屋根塗装には意味がない?塗装が必要なケース・不要なケースについても解説

 

屋根の塗装について調べていると、「塗装には意味がない」「耐久性は変わらない」などのサイトを見かけるかもしれません。しかし、実際は屋根の種類や状態により、塗装すべきかどうかの判断は変わります。

今回は、屋根の塗装をすべきか悩んでいる方に向けて、塗装の必要性や塗装OK・NGの屋根について解説します。なぜ塗装を行うのか、基本的な部分から理解を深め、自宅の屋根と照らし合わせながらチェックしてみてください。

屋根塗装を行う理由

屋根塗装を行う理由は主に3つあるので、塗装するか悩んでいる方は以下の内容を参考に検討してみてください。

屋根の耐久力を向上させるため

塗装を行うことで、雨水や紫外線などから屋根を守れます。屋根を塗装しない場合、屋根材はむき出しになり、材質によっては雨風・紫外線などの影響で劣化します。 劣化は屋根のひび割れや雨漏りなどにつながるため、塗装によって耐久力を向上・維持することが大切です。

屋根に新たな機能を付与するため

塗料には、断熱や遮熱などの効果を持つ種類もあり、塗装によって屋根にこれらの機能を付与することが可能になります 。断熱・遮熱によって建物内の温度上昇を抑えられるため、光熱費の節約に期待できます。

屋根の美観を保護するため

屋根は、経年劣化によって汚れやカビ・コケなどが付着するため、塗装で美観を保護することも大切です。美観保護は必須ではないものの、カビやコケが繁殖すると屋根の艶がなくなります。「住宅のイメージを損ないたくない」「新築時のような状態に戻したい」などの場合、美観保護を目的に、防カビ塗料を用いた塗装を検討すると良いでしょう。

塗装がOKな屋根

次に、塗装が可能な屋根について詳しく解説していきますので、自宅の屋根と照らし合わせながらチェックしてみてください。

塗装が必要な屋根の種類

塗装が必要な屋根の種類は次の3つです。

【塗装が必要な屋根】

種類 塗装が必要な理由
ガリバリウム鋼板 経年劣化によって、サビが進行するおそれがある。
トタン屋根 サビが広まることによって、屋根材が破損する可能性がある。
セメント瓦 

瓦防水効果の低下によって、ひび割れが生じるおそれがある。

上記の屋根は、塗装を怠ると屋根材の耐久力を落とすおそれがあります。住宅トラブル(雨漏りや屋根の破損)につながるため、定期的なメンテナンス(塗装)を行いましょう。ただし、メンテナンスの時期は屋根材・塗料の種類によってそれぞれ異なるため、あらかじめ業者に確認しておくと良いでしょう。

塗装すべき屋根の状態

屋根が以下のような状態になった場合、塗装によるメンテナンスが必要です。

<塗装が必要な状態>

  • 塗料が色あせ始めた
  • 屋根にカビやコケが生えている
  • 屋根に軽微な破損ができた

屋根の破損が確認できた場合、塗料の保護機能が失われている状態です。屋根材に水が染み込むおそれがあるほか、破損が大きければ補修工事も検討しなければなりません。色あせやカビ・コケなどが出てきた時点で、屋根の塗装を検討してみましょう。

塗装に向いていない・意味がない屋根

塗装が必要な屋根がある一方、塗装のメリットが得られない、あるいは意味がない屋根も少なくありません。状態次第で塗装以外の工事が必要な場合もあるので、自宅のメンテナンスを行う際は参考にしてみてください。

塗装の前に確認すべき屋根の種類

以下に挙げる屋根は、塗装の前に一度確認が必要です。

【塗装に向いていない・必要性がない屋根屋根の種類】

種類 塗装が不要な理由
天然スレート 素材そのものに耐水性がある。
レサス 張替えによる補修が必要。
日本瓦 塗装での保護が必要ないほど耐久性が高い。

レサスについては、経年劣化により複数のひび割れが発生し、塗装のみでは対処しきれません。

張替えによる補修工事が必要なため、塗装不要の屋根材としてカウントされます。

塗装がNGな屋根の状態

屋根が以下のような状態であれば、塗装はできません。

<塗装できない屋根の状態>

  • 目立った劣化が見られない
  • 劣化が進行しすぎている(ひび割れや屋根材の反りなど)

目立った劣化がなければ、塗料の耐久性が維持されている状態です。ただし、年数が経過するごとに劣化は進行するため、定期的な診断を受ける必要があります。

一方、劣化が進行しすぎている場合、塗装だけでは対処しきれません。状況によって異なるものの、場合によっては塗装作業時の高圧洗浄で屋根材がひび割れを起こすケースもあるので、塗装ではなく補修工事が必要といえます。

屋根塗装に失敗しないためのポイント

屋根塗装は適切に行えば、建物寿命を延ばせます。屋根塗装で失敗しないためには、以下の2つのポイントに注意しましょう。

□しっかり事前調査の説明をしてもらう
□メンテナンスの選択肢を知る

しっかり事前調査の説明をしてもらう

屋根の塗装メンテナンスは、劣化状態や材質によって必要なケースと不要なケース、また適切なメンテナンス方法が異なります。
そのため、施工業者は実際の施工に入る前にしっかり事前調査を行い、報告書を出すのが一般的です。

この際、悪徳業者は利益重視のため必要のない施工や不適切な施工を勧めてくるケースがあります。悪質業者との契約を避けるためにも、診断結果についてしっかりと質問し、提案される施工内容の根拠をはっきりとさせましょう。業者が信頼できるか、他の選択肢も検討できるのか見分けるためには、依頼主側が基本的な知識を少し身に着けておくと良いでしょう。

メンテナンスの選択肢を知る

屋根メンテナンスには、塗装以外の選択肢もあります。主な選択肢は以下の2つです。

□カバー工法
□葺き替え

カバー工法

カバー工法とは、既存の屋根材の上から新しい屋根材を重ねる施工方法です。屋根材の損傷が激しい場合は、補修と塗装の総費用よりもカバー工法のほうが安く済むこともあります。カバー工法では、古い屋根材の撤去が不要のため、葺き替えよりも費用が安く抑えられます。

葺き替え

葺き替えは、下地を含む屋根材すべてを新しく取り替える工法です。最も費用がかかるメンテナンス方法ですが、下地まで損傷が及んでいる場合には、根本的な解決方法として有効です。本来葺き替えの必要があるのに塗装メンテナンスをしてしまい、早期にさらなる葺き替えが必要になる、といった無駄を避けるため、現状に見合った提案をしてくれる業者選びは重要です。

まとめ

屋根の塗装は、耐久性維持や機能性アップなどを目的に行う施工です。塗装が必要な屋根がある一方、塗装ができないケースも多々あるので、不安な方は自宅の屋根を一度確認してみてください。もしセルフチェックが難しい場合は、専門業者に診断を依頼しましょう。

「菊地塗装企画」では、外壁・屋根などの補修のほか、診断のみのご依頼も受け付けております。国家資格を持つスタッフによる診断・アドバイスが可能なので、安心してご相談いただけます。屋根の塗装が必要となった際は、高品質・低価格な施工プランを提示いたしますので、お困りの方はぜひ一度ご連絡ください。