無機塗料はどんな塗料?おすすめのシーンや価格、耐用年数を解説


建物の屋根や外壁を彩る塗料には、成分が異なるさまざまな種類のものがあります。塗料の種類によって向いている材質やおすすめのシーンが異なるため、塗装したい建物に合わせて適した塗料を選ばなければいけません。

今回は、塗料の種類のひとつである「無機塗料」について解説します。ほかの塗料とは異なる性質を持つ無機塗料の、価格や耐用年数、おすすめのシーンなどを詳しく見ていきましょう。

無機塗料とは

無機塗料とは、合成樹脂のほかに無機物が含まれている塗料のことです。使用される無機物には、石やレンガ、ガラスなどが含まれます。

無機物は紫外線で劣化しないという特徴を持っており、無機塗料にもそのような特徴が反映されていますが、「100%無機物」というわけではありません。無機物の性質を活かしながら、有機物と混ざっているものが無機塗料です。

無機塗料の耐用年数

無機塗料の耐用年数は、おおよそ20年 以上だといわれています。販売されている塗料の中では、最も耐用年数の長い塗料です。無機物が含まれている無機塗料は紫外線や雨風に強いため、長持ちする特徴があります。

無機塗料の価格

無機塗料の平米単価は、おおよそ2,500〜3,000円とされていますが、場合によっては5000円以上になることもあります。しかし、おおよそ20年は塗り替える必要がないため、全体的に考慮すると、コストパフォーマンスは悪くないといえるでしょう。

無機塗料のメリット

無機塗料は、主に3つのメリットを持つ塗料です。

  • 耐候性が高い
  • 防汚性に優れている
  • 不燃性である

耐候性が高い

紫外線や雨風に強い無機物の影響を受けているため、外壁や屋根の塗装に利用しても劣化しにくい特徴があります。一部の塗料は紫外線によって変色することもありますが、無機塗料にはそのような心配は不要です。

また、無機塗料の中には耐用年数が30年間のものもあり、頻繁に塗り替えをしたくない建物には特におすすめです。 特に、塗り替えが大変な高層マンションやタワーなどには無機塗料が向いています。

防汚性に優れている

無機塗料には、カビやコケなどの栄養になる有機物が少ないため、これらの被害を受けにくいです。カビやコケは建物の見た目を悪くするだけでなく、劣化のスピードを早める原因になるため、建物の保護の面でも無機塗料は有効といえます。

さらに、無機塗料は親水性も高いです。仮に表面が汚れても、雨と混ざってそのまま流れていくので、砂やホコリ、鳥のフンなどが付着しても毎回こまめに掃除する必要はありません。

不燃性である

石やレンガ、ガラスが燃えないように、無機塗料も燃えにくい性質を持っています。まったく燃えないわけではないものの、火事の被害は最小限に抑えられます。また、 複数の建物が隣接している場合、無機塗料を使っていれば燃え移りのリスクを下げられることもメリットのひとつです。

無機塗料のデメリット

無機塗料にはさまざまなメリットがある一方、以下のようなデメリットも見受けられます。

  • ひび割れが起こりやすい
  • 職人の技術と知識が求められる
  • 価格が高い

ひび割れが起こりやすい 

無機塗料は硬さを持つ塗料のため、屋根や外壁などの表面がひび割れると、塗装面も同じようにひび割れてしまう可能性が高いです。そのため、ひび割れしやすいコンクリートやモルタル、時間が経つと変形する木材などには適していません。

しかし、無機塗料の中には弾力性が高いものもあります。コンクリートやモルタル、木材などに無機塗料を塗りたい場合は、弾力性の優れたものを選びましょう。

職人の技術と知識が求められる

無機塗料の性能を十分に発揮させるには、一定の厚みで塗装することが重要です。このポイントを守らないと、せっかくの性能が発揮されなくなるおそれがあります。

また、塗料を使う際は、下地や材質の組み合わせも考慮しなければなりません。そのような知識がなければ、施工後すぐに剥がれたり、建物が傷んだりしてしまいます。無機塗料は新しい種類の塗料であり、知識や使用経験のない職人も多いので、後悔のない塗装のためにも技術と知識を兼ね備えた塗装会社に依頼しましょう。

価格が高い

無機塗料は、施工に使われている塗料の中で最も平米単価の高い塗料です。塗装範囲が広い屋根や外壁にすべて無機塗料を使うとなると、トータル価格の費用が跳ね上がってしまいます。ただし、無機塗料は耐久性が高いため、塗り替えの回数を考慮しながら採用するかどうか決めてみるのもひとつの手です。

無機塗料がおすすめのシーン

無機塗料は、以下のようなシーンで使用するのがおすすめです。

  • 建物を長期間所有する場合
  • 塗り替えの手間を省きたい場合
  • メンテナンスが面倒な場合

建物を長期間所有する場合

先述したように、無機塗料の耐用年数は20年以上 とされています。そのため、20年以内に建物を手放す予定の人には価格の高さからおすすめできません。20年程度、あるいはそれ以上建物を所有する場合、検討する価値がある塗料といえます。

塗り替えの手間を省きたい場合

耐用年数が短い塗料の場合、5年や10年ごとに塗り替えをしなければいけません。塗り替えには、塗装会社選び・塗料選びなどさまざまな工程があり、さらに塗装の間は家の周りに足場が組み立てられるため快適に過ごすことが難しいです。しかし、耐用年数が長い無機塗料の場合、このような手間・ストレスを減らすことができます。

メンテナンスが面倒な場合

汚れにくい無機塗料を選ぶと、掃除などの手間が減らせます。特に手入れをしなくてもきれいな見た目を維持できますが、すべての汚れを防げるわけではないため、「定期的なメンテナンスは必要」ということは頭に入れておく必要があります。

無機塗料の代表的な製品比較

ここでは、以下の代表的な無機塗料製品の特長を紹介します。
□パーフェクトセラミックトップG
□アレスシルクウォール
□セラミタイトペイント

パーフェクトセラミックトップG

「パーフェクトセラミックトップG」は、日本ペイントが販売するパーフェクトシリーズの中で上位の耐候性を持つ製品です。ラジカル制御技術にセラミックハイブリッド技術を融合し、高性能を備えています。超低汚染性や防藻・防かび機能はメンテナンス面から見ても嬉しいポイントです。他の製品と比較しても高クオリティなおすすめ製品で、「菊地塗装企画」でも本製品を使用した施工を行っています。

アレスシルクウォール

「アレスシルクウォール」は、関西ペイントが販売する水性一液型無機系塗料です。伸びやすい塗膜により、無機塗料の中では幅広い用途ができる点が特徴です。マイクロパウダー技法を採用しているため、艶消しの落ち着いた印象に仕上がります。

セラミタイトペイント

「セラミタイトペイント」は、エスケー化研が販売する水性つや消し塗料で、耐汚染性に優れています。また、作業性も高く、取り扱いやすい点も特徴です。

まとめ

無機塗料とは、石やレンガ、ガラスなどの無機物が含まれる塗料のことです。耐久性が高いだけでなく、不燃性や防汚性など優れた機能を持っており、採用する方も増えてきています。ただし、ほかの塗料と比べると価格が割高な傾向にあり、さらに職人の高い技術が必要な塗料でもあるので、業者の実績などを確認してから依頼するようにしましょう。

「菊地塗装企画」には、国家資格を持った職人が多数在籍しております。職人直営店として、お客様に寄り添った丁寧な塗装を心がけており、多くの方にご満足いただいております。高品質・低価格の施工を実現させておりますので、施工をご検討中の方はお気軽にご相談ください。