屋根の遮熱塗料とは?性能とメリット・デメリットを解説

夏の室内温度が気になる場合は、屋根の塗装に遮熱塗料を採用することを検討できます。遮熱塗料を効果的に使用するためには、その特性をよく理解しておく必要があります。今回は、遮熱塗料の性能やメリット・デメリットを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

遮熱塗料とは

遮熱塗料とは、太陽光を反射させる機能を持つ塗料です。屋根材が太陽の熱を吸収するのを防ぎ、室内温度の上昇を抑える効果があります。屋根遮熱には、ほかにも遮熱機能付き屋根材や遮熱シートなどがありますが、塗装はそれらに比べて安価に施工ができます。

断熱塗料との違い

遮熱塗料と混同されやすいのが断熱塗料です。大きな違いは、遮熱塗料の効果は温度上昇を抑えるのみなのに対し、断熱塗料には保温の効果もあります。また、費用も断熱塗料の方が遮熱塗料よりも高額です。

遮熱塗料のメリッ ト

遮熱塗料のメリットをまとめると、以下のようなものが挙げられます。

  •  夏を快適に過ごせる
  •  電気代が削減できる
  •  屋根材を熱から守れる

遮熱塗料を使って塗装すると、室内温度の上昇を防げるため、夏場はより涼しく快適に過ごせます。地域によって異なりますが、猛暑日が続くようなところに住んでいる場合、大きなメリットといえるでしょう。また、エアコンの使用量が減り、毎月の電気代を削減できるというのもうれしいポイントです。

また、屋根材を太陽光のダメージから守れる点もメリットです。劣化を防ぐことでメンテナンスの手間や施工回数が減り、施工費用の節約につながります。

遮熱塗料のデメリット

遮熱塗料には以下のようなデメリットもあるため、それぞれの内容をよく知ったうえで採用するかどうか決めましょう。

  •  費用が高め
  •  冬の保温効果はない
  •  定期的な洗浄が必要

費用が高め

遮熱塗料は特殊性能を持つ塗料のため、一般的な塗料よりも単価が高めです。安価な塗料と比べると、価格が2~3倍になることもあります。しかし、耐用年数が長い製品が多いため、長期的に見ると費用を節約できる場合もあります。

冬の保温効果はない

遮熱塗料は夏の暑さを軽減する効果はありますが、冬の保温効果はない点に注意が必要です。室内の寒さが気になる場合は、ほかの施工方法を検討する必要があります。

遮熱塗料に似て異なる塗料に断熱塗料があります。断熱塗料には、熱を溜め込んだうえで熱を伝えにくくする効果もあります。冬の寒さが気になる場合は、断熱塗料がおすすめです。

定期的な洗浄が必要

遮熱塗料は表面に汚れが付着すると遮熱効果が弱まるため、洗浄のメンテナンスが必要です。屋根の洗浄は足場を組み屋根上に上がる必要があるため、業者へ依頼するのが安全です。メンテナンスにもある程度の費用がかかることは、施工前に認識しておく必要があるでしょう。

遮熱塗料を選ぶときは低汚染性塗料がおすすめ

遮熱塗料は表面に汚れが付くとその性能を発揮しにくくなります。そのため、遮熱塗料を使うなら、同時に低汚染性を持つ塗料を選ぶのがおすすめです。

低汚染性とは、親水性が高く水で汚れを流しやすい性質のことです。

雨水だけでも汚れが流れるような高性能な塗料を選ぶと、メンテナンスがずっと楽になります。低汚染塗料には、ほこりなどの汚れだけでなくカビの繁殖を防ぐタイプなどもあり、住居の条件に合わせて選択するとよいでしょう。

遮熱塗料で冬は寒くなるの?

遮熱塗料は断熱塗料と異なり保温の効果はないため、冬を快適に過ごすのには役立ちません。それでは、冬も太陽光を反射してしまい、かえって寒くなるのではないか?という疑問が上がるでしょう。

結論から言うと、屋根に遮熱塗装を施す場合は、それほど影響はない場合が多いです。それは、夏と冬の日射の照射角度の違いが関係しています。

夏は日射角度が高く、家の真上から日光が降り注ぐ形になります。そのため、一番日射を受ける屋根に遮熱塗装することで、暑さを軽減できます。一方、冬は日射角度が低いため、屋根よりも外壁や窓に当たる日光のほうが多いです。「屋根に遮熱塗装を施しても、極端に家の中が寒くなることはない」といえます。

どのようなときに遮熱塗料を使えばいいの?

遮熱塗料が向いているかについて、以下の要素を検討できます。

  • 濃い色の屋根
  • 屋根材の種類
  • 家の設計

濃い色の屋根

一般的に、濃い色の屋根の方が全体のデザインのバランスが取りやすく、黒やグレーなどの色が人気です。しかし、濃い色は熱を吸収しやすいため、夏は室内が暑くなりやすいデメリットがあります。デザイン性から濃い色を使いたい場合は、遮熱塗料を選ぶのがおすすめです。

屋根材の種類

屋根材がスレート屋根や金属屋根の場合、遮熱塗料が効果を発揮しやすいです。スレート屋根は屋根材の厚みが薄く、また金属は熱伝導率が高いため、室内温度が上昇しやすい傾向にあります。これらの屋根材はシェア率が高い一般的な屋根材のため、多くの住宅にあてはまるでしょう。

家の設計

吹き抜けや2階以上の住宅も、遮熱塗料がおすすめです。吹き抜けの家は、2階の日差しが1階まで直接届くため、家全体の温度が上がりやすい傾向にあります。また、高さがあると太陽光に近づくため、2階以上の部屋はより暑くなります。

おすすめの遮熱塗料

最後に、おすすめの遮熱塗料を2つ紹介しますので、気になるものがあればぜひ検討してみてください。

  • サーモアイSi
  • サーモアイ4F

サーモアイSi

「サーモアイSi」はシリコン系塗料で、フッ素系の次に優れた耐候性や光沢保持性を持つ製品です。「サーモアイシリーズ」の中では特にコストパフォーマンスが良く、普及率も高いです。また、幅広いカラーラインナップがあり、色選びも楽しめるので、見た目と機能性を併せ持った製品といえるでしょう。

サーモアイ4F

「サーモアイ4F」はフッ素塗料で、従来のフッ素よりも耐久性の高い「4フッ化フッ素」を配合した製品です。サーモアイSiより高価格帯ですが、遮熱機能の持続性が高く、メンテナンス時期が長くなります。また、フッ素系塗料は防汚性が高いため、遮熱機能の劣化を防ぐとともに美観を長く維持できる点が魅力です。

室内温度上昇を避けたいときは遮熱塗料を活用しよう

遮熱塗料とは、太陽光からの熱吸収を抑える機能を持つ塗料のことです。太陽光の影響を受けやすい屋根に塗装すると、室内の温度上昇が軽減され、夏を快適に過ごせます。遮熱塗料は、熱吸収性の高い濃い色の屋根や、2階建て以上の建物におすすめなので、塗装を検討する際は選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。

「菊地塗装企画」は地域でも評判の職人直営店で、高品質かつ安価な施工を提供しております。塗料の機能を最大限に活かす知識を持ち、メーカー規程の工数に沿って施工を進めてまいります。有資格者がお客様のライフスタイルや環境などを考慮し、適切な塗料を用いて住まいを改善させてまいりますので、遮熱塗料の施工をお考えでしたらお気軽にご相談ください。