ウレタン塗料は塗装に向いている?主な性質やおすすめのシーンを解説


屋根や外壁など建物の一部を塗装する際、塗料の種類によって向いている場所や相性の良い材質、おすすめのシーンはそれぞれ異なります。特に考えずに選んでしまうと、耐用年数が短くなったり建物にダメージを与えたりする可能性があるため、塗料の性質を把握しておかなければなりません。

今回は、塗料のひとつである「ウレタン塗料」について解説します。ウレタン塗料は塗装に適しているのか、具体的なメリットやシーンなどを見ていきましょう。

ウレタン塗料とは

ウレタン塗料とは、ウレタン系の樹脂を主成分とした塗料のことです 。一昔前は主流の塗料として利用されていましたが、現在はシリコン塗料の方が使われています。 では、具体的な性質・耐用年数・費用を次項で詳しく見ていきましょう。

ウレタン塗料の性質

ウレタン塗料の主な性質は以下の3つです。

  • 弾性がある
  • 密着度が高い
  • 紫外線や汚れに弱い

高い弾性と密着性があるのが特長で、乾燥した後も簡単にはひび割れしません。そのため、木材などの経年変化する材質や、コンクリートやモルタルなどのひび割れしやすい材質にも問題なく使用できます。

ただし、紫外線には弱く、黄色く変色する可能性が高いです。汚れやすいのもデメリットで、数年で塗装膜が汚れて見えることもあります。

ウレタン塗料の耐用年数

ウレタン塗料は、比較的耐久性に弱い塗料です。屋根や外壁に使うと7〜10年 が耐用年数となり、ほかの塗料と比べてそれほど長くありません。そのため、多くの人は10年を目安に塗り直しをしています。

ウレタン塗料の費用

耐久性が低いウレタン塗料は、その分費用は平米単価1,200〜1,500円 と低めに設定されています。一見すると安価なため選びがちですが、長期的に見ればコストパフォーマンスは高くないといえるでしょう。

ウレタン塗料を使用するメリット・デメリット

ウレタン塗料を使用する前には、メリット・デメリット両面を知っておきましょう。ここでは、それぞれの面を詳しく解説します。

メリット

ウレタン塗料のメリットをまとめると以下のとおりです。

□価格が安い
□光沢感のある仕上げにできる
□DIYでも取り扱いやすい
□種類が豊富

ウレタン塗料は他の塗料に比べ、価格が安くDIYでも取り扱いやすい点はメリットです。また、ウレタン材特有の光沢により高級感のある仕上がりになります。さらに、製品の種類が多く、塗布する場所や用途に合わせて様々な選択ができるのもウレタン塗料の特徴です。

デメリット

ウレタン塗料のデメリットには、以下が挙げられます。

□耐久性が低い
□汚れやすい
□黄変しやすい

ウレタン塗料は紫外線や水分に弱く、耐久性が低い点がデメリットです。より耐久性が高いシリコン塗料と比べても価格には大きな差がなく、コストパフォーマンスもそれほど優れているとはいえません。また、紫外線の影響で塗装部分が黄変するケースもあります。

種類が豊富なウレタン塗料

ウレタン塗料の1つの特色に、低価格で数多くの種類がある点が挙げられます。ここでは、ウレタン塗料の種類について解説します。

□水性塗料と油性塗料
□1型液と2型液

水性塗料と油性塗料

1つ目の違いとして、塗料を薄めて使う際の希釈剤が水性か油性か、があります。水性塗料は匂いがすくない点がメリットです。一方、油性塗料は水性塗料に比べ耐久性が高く、艶が落ちにくい特性があります。

1型液と2型液

1型液とは、薄め液やシンナーを合わせて使うタイプの塗料です。2型液は、主材と硬化剤を混ぜ、溶剤で希釈して使うタイプです。2型液のほうが扱いが難しいですが、外壁、金属部材など幅広い用途に使用できます。1型液はより安価ですが、使用予定の箇所に適しているか確認が必要です。

ウレタン塗料のおすすめのシーン

ここまでウレタン塗料について詳しく解説していきましたが、そんなウレタン塗料は以下4つのシーンでおすすめです。

  • 10年以内に建物を手放す場合
  • 塗装の予算を抑えたい場合
  • ベランダや屋上などを塗装する場合
  • 木材や鉄材に使用する場合

10年以内に建物を手放す場合

耐用年数が7~10年のウレタン塗料は、何度も塗り直すとその分値段が上がってしまいます。しかし、10年以内に建物を手放す予定がある場合は塗装が一度で済むため、コストを抑えた塗装が可能です。たとえば、「売却予定の建物の見た目を良くしたい」と考えたとき、単価が安いウレタン塗料がおすすめです。

塗装の予算を抑えたい場合

長期的なコストパフォーマンスは良くありませんが、短期的に見ればウレタン塗料を選ぶことで塗装のコストを安く抑えられます。優れた機能性を持つ塗料は値段も高いので、特にこだわりがなければウレタン塗料を検討してみると良いでしょう。

ベランダや屋上などを塗装する場合

弾性の高いウレタン塗料は、複雑な形状の場所に向いています。さらにウレタンには高い防水機能も備わっているため、複雑な形で雨の影響を受けやすいベランダや屋上におすすめです。ベランダや屋上の防水にはシートが使われることもありますが、ウレタン塗料を防水として使うことで、継ぎ目がなく雨漏りの心配もありません。

木材や鉄材に使用する場合

柔軟性のあるウレタン塗料は幅広い下地に塗装できるため、ほかの塗料では難しい木材や鉄材にも利用できます。耐久性が低いため、外壁や屋根にはおすすめではありませんが、屋根の雨どいや水切り板金といった付帯部分に使うと良いでしょう。

ウレタン塗料はDIYできる?

最近は、DIYで塗装を行う人が増えてくるようになりましたが、塗料によってはおすすめできないものもあります。ウレタン塗料はやわらかく伸びやすいため、比較的DIYしやすい塗料です 。しかし、DIYで塗装をするには、塗料だけでなくローラーやハケなどの塗装アイテム が必要となり、さらに多くの手間がかかります。

またウレタン塗料には、水性・油性・光沢・伸び率などいくつか異なる点があり、種類によって使い方が変わるため塗料選びも難しいです。 そのため、ウレタン塗料の塗装はDIYよりも業者に依頼するのがおすすめです。特 に屋根やベランダといった高所の作業は落下の危険性もあり、安全面を考慮 してもプロの業者へ任せることをおすすめします。

まとめ

一昔前まで主流だったウレタン塗料ですが、耐久性の低さから、現在では屋根や外壁塗装にはあまり使われていません。ただし、長期的に使わない建物やベランダや屋上などピンポイントの塗装には向いています。また、ウレタン塗料はDIYでの施工が可能ですが、膨大な手間と時間がかかる可能性が高いので、不安な方は一度信頼できる塗装会社に相談してみてはいかがでしょうか。

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