漆喰は、天然素材ならではの独特な高級感と、最長100年以上の耐用年数が魅力の壁材です。和洋問わず幅広いデザインの建物にマッチし、近年主流になっている素材とは一味違った雰囲気を楽しめます。
今回は、漆喰とはどんな素材なのか、外壁に使用する際のメリット・デメリットは何なのかを詳しく解説します。素材が持つ特性が自分に合っているかを確認し、ぜひ漆喰による外壁塗装を検討してみてください。
漆喰とは
「漆喰」とは、消石灰(水酸化カルシウム)を主成分とした塗り壁材のことを指します。日本では消石灰のほかに、スサ(つなぎ材)とのりが含まれるものが一般的です。また、地域ごとに異なる建築様式や気候風土の影響を受けて、世界各地で独自の発展を遂げています。
漆喰は、古くはお城やお寺の建築の際の定番であった壁材です。ただし現代では、一般の方が気軽に使えるDIY素材としても販売されています。もちろん、外壁塗装業者に依頼すれば、専門的な知識と技術を持ったスタッフが丁寧に施工します。
漆喰の外壁のメリット
壁材に漆喰を使用するメリットは、主に以下の4つとされています。
〈漆喰の外壁のメリット〉
- 耐用年数が長い
- 脱臭・消毒効果が見込める
- 調湿効果が見込める
- 和洋問わず建物にマッチする
耐用年数が長い
近年の住宅において主流なサイディング外壁の耐用年数は、おおよそ20~30年といわれています。これに対し、漆喰の外壁の耐用年数は、適切なメンテナンスを重ねれば100年を超えます。漆喰には、空気中の二酸化炭素を吸収して硬くなる性質があるため、施工後も耐久性が高まり続けるのです。
脱臭・消毒効果が見込める
漆喰の主成分である消石灰が持つ殺菌効果によって、生活の中で生まれる嫌なニオイやカビの発生を抑える効果が見込めます。消石灰は強アルカリ性でもあるため、人間の体や生ごみなどから発生する酸性のニオイには特に強い脱臭効果を発揮します。
調湿効果が見込める
漆喰の表面は、小さな穴が空いている多孔質構造になっており、吸湿・放湿効果が見込めます。ただし、強く実感できるほどの調湿効果を望む場合、漆喰を厚塗りしてもらうよう業者に希望を伝える必要があります。
和洋問わず建物にマッチする
漆喰の壁に対し、和風なイメージを持つ方も多いですが、漆喰は施工時の塗り方によってさまざまな表情を見せます。独特な雰囲気と高級感があり、洋風建築にもマッチするため、建物のデザインを問わず使える壁材といえます。
漆喰の外壁のデメリット
漆喰の外壁には、以下のようなデメリットもあります。メリットだけでなく、デメリットも踏まえたうえで漆喰を選ぶかどうか慎重に検討しましょう。
〈漆喰の外壁のデメリット〉
- 費用が高額かつ施工期間が長い
- 傷や汚れがつきやすい
- 施工後しばらくは素材のニオイを感じる
費用が高額かつ施工期間が長い
漆喰の外壁塗装を業者に依頼した際の相場は1平米あたり4,000~7,000円 程度と比較的高額で、安価な壁材の数倍の費用がかかることもあります。また、漆喰は塗装の過程で乾燥期間が必要となります。そのため施工期間を長く取らなければならず、施工時の負担が大きいのもデメリットです。
傷や汚れがつきやすい
漆喰の壁は、わずかな擦れなどでも傷がつきやすく、汚れを落としにくいのが難点です。また、地震などによってひび割れ・剥がれが生じるリスクも高いため、日々の取り扱いに気を配りつつ、定期的にメンテナンス・補修を行う必要があります。
施工後しばらくは素材のニオイを感じる
漆喰には、石灰とのりが混ざった独特なニオイがあり、施工直後には磯の香りが漂います。年月が経つにつれて無臭になっていきますが、漆喰のニオイが苦手な方にはおすすめできません。
漆喰はデザイン性と耐用年数を重視したい方におすすめ
先述したように、漆喰の魅力はほかの壁材にはない独特な風合いによるデザイン性の高さにあります。表面の仕上げ方を変えることで、どんな建物のデザインにもマッチするほか、流行り廃りの影響も受けません。適切なメンテナンスを重ねれば、おおよそ100年以上使い続けられるものでもあるため、長期にわたって長く住み続けたい方にぴったりの素材といえるでしょう。
漆喰の外壁のメンテナンス方法
漆喰の外壁を長持ちさせるためには、適切なメンテナンスが重要です。ここでは、汚れや劣化具合に応じたメンテナンスの方法を解説します。
□表面の黒ずみや土埃
□染み込んだ汚れ
□しつこい汚れやカビ
□ヒビや剥がれ
表面の黒ずみや土埃
軽い表面上の汚れは、洗剤を付けて絞った布で拭くだけで落とせるものもあります。また、消しゴムやメラニンスポンジを使う清掃方法も試せるでしょう。ただし、汚れを落とそうと強く擦って外壁を傷つけることがないよう注意が必要です。ブラシは漆喰を削ってしまう恐れがあるため使わないほうが安全です。
染み込んだ汚れ
漆喰の層に染み込んだ汚れは、サンドペーパーで削って落とせます。なるべく壁の表面を傷つけないよう、細かい目のものから試すのがおすすめです。また、細目から中目へ少しずつ変えて使用していくことで、滑らかな仕上げにできます。
しつこい汚れやカビ
カビなどのしつこい汚れが落ちない場合は、塩素系漂白剤を使用します。外壁に吹き付けた後しばらく時間を置き、洗い流して落とします。塩素系漂白剤はスプレータイプを選ぶと、壁に吹き付けやすく便利です。
ヒビや剥がれ
漆喰にヒビや剥がれが生じた場合は、塗り直しが必要です。一部だけ塗り直すと周囲と比べて色浮きが気になりますが、費用を抑えたい場合は応急的にDIYでも対応できます。ホームセンター等で刷毛やローラースプレータイプの補修用漆喰塗材が販売されているので、利用するとよいでしょう。
全体的な劣化は業者へ依頼しよう!
軽微な汚れや剥がれであれば、日常の清掃やDIYでも対応できますが、劣化が全体に見られる場合は塗り替えを業者に依頼する必要があります。漆喰の塗り替えには、古い塗装の上から重ね塗りする方法と、古い漆喰を剥がしてから新しく塗り直す方法があります。古い漆喰をすべて剥がしたほうが費用はかかりますが、外壁の層の劣化を根本的に解決できます。また、落としにくい汚れなどについても、自身で無理に対処して外壁を傷つけ状態を悪化させることがないよう、早めに業者に相談するのがおすすめです。
まとめ
素材の独特な雰囲気と高級感が魅力の「漆喰」は、メンテナンスの費用や手間がかかる一方、長く使い続けられるというコストパフォーマンスに優れた壁材です。デザイン面にも優れているので、予算に都合が合えば漆喰を使用することを検討してみてください。
「菊地塗装企画」は、東京都町田市に拠点を構える職人直営店で、低価格・高品質の施工を提供しております。使用する壁材に関するご相談や、費用に関するご質問を随時受け付けておりますので、どなた様も不安なくご利用いただけます。高い技術を備えたスタッフがそろっており、お客様のご自宅をよりきれいなものにするよう努めてまいります、ご用命の際はお気軽にご連絡ください。