坪が大きい住宅は、一度のメンテナンスにかかる足場代や養生代も大きいため、メンテナンス回数を減らすことで節約になります。
遮熱・断熱塗料は効果が薄くなる可能性に注意する
遮熱・断熱塗料は、夏の室温上昇を防ぐ塗料として人気があります。しかし、セメント瓦はもともと厚みがあるため、熱を通しにくい素材です。
そのため、せっかく遮熱や断熱塗装を行っても、あまり違いが感じられない可能性があります。
セメント瓦の住宅で室内の暑さが気になる場合は、窓や外壁から入る熱による原因が考えられます。他の有効な対処法がないか業者に相談してみるとよいでしょう。
セメント瓦の塗装は業者へ依頼しよう
専用の塗料は市販されていますが、自分で塗装するのは避けましょう。ここからは、DIYで塗装するリスクや業者選びのポイントについて解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
DIYでの塗装がおすすめできない理由
DIYによる塗装は、以下の理由からおすすめできません。
<DIYがNGの理由>
- 屋根材を破損させるおそれがあるから
- 転落事故のリスクが高いため
- 施工不良を起こす可能性があるため(プロのように均一かつきれいな塗装ができない)
高所作業は転落による事故を起こしやすく、知識・技術がなければ危険です。きれいに仕上げるためにも、少しでも不安に感じる方は専門業者へ依頼しましょう。
業者選びのポイント
品質・費用ともに優良な業者を選ぶために、以下のポイントを押さえておきましょう。
<業者選びのポイント >
- 複数社で見積もりを取る
- 事前診断の有無を確認する
- 丁寧な説明をしているかどうかチェックする
費用を抑えるには、複数社での比較検討が必要です。どの業者でも見積もりは依頼できるので、事前にホームページや電話などで確認してみてください。
また、適切な塗装作業を行ってもらうには、屋根の状態を把握する診断も必須です。どの箇所をどのように塗装するのか具体的に説明してもらい、納得したうえで依頼しましょう。
まとめ
セメント瓦は耐久力のある屋根材ですが、塗装がなければ防水性を保てません。そのため、定期的なメンテナンス(塗装)で、屋根材の寿命を延ばすことが大切です。
塗装の際は専門業者への依頼がおすすめですが、「品質を重視したい」「少しでも安く済ませたい」といった方は「菊地塗装企画」へご連絡ください。弊社は宣伝・広告費などを削減しており、 高品質かつ低価格の施工を実現させております。お客様のご要望にお応えできるよう、誠意を持って努めてまいりますので、ご用命の際はお気軽にお問い合わせください。