コンクリート打ちっぱなし外壁は、スタイリッシュでおしゃれなイメージがあります。一方で、「劣化しやすいの？」「メンテナンスは特殊なの？」と疑問をお持ちの方もいるかもしれません。今回は、コンクリート打ちっぱなし外壁の特徴やメリット・デメリットについて解説していきますので、お悩みの方は参考にしてみてください。
コンクリート打ちっぱなし外壁とは？
コンクリート打ちっぱなし外壁とは、コンクリートの地肌をそのまま表面に出した外壁のことです。枠の中に生コンクリートを流し込み、そのまま固めて形成し作られます。本来はその上に仕上げの塗装をしたり、タイルや石を張ったりしますが、あえて表面施工をせずに完了するのが特徴です。
コンクリート打ちっぱなし外壁のメリット
コンクリート打ちっぱなし外壁の主なメリットは以下の3つです。
- 見た目がおしゃれ
- 間取りの設計がしやすい
- 機能性が高い
見た目がおしゃれ
コンクリート打ちっぱなし外壁を選ぶ理由として、「デザイン性の高さ」が挙げられます。コンクリート特有の無機質な印象は、現代的でスタイリッシュな家に仕上げるのに最適です。シンプルなデザインは飽きにくく、長く使用する住宅に適しているといえます。
間取りの設計がしやすい
コンクリート打ちっぱなし外壁は、柱の中にコンクリートを流し込み形成します。そのため「コンクリート打ちっぱなし住宅」にした場合、柱などの要素にとらわれることなく、自由に間取りを設計できます。たとえば、木造建設では難しい柱のない広々とした空間を作ることも容易です。
機能性が高い
コンクリートには重みや厚みがあって防音性が高く、ホームシアターや楽器のプレイルームを作りたい場合にも適しています。また、コンクリートは耐火性も強く、火災の飛び火がしにくい点もメリットです。そのため、木材建築よりも火災保険の料金が安くなるケースも少なくありません。
コンクリート打ちっぱなし外壁のデメリッ ト
コンクリート打ちっぱなし外壁にはデメリットもあるため、選択前には注意が必要です。ここからは、以下に挙げるデメリットについて解説していきます。
- 断熱性が弱い
- 汚れが目立ちやすい
- 建替えの撤去費用が高額になる
断熱性が弱い
コンクリートは熱伝導率が高く、外気の温度を吸収して蓄積する性質があります。そのため、室内の冷暖房の効率性が悪くなり、夏は暑く冬は寒くなりやすい傾向にあります。対策をしていないと光熱費が高額になる可能性があるので、地域によっては断熱リフォームなどを検討することも必要です。
汚れが目立ちやすい
コンクリート打ちっぱなし外壁は、素材の風合いを活かし表面に塗装をしないため、経年汚れが目立ちやすいというデメリットがあります。撥水性がなくなると、浸水しやすくなりカビやシミなどの汚れが生じるようになります。また、雨水による黒ずんだ汚れや白く垂れたような跡などもよく見られる汚れです。コンクリート外壁の材質自体の耐用性は比較的高いですが、美観を保つためには定期的なメンテナンスが必要となります。
建替えの撤去費用が高額になる
コンクリートには重量があるため、解体には大型の重機が必要になります。また、解体後の廃棄にも費用がかかります。新築を建てた方が解体を行うケースは少ないかもしれませんが、成長した子どもが大きな負担を負うことがあるという点に注意が必要です。
コンクリート打ちっぱなし外壁の塗装方法
コンクリート打ちっぱなし外壁でも、長持ちさせるために定期的に塗装を行うのがおすすめです。ここからは、コンクリート打ちっぱなし外壁で選択できる塗装方法について解説していきます。
- 撥水剤を使う
- 弾性塗料を使う
- カラークリヤー塗料を使う
- 再現工法で塗装する
撥水剤を使う
撥水剤は、防水性を高め雨染みなどの汚れを防ぐ目的で使用します。無色透明のため、コンクリートの見た目の質感を残したままコーティングができます。一方、ほかの施工に比べて耐久性がやや低く、早期のメンテナンスが必要になる点に注意が必要です。
弾性塗料を使う
弾性塗料は伸縮性に優れているため、ひび割れができている外壁への施工に適しています。ただし、特殊な方法を使わない限り、弾性塗料を施すとコンクリートの質感が薄まってしまうため、コンクリート以外の素材に変えたい場合に選択するのがおすすめです。
カラークリヤー塗料を使う
カラークリヤー塗料とは、透明の塗料に着色剤を混ぜたもので、コンクリートの劣化の原因である中性化を防ぐ効果があります。コンクリートの素材感を活かしたまま、艶ムラや濡れ色を防止できます。また、コンクリート内にある鉄筋のサビ防止にも有効です。
再現工法で塗装する
再現工法とは、塗装の技術によりコンクリート打ちっぱなし外壁の質感を再現する施工方法です。当初の外観を再現できるメリットがありますが、高い技術力が求められるため、希望する際は対応できるかどうか業者に聞くことをおすすめします。
コンクリート打ちっぱなし外壁が劣化しやすいのはなぜ？
コンクリート打ちっぱなし外壁は、撥水材のみを使い表面施工して仕上げるのが一般的です。このとき、撥水材の効果が劣化すると水分が入り込み腐食の原因となり、適切な時期にメンテナンスしないと劣化が早まってしまうおそれがあります。また、コンクリートの素材がむき出しになっており、外観の劣化が目立ちやすいため、一般の住宅に比べてこまめな対策が必要になるといえるでしょう。
「コンクリート打ちっぱなし風」の選択肢もあり
コンクリート打ちっぱなしの外壁には多くのメリットがありますが、メンテナンスの特殊性は人によってデメリットと感じる可能性もあります。コンクリート打ちっぱなしの外壁のデザイン性に魅力を感じる場合、「打ちっぱなし風」の選択肢も検討できるでしょう。
窯業系サイディングの外壁材はデザインが非常に豊富で、中にはコンクリート打ちっぱなしのようなプリントを施したものもあります。
なお、打ちっぱなし風と本物のコンクリートではメンテナンス方法が大きく異なるため、自宅がどちらを使っているかわからない場合はメンテナンス時に業者にしっかりと確認をとることをおすすめします。
おしゃれな外観のコンクリート打ちっぱなし外壁はこまめなメンテナンスが重要
コンクリート打ちっぱなし外壁は、おしゃれでスタイリッシュな印象を作るのに最適です。一方で、コンクリートの素材がむき出しのため、こまめなメンテナンスが必要であることを押さえておきましょう。塗装メンテナンスで使える塗料はさまざまな種類があるため、劣化状況や外壁に求める機能によって選択する必要があります。
「菊地塗装企画」には、高い技術力と幅広い経験を持った実力のあるスタッフがそろっており、お客様のライフスタイルや環境に合った適切な施工プランを提案いたします。費用やスケジュールに関するご相談も随時受け付けておりますので、外壁のメンテナンスをご検討中でしたらお気軽にご連絡ください。
