屋根の塗装は数十万円程度の費用がかかるため、「本当に塗装すべき?」「塗装しても変わらないのでは?」と躊躇してしまうかもしれません。そこで今回は、自宅の屋根は本当に塗装すべきなのか、「アスファルトシングル屋根」をメインに解説していきます。アスファルトシングル屋根を塗装する理由や費用相場なども紹介していきますので、興味をお持ちの方はぜひチェックしてみてください。
アスファルトシングルとは?
アスファルトシングルとは、アスファルトを染み込ませたガラス基材(屋根材の本体部分)に、石粒で表面をコーティングしたシート状の屋根材です。 主な特徴を見ていきましょう。
<アスファルトシングルの特徴>
- カッターやハサミなどで加工できる
- 防水性が高い
- 軽量で建物の耐震性アップに期待できる
アスファルトシングルはシート状で施工しやすく、幅広い屋根の形状に利用できます。
アスファルトシングルを塗装する理由
アスファルトシングルは防水性が高く、割れるリスクも少ない屋根 材です。耐久性が高いため、必ずしも塗装が必要というわけではありませんが、以下のような目的で塗装するケースも少なくありません。
経年劣化による色あせを改善
アスファルトシングルは、経年劣化により表面が色あせたり、コケが生えたりするため、これらを改善するために塗装を行います。 屋根の面積が広ければ経年劣化は目立ちやすいので、美観を維持したい人は塗装を検討しましょう。
ただし、塗装そのものに屋根材の性能を回復させる効果は期待できません。あくまでも美観維持・改善を目的としていることを理解しておきましょう。
アスファルトシングルの石粒を固定させる
アスファルトシングルを施工後、材料となる石粒が雨風などによって剥がれ落ちることもあるため、塗装により固定します。 雨漏りなど建物への悪影響に直接つながるわけではありませんが、石粒の落下が気になる場合、専門業者に塗装を依頼してみてください。なお、石粒はシート状の屋根材を保護しているものでもあり、美観維持だけでなく耐久性のアップも叶います。
アスファルトシングルを塗装する費用相場
アスファルトシングルの塗装費用は、4,000~6,000円/㎡ が相場です。ただし、使用する塗料や業者によって費用は前後するので、あくまでも目安として参考にしてください。
また、自然災害などが原因で塗装が必要となった場合は、火災保険で費用を賄えるケースもあります。手元にある保険証券を確認するか、あるいは保険会社へ連絡して補償されるかどうか確認しましょう。
アスファルトシングルを塗装する際の注意点
アスファルトシングルの塗装を専門業者へ依頼する際は、施工方法・塗料の選別についてひと通り把握しておくことが重要です。期待通りの施工を行ってもらうためにも、次項で解説する注意点を確認しておいてください。
水性・艶無しの塗料を使う
油性塗料はアスファルトを溶かすため、アスファルトシングルの屋根には使用できません。
油性塗料の溶剤にアスファルトの成分が溶け出し、にじむ状態をブリード現象といいます。この現象が起きると、屋根材の歪みや膨れにつながるため、注意が必要です。また艶有り塗料は屋根材が塗料を吸い込んでしまい、ムラができて綺麗な仕上がりにならない場合が多いです。
これらの理由から、アスファルトシングルの屋根には水性・艶無しの塗料を使うのが適切です。専門業者へ塗装を依頼する際は、適切な塗料が使われるかどうか事前に確認しましょう。
見積書の内訳に縁切りが含まれているか確認する
縁切りとは、水が通るための隙間を屋根材に作る工程です。縁切りを行わないと、塗料で隙間が埋まったままになってしまい、屋根から水が抜けません。 場合によっては雨漏りの原因になりかねないため、依頼時は見積書を確認して内訳に含まれているか確認してください 。
劣化・損傷が激しいときは塗装以外の補修を検討
以下のような劣化・損傷が起きた際は、塗装以外の補修を検討しましょう。
<塗装以外の補修・メンテナンスが必要なケース>
- 屋根材が剥がれている
- 屋根材の耐用年数が過ぎてしまい、経年劣化している
- 屋根裏で雨漏りしている
- 自然災害が原因で破損している
上記のようなケースでは、一般的な塗装では対応できず、主に葺き替えやカバー工法などが必要になります。いずれも高額な費用が発生するほか、建物の耐久性も下がってしまうおそれがあるので、なるべく早めに専門業者へ依頼しましょう。
塗装以外のアスファルトシングルのメンテナンス方法
アスファルトシングルの屋根が塗装だけで対処できない劣化状況である場合は、それ以外のメンテナンス方法が必要になります。ここでは、塗装以外の3つのメンテナンス方法を紹介します。
□一部張り替え
□カバー工法
□葺き替え
一部張り替え
強風などの原因で屋根材の一部がめくれたり外れたりしている場合には、一部のみの張り替えを行います。一部張り替えにより元のような外観に戻すことは難しいですが、被害を回復させるには十分なメンテナンス方法です。また、台風などの自然災害が原因で生じた損害の場合、火災保険の申請で費用を賄える可能性もあります。
カバー工法
屋根の全体的に劣化が広がっているものの、下地までは傷んでいない場合、カバー工法を選択できます。アスファルトシングルの場合は、屋根全体の砂粒が取れているなどの状態がこれに当てはまります。カバー工法は、既存の屋根材を残したまま、上に新しい屋根材を重ねる施工方法です。古い屋根材の撤去作業が不要なため、葺き替えよりも費用を抑えられます。カバー工法の際は、同じアスファルトシングルを選択するほか、金属材などに変更することも可能です。
葺き替え
屋根材の寿命に達していたり、下地まで劣化が進んでいたりする場合は、全体の葺き替えをする必要があります。葺き替えの場合は下地まですべてを変える必要があるため、カバー工法よりも費用がかかります。ただし、屋根材すべてを一新できるため、カバー工法より耐用年数が長くなる点はメリットです。
葺き替えの際もカバー工法と同様、好きな素材に変更することができますが、重量には注意が必要です。比較的軽めの屋根材であるアスファルトシングルを撤去した後、それよりも重いスレート屋根や粘土瓦屋根を置くと建物が負荷に耐えられないケースもあります。
まとめ
アスファルトシングルは耐久性が高く、必ずしも塗装が必要な屋根材ではありません。しかし、経年劣化により見た目が悪くなる(コケや色あせの発生など)こともあるので、建物の美観を維持したい人は塗装を検討してみましょう。
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