外壁や屋根など建物を塗装する際に用いる塗料には、さまざまな種類があるのをご存じでしょうか。塗料によって価格や耐用年数が異なるため、具体的な特徴を押さえたうえで選ぶことが大切です。
今回は、外壁や屋根の塗装に人気の高い「シリコン塗料」について解説します。シリコン塗料は、いくつかある塗料の中でコストパフォーマンスが高い塗料として人気を博しています。そんなシリコン塗料の、価格や耐用年数、メリット・デメリット、ほかの塗料との違いを見ていきましょう。
シリコン塗料の特徴
シリコン塗料とは、シリコンを使った合成樹脂を主成分にした塗料のことです 。シリコン塗料は、耐用年数の割には価格が比較的リーズナブルなため、多くの外壁や屋根に利用されています。では、具体的にどのような特徴があるのか、次項で詳しく解説していきます。
シリコン塗料の価格
シリコン塗料の価格は、平米単価で見ると1,600〜1,800円 が目安です。ただし、多くのメーカーがさまざまな商品を販売しており、断熱や遮熱などの機能性に優れているシリコン塗料の場合はやや価格が上がる傾向にあります。
シリコン塗料の耐用年数
シリコン塗料の耐用年数は、およそ10〜15 年といわれています。一般的に塗り替えの目安とされている10年 よりも長く持つ特徴があるため、価格面や塗り替えの手間を考慮してシリコン塗料を選ぶ人も少なくありません。
シリコン塗料のメリット
シリコン塗料には、主に以下のようなメリットが挙げられます。いずれも魅力的なものなので、塗料選びの参考にしてみてください。
- 耐久性・耐水性が高い
- 汚れ・熱・紫外線に強い
- 商品数が多い
耐久性・耐水性が高い
シリコン塗料のメリットとして、「耐久性の高さ」が挙げられます。塗装膜が硬く剥がれにくいため、雨や雪などの水分を撥水する耐水性も持ち合わせています。さらに湿気を通しやすい性質を持っており、カビの発生を抑えつつ、外壁や屋根の劣化を防げるのも魅力です。
汚れ・熱・紫外線に強い
ほとんどのシリコン塗料にはセラミックが配合されています。これにより、外壁や屋根に光沢感が出るほか、汚れもつきにくくなります。
また、熱や紫外線にも強く、なかには耐熱温度が600度の商品もあるほどです。太陽のダメージを受けやすい屋根や外壁を守り、建物の劣化を防ぐのに効果的といえるでしょう。
商品数が多い
人気の高いシリコン塗料は、商品数が豊富なのも特徴のひとつです。好みのカラーや価格、艶感や機能性など建物にぴったりなものを、多くの選択肢の中から選ぶことができます。遮熱機能や速乾性の高いもの、水性塗料でニオイが少ないものなど、ラインナップはさまざまです。
シリコン塗料のデメリット
人気の高いシリコン塗料ですが、以下のようなデメリットも存在しますので、これらも事前に押さえておきましょう。
- ひび割れしやすい
- 重ね塗りが難しい
- 塗装できる材質が限られる
ひび割れしやすい
まずは、「弾性が低い」というデメリットが挙げられます。弾性が低いと、地震などで外壁や屋根がひび割れした場合、塗装も一緒にダメージを受ける可能性が高いです。特にひび割れしやすいコンクリートやモルタルの素材にシリコン塗料を塗る場合は、弾性の高い弾性塗料の使用がおすすめです。
重ね塗りが難しい
シリコン塗料には、塗料を弾く性質があります。そのため、重ね塗りをしようとしても塗料を弾いてしまい、塗装膜の密着率が高くなりません。塗り直しの際は、密着率を高めるシリコン塗料と相性の良い下地を使うことで、問題なく重ね塗りをすることができます。
塗装できる材質が限られる
硬さのあるシリコン塗料は、塗装できる材質が限られてしまう可能性があります。 しかし、下地などで工夫すれば問題なく塗装できる可能性も高いです。塗料と材質の関係性に詳しい塗装会社に相談し、状況に合ったシリコン塗料を使うことが大切です。
シリコン塗料がおすすめの場合
シリコン塗料のメリット・デメリットをふまえたうえで、施工がおすすめの場合をまとめると以下のとおりです。
□塗料選びにコストパフォーマンスを重視したい
□10年以上住む予定のある住宅
□光沢感のある仕上がりが好み
シリコン塗料は長期居住予定の一般住宅で使用する場合、耐用年数と費用のバランスが良い塗料であるといえます。
一方、大きな住宅やメンテナンスの回数を極力減らしたい場合は、シリコン塗料よりグレードの高いフッ素塗料などがおすすめです。また、シリコン塗料は光沢感のある質感特徴のため、見た目の好みで選びたい人にも向いているといえます。
シリコン塗料製品を選ぶポイント
シリコン塗料を選ぶ際は、シリコン含有量がポイントです。
シリコン含有量が多いほど、性能が高く価格も高価になる傾向があります。一方、シリコンの含有量は製品カタログには記載されていないケースも多く、粗悪品を見分けるのが難しいのも事実です。そのため、良質な塗料選びを手伝ってくれる、信頼できる施工業者を選択することが非常に重要です。
シリコン塗料とほかの塗料の違い
塗料には、シリコン塗料のほかに以下のような種類があるので、これらの特徴もふまえて塗料選びをすると良いでしょう。
- アクリル塗料
- ウレタン塗料
- フッ素塗料
- 無機塗料
アクリル塗料
アクリル塗料は、塗料の中で最も価格が安いものの、耐久性が低く、雨や紫外線などのダメージを受けやすい屋根や外壁には向いていません。建物の塗装に使うなら、アクリル塗料よりもシリコン塗料がおすすめといえます。
ウレタン塗料
シリコン塗料よりも柔軟性があるウレタン塗料ですが、耐久性を見るとシリコン塗料よりは劣ります。ただし、シリコン塗料よりも価格が安いため、10年以内に手放す予定の建物に使うケース も少なくありません。
フッ素塗料
フッ素塗料は、耐用年数が15〜20年とシリコン塗料よりも耐久性が高いのが魅力です。ただし、シリコン塗料よりも価格は高く、住宅よりも塗り直しが大掛かりな高層ビルなどに使われるケースが多いです。
無機塗料
無機塗料 は合成樹脂だけでなく、石やレンガ、ガラスなどの無機物を加えて作られた塗料です。無機物が入っているため紫外線や雨に強く、シリコン塗料よりも耐久性が高い特徴があります。ただし、塗料の中では特に高額の部類に入ります。
まとめ
シリコンを使った合成樹脂を主成分とするシリコン塗料は、耐久性・耐水性・耐候性・耐汚性に優れたコストパフォーマンスの高い塗料です。ただし相性の悪い下地や材質があるため、シリコン塗料を塗装するなら特徴をよく理解した施工業者へ依頼しましょう。
「菊地塗装企画」は、町田エリアを中心に、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県などで施工を行う塗装会社です。どんな些細なことでも国家資格を持ったプロの職人が対応し、お客様のご要望を叶えてまいります。高品質・低価格をモットーに、お客様の大切な住まいを快適なものにできるよう努めてまいりますので、ご用命の際はお気軽にご相談ください。
