トタン外壁は住宅にも使える?メリット・デメリットと費用相場を解説

 


トタンに対し、「工場や倉庫に使われている壁材」というイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、色や形状選び・塗装の工夫次第では、一般的な住宅をおしゃれに演出できる優秀な壁材でもあります。今回は、トタン外壁を住宅に採用するうえでのメリット・デメリットや費用の相場を解説していきますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

トタン外壁とは

「トタン」は、住宅の外壁のほか、屋根や外構など幅広い用途がある建築素材です。薄く伸ばした銅板に、サビ防止の亜鉛メッキを施して作られています。軽くて耐久性が高いため、扱いやすいのが特徴です。

トタンの代表的な種類として、大きく曲線を描いて波打った形状の「波トタン」が挙げられます。また、平面に近い形状のものや、木目調がプリントされていて一見金属には見えないようなものなど、トタンにはさまざまなバリエーションが存在します。

トタン外壁のメリット

住宅の外壁にトタンを採用することによるメリットは、主に以下の3つとされています。

〈トタンの外壁のメリット〉

  • 費用が安く済む
  • 価格に対して耐久性が高い
  • 色や形状の選び方次第で独自の個性を出せる

費用が安く済む

トタンは、比較的低コストで使える壁材です。素材自体が扱いやすいものであるため、施工にあたっての技術費もさほどかかりません。トタンを選ぶことによって、トータルのコストを抑えることができます。

価格に対して耐久性が高い

「安い素材はすぐにダメになってしまうだろう」と思いがちですが、トタンは価格に対して耐久性が高いのが強みです。適切なメンテナンスを重ねれば10~20年ほど使い続けることができ、長期的なコストパフォーマンスにも優れています。

また、再塗装などのメンテナンスは専門業者への依頼がおすすめですが、応急処置ならDIYでの補修も可能です。ただし、屋根に上がって作業すると転落などのリスクがあるので、不安な方は無理せず業者に頼ることをおすすめします。

色や形状の選び方次第で独自の個性を出せる

トタンは、色や形状の選び方や張り方によって雰囲気が大きく変わる壁材です。全体的なデザインのイメージを膨らませつつ工夫すれば、安っぽく見えずにおしゃれな住宅に仕上げることができます。

トタンの外壁のデメリット

安くて耐久性が比較的高いことがトタンの魅力ですが、以下のように日々の暮らしに直結するデメリットが多い壁材でもあります。

〈トタンの外壁のデメリット〉

  • サビがつきやすい
  • 遮熱性・遮音性が低い
  • 他の壁材への張替えが制限される

サビがつきやすい

トタンは金属製であるため、施工後についた傷や、施工によって発生する切断面からサビが広がりやすいです。また、長くきれいな状態を保つためには再塗装などの定期メンテナンスが必須で、丁寧に扱ったとしても丈夫で耐用年数が長いほかの壁材には劣ってしまいます。

遮熱性・遮音性が低い

金属製ゆえの特性として、熱伝導性が高く、内外で発生する音を通しやすいこともデメリットとして挙げられます。遮熱性に関しては、塗装である程度高められるものの、夏場は室内温度が非常に高くなりやすいため暑さ対策は必須です。

ほかの壁材への張替えが制限される

トタンのような軽い壁材からほかの壁材への張替えを希望する場合、外壁が極端に重くなってしまう種類のものは選べない可能性が高いです。外壁の重量が急激に増えると住宅の構造に悪影響を及ぼす可能性があるため、張替えの際にもトタンと同じような軽い壁材の中から決める必要があります。

トタンの外壁はコストカットを最重視する場合におすすめ

トタンがおすすめできるのは、極力コストを抑えつつ耐久性のある壁材を選びたい方です。以下の表で、トタンと近年の住宅で主流な壁材であるサイディングの費用相場を比較してみましょう。

  張替えの費用相場
トタン(約40坪) 120~200万円
サイディング(約30坪) 200~300万円

※外壁の面積などによって料金は大きく変わる可能性がある

トタンのデメリットは日々の暮らしに直結するものが多いので、予算にある程度余裕がある方は他の壁材にも目を向け、それぞれの特徴を比較検討してみてください。

トタン外壁のメンテナンスの目安

長年トタン外壁を使用している住宅は、メンテナンスが必要な時期に来ているかもしれません。以下の状態が見られたら、適切な対処を行いましょう。

□チョーキングや塗装の剥がれ
□サビ
□穴

チョーキングや塗装の剥がれ

チョーキングとは、触ったときに指に白い粉が付く現象です。紫外線により劣化した顔料が粉となることが原因で起こります。また、塗装の色褪せや剥がれなども、塗装が劣化し防水効果を失っているサインです。そのまま放置していると水が浸食しやすくサビの原因となるため注意しましょう。

サビ

サビがすでに発生している場合は、塗装の劣化もしくは外壁材に傷がついていることが予想されます。サビが小さい場合は部分補修で対応できますが、全体に広がっている場合は塗装や張り替えが必要となります。

サビがさらに進行し、外壁に穴が開いてしまっていると、部分補修や塗装では対応できなくなります。この場合は、外壁材自体の張り替えが必要です。現在ではトタンよりも耐用性の高い金属建材が普及しているため、張り替えの機会に外壁材の種類の変更を検討してもよいかもしれません。

トタンのより優れている?ガルバリウム鋼板

金属系の外壁材で最も多く普及しているのが、ガルバリウム鋼板です。トタンとガルバリウム鋼板の比較を表にしましたので、参考にしてください。

  トタン ガルバリウム鋼板
材質 薄い鋼板に亜鉛メッキを加工したもの 薄い鋼板にアルミニウム・亜鉛・シリコンで加工したもの
耐用年数 約10~20年 約20~30年
性能 遮音性・遮熱性が低い 各性能を付与した商品が販売されている
価格(1平方m当たり) 約700~3,000円 約3,000円~5,000円

ガルバリウム鋼板は、アルミニウムが多量に含まれているため錆びにくく、軽量で耐久性が高い特性を持っています。耐用年数はトタンに比べてずっと長く、メンテナンス費用を考えると費用対効果も高いといえます。トタン外壁の張り替えが必要になった場合は、ガルバリウム鋼板への変更も検討できるでしょう。

まとめ

トタンは比較的安く、耐久性にも優れた素材です。しかし、トタンは熱伝導性が高く、夏場は室内温度が高温になりやすいため、定期的にメンテナンスを行って遮熱性を保つことが非常に重要です。軽微な症状や応急処置なら自分の手で作業できますが、高所作業など危険をともなうことも多いので、施工をお考えならまずは業者に相談することをおすすめします。

トタンの外壁塗装をお考えの方は、「菊地塗装企画」へご連絡ください。外壁塗装の専門知識と技術を備えた職人の手で、劣化が見られるトタンを速やかに補修いたします。余計な広告費をカットし、低価格での施工を実現させておりますので、ご用命の際はお気軽にご相談ください。