トタン屋根にはどんな種類がある?メンテナンス時のポイントも併せて紹介します


トタン屋根は、昔からよく見られる定番の屋根材のひとつです。金属素材ゆえのメリット・デメリットがあり、適切なメンテナンスは欠かせません。今回は、トタン屋根に含まれる屋根の種類やメンテナンス時のポイントについて解説していきますので、興味をお持ちの方はぜひ参考にしてください。

トタン屋根とは?

トタンとは、鉄板に亜鉛メッキを施した建築材です。トタン屋根は金属屋根の一種で、一時期は多くの住宅に採用されていました。トタン屋根には、大きく分けて以下の3種類があるので、まずはそれぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

  • 波板トタン屋根
  • 瓦棒葺きトタン屋根
  • 折板トタン屋根

波板トタン屋根

トタン屋根の中で比較的メジャーなのが、波板トタン屋根です。薄い鉄板の強度を増すために、波型に加工している点が特徴です。波板トタンは後からの塗装が難しいため、基本的に色がついた状態で販売されています。

瓦棒葺きトタン屋根

瓦棒を垂木に打ち付け、瓦棒に金属板を巻き付けて釘で固定して作られているのが「瓦棒葺きトタン屋根」です。屋根が下る向きに沿って、等間隔に線が走っている形状をしています。雨漏りに強く、比較的緩やかな勾配の屋根を作れる特徴があります。

折板トタン屋根

折板トタン屋根は、波型トタンよりもさらに大きく折り曲げた形状をしています。勾配のない屋根にも使用できるため、工場や倉庫などの大きな建物の屋根に使われるケースが多いです。

トタン屋根のメリット

トタン屋根のメリットとして、以下の点が挙げられます。

□安価に施工できる
□軽量で耐震性が高い
□傾斜が緩い屋根でも使える

安価に施工できる

トタン屋根は屋根材の中でも特に安価な素材です。施工方法も比較的簡単なため、材料費と施工費を安価に抑えられます。コストをできるだけ抑えたい人にはおすすめの屋根材といえます。

軽量で耐震性が高い

トタン屋根は軽量なため、建物に対する負担が小さく、耐震性が高い点もメリットです。また、軽量で積雪に強いことから、雪の多い地方でも需要のある屋根材です。

傾斜が緩い屋根でも使える

トタン屋根は屋根の継ぎ目が少ないため、傾斜を緩くしても雨水が溜まりにくい特性があります。建物の構造的にトタン屋根の使用が適しているケースもあるでしょう。

トタン屋根のデメリット

トタン屋根には以下のようなデメリットもあります。メリットと合わせて慎重に検討しましょう。

□遮音性が低い
□サビやすい
□断熱性が低い

遮音性が低い

トタン屋根は遮音性が低く、外部の音が聞こえやすい性質があります。特に屋根に打ち付ける雨の音が大きく、人によってはうるさいと感じるかもしれません。

サビやすい

サビやすく、表面の塗装が劣化するとすぐに屋根材全体にサビが広がってしまう点もデメリットです。同じ金属でも錆びにくいガルバリウム鋼板と比較すると、メンテナンスコストが大きいと言えるかもしれません。

断熱性が低い

トタン屋根は断熱性が低いため、夏場は太陽光の熱を吸収して室内が暑くなりやすい特性があります。断熱材を入れたり、エアコンをつけたりなど、涼しく過ごそうとすると余分なコストがかかる可能性がある点もデメリットです。

トタン屋根のメンテナンス方法

トタン屋根は、劣化が進行しないうちに適切なメンテナンスを行うことで長持ちさせられます。ここからは、劣化段階に応じた主なメンテナンス方法について解説していきます。

  • 塗装
  • コーキング
  • カバー工法
  • 葺き替え

塗装

トタン屋根の表面にサビや剥がれ、色あせなどが見られたときは、メンテナンスが必要な時期といえます。塗装の前にしっかりとサビを落とし洗浄し、補修と塗り替え作業を行うことで、屋根の耐水性がアップします。この際トタンのサビやすさを考慮し、防サビ効果のある塗料を選択することもできるでしょう。

コーキング

トタン屋根の表面のサビをそのままにしていると、サビが内部へ広がっていき、やがて穴が空いてしまいます。穴が小さい場合は、コーキングと呼ばれる穴埋め材を使用する部分修理で対応できます。ただし、コーキングはあくまで応急処置であり、劣化が進んでいる屋根材はすぐにサビや穴あきを発生させる可能性が高いです。

カバー工法

カバー工法は、既存の屋根材を残したまま新しい屋根材を乗せる工法で、コーキングで対応できない場合によく選ばれます。カバー工法は、古い屋根材の撤去が不要なため、工期が短く費用も安くなるメリットがあります。

葺き替え

屋根材の劣化が内部まで進み、防水シートの効果もなくなっている場合、カバー工法ではなく葺き替えが必要になります。葺き替えは、既存の屋根材をすべて新しく変える工法なので、ほかの屋根材への変更も可能です。

トタン屋根のメンテナンス時に注意すること

屋根材や塗装には寿命があるため、適切な時期にメンテナンスをすることは大切です。最後に、メンテナンス時のポイントを3つご紹介します。

  • 丁寧に作業する業者を選ぶ
  • 目的と状態に応じたメンテナンス をする
  • ガルバリウム鋼板への葺き替えも検討 する

丁寧に作業する業者を選ぶ

トタン屋根の劣化は主にサビによって進んでいきます。そのため、塗装の際に下地処理が十分ではなくサビが残っていると、仕上がりの質に問題が生じます。大事な屋根を長持ちさせるためにも、丁寧な対応をしてくれる業者を選ぶことは非常に重要といえるでしょう。

目的と状態に応じたメンテナンスをする

先述したとおり、トタン屋根は劣化状態に応じて異なるメンテナンスをしなければなりません。一番安価なのは塗装ですが、劣化状態によっては塗装だけでは対応できない場合もあります。早期のメンテナンスはトータルの費用の削減にもつながるため、専門業者と相談しつつ適切な判断をするようにしてください。

ガルバリウム鋼板への葺き替えも検討する

ガルバリウム鋼板は、トタンと同等の価格で、サビにくく耐用年数が長いという特徴があります。ガルバリウム鋼板の登場により、近年ではトタン使用のメリットが少なくなっています。葺き替えの際は、トタンからガルバリウム鋼板への変更を検討しても良いかもしれません。

トタン屋根は適切な時期にメンテナンスしよう

トタン屋根は金属素材で、安価で軽量であるメリットを持つ屋根材です。一方でサビやすい特性があり、定期的なメンテナンスが欠かせないので、手間や時間を減らしたい方は葺き替えを検討することをおすすめします。

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