外壁のデザインが気に入っていて変えたくない場合は、クリア塗装の選択を検討できます。しかし、いくつか注意すべき点があるので、事前に把握してから決める必要があるといえます。今回は、クリア塗装のメリット・デメリットと、向いている外壁のタイプについて解説していきますので、興味をお持ちの方はぜひチェックしてみてください。
クリア塗装とは?
下地が透けて見える無色透明な塗料を使用して塗装する方法を「クリア塗装」と呼びます。具体的には、以下のような塗料が使用されます。
- アクリルクリア塗料
- ウレタンクリア塗料
- シリコンクリア塗料
- フッ素クリア塗料
塗料によって耐久性は異なり、なかには紫外線の影響を防ぐUVプロテクト機能などを持つ塗料もあります。デザイン性とともに、外壁保護の観点からも、適切な塗料選びは重要といえます。
クリア塗装のメリット
クリア塗装のメリットは主に3つあるので、詳しい内容を押さえておきましょう。
- 外壁の色や柄を活かせる
- 外壁をコーティングできる
- 費用を抑えられる場合がある
外壁の色や柄を活かせる
外壁を塗り替える際、完全に同じ色で仕上げることは難しく、仮に今の色を維持したいと思っていても、多少印象が変わってしまうことは決して珍しくありません。しかし、クリア塗料は無色透明なので、「今の色をそのままにしておきたい」という希望を叶えることができます。
外壁をコーティングできる
外壁材の多くは耐水性を持たないため、時期に応じて塗り替えを行い、コーティング力を保たなければいけません。クリア塗料の見た目は透明ですが、色付きの塗装と同様にコーティングの効果があり、デザイン面以外でのメリットを得られるのもうれしいポイントです。
費用を抑えられる場合がある
色付きの塗料は、最初に下地塗料を塗ってから上塗りを行っていきます。一方、クリア塗装は下地塗装が必要なく、工期が短くなり人件費や材料費が抑えられる可能性があります。
クリア塗装が向いている外壁は ?
クリア塗装が向いているかどうかは、デザインの好みや外壁の状態によって少々異なります。一般的に、以下のような外壁にはクリア塗装が向いているといわれています。
- タイル調、レンガ調などのサイディング外壁
- 打ちっぱなしのコンクリート外壁
デザイン性の高いサイディング外壁や、シンプルなコンクリート外壁にはクリア塗装がおすすめです。
クリア塗装のデメリット
クリア塗装には以下のようなデメリットもあるので、それぞれの内容を把握しておきましょう。
- 早期にメンテナンスが必要になる
- 傷やひび割れが見えやすい
- クリア塗装ができない場合もある
早期にメンテナンスが必要になる
クリア塗装は、劣化症状が進行している外壁には施工できません。そのため、クリア塗装は劣化症状が見られる前にメンテナンスを行う必要があります。
色付きの塗装の場合、劣化症状が見られてから塗り直しを行うのが一般的です。一方、クリア塗装はそれよりも早い時期に塗り直しが必要になるため、色付き塗装に比べて費用や手間がかかるといえます。
傷やひび割れが見えやすい
傷やひび割れなどがある箇所にクリア塗料を塗ると、そのまま透けて見え、外観が悪くなるおそれがあります。また、仮に補修をした後で塗装した場合でも、補修跡がそのまま見えてしまう可能性があるので、これらの問題が考えられるときは色付きの塗料を選ぶと良いでしょう。
クリア塗装ができない場合もある
クリア塗装に向いていない外壁に施工を施すと、十分に密着できず剥がれやすくなります。また、外壁の状況によってはクリア塗装ができないことも少なくありません。
クリア塗装を希望する場合は、施工可能かプロの業者に相談したうえで決めると良いでしょう。なお、クリア塗装ができないケースについては、以下で詳しく解説します。
クリア塗装ができないケース
クリア塗装ができないケースとして、主に以下のようなものが挙げられるので、きちんとチェックしてから施行するかどうか検討しましょう。
- 劣化が進行している
- 特殊な塗料を使って施工している
劣化が進行している
外壁に以下のような劣化状態が生じている場合、クリア塗装をするのは厳しいといえます。
- 傷
- ひび割れ
- チョーキング
先述したように、傷やひび割れがある状態で塗装すると、上から透けて見えてしまいます。また、触ると手に白い粉がつくチョーキングが発生している場合、ムラが生じるほか、白っぽい仕上がりになる可能性があります。
特殊な塗料を使って施工している
特殊な塗料を使って施工した外壁の場合、クリア塗装ができない可能性があります。一般的な例として、以下のようなものが挙げられます。
- 光触媒塗料
- フッ素塗料
- 無機塗料
これらの塗料の上にクリア塗装を施すと、早期の剥がれを引き起こすおそれがあります。ただし、塗料の製品によっては施工が可能なケースもあるため、塗装業者に相談したうえで選択すると良いでしょう。
クリア塗装を成功させるポイント
塗装は、信頼できない業者に依頼してしまうなどで失敗してしまう可能性もあります。この見出しでは、成功するためのポイントを解説してまいります。
□事前調査をしっかり行う業者を選ぶ
□コーキングの色選びに注意する
□艶の度合いを確認する
事前調査をしっかり行う業者を選ぶ
外壁の状態によってはクリア塗装が向いているケースとそうでないケースがあります。傷やひび割れが大きい場合は、クリア塗装ではカバーできません。また、チョーキングはしっかり等級を判定し、クリア塗装の仕上がりに影響しない程度であることを確認する必要があります。
しっかりと事前調査を行い、施工が適していない場合にははっきりと伝えてくれる信頼できる業者を選ぶと安心です。
コーキングの色選びに注意する
塗装メンテナンスの際は、コーキングの張り替えも行うのが一般的です。クリア塗装の施工に色選びの過程はありませんが、コーキングには色があります。クリア塗装の下から透けて見える外壁の色と組み合わせて違和感のない色を選びましょう。
艶の度合いを確認する
クリア塗装は無色透明ですが、艶の度合いには製品による違いがあります。同じ色でも、艶の度合いによって印象が変わるため忘れずに確認しておきましょう。製品によっては艶の度合いを選べないものもあるため、事前に業者と相談しておくことが大切です。
クリア塗装の特性を知って最適な外壁塗装を選ぼう!
クリア塗装とは、無色透明の塗料を使って塗装をする方法のことで、現在の外壁の色や柄を変化させずにコーティングできる点がメリットです。一方、早期のメンテナンスが必要であったり、傷やひび割れが透けて見えたりするなどのデメリットもあるため、特性をよく理解したうえで使用するかどうか決めましょう。
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