遮熱塗料にはどんな効果がある?単価相場や断熱塗料との違いを徹底解説!


外壁や屋根を彩る塗料には、見た目の美しさだけでなく建物の機能性を高めるものもあります。その1つが、遮熱塗料と呼ばれるものです。遮熱塗料を効果的に使うことで、建物の外と中、どちらにもさまざまな効果をもたらします。

今回は、遮熱塗料の特徴や価格相場、断熱塗料との違いやさまざまな効果について解説します。「遮熱塗料を使いたいけど大丈夫かな…?」と疑問を抱いている方は、ぜひ参考にしてください。

遮熱塗料とは

遮熱塗料とは、太陽光の熱を効率よく反射し、熱の発生を抑える効果のある塗料です。太陽の影響を受けやすい屋根や外壁に塗装することで温度の上昇を抑えることができ、屋根に近い二階部分などの室内の温度が高くなるのを防ぎます。

商品によっても異なりますが、最大で屋根表面温度を20度ほど下げる効果もあるといわれています。また屋外だけでなく、室内温度も1〜3度ほど下げることが可能です。そのため、暑い夏場でも快適に暮らすことができます。

遮熱塗料の価格相場

遮熱塗料の費用は、一般的に2,600〜3,500円 といわれています。若干高めですが、遮熱効果のおかげで光熱費を削減できるなど、トータルコストを考えると決して高すぎる塗料ではありません。

遮熱塗料の耐用年数

遮熱塗料の耐用年数は、10〜20年 が目安です。主流の塗料として知られているシリコン塗料の耐用年数は10〜15年 ほどなので、単価が少し高い分、耐用年数もやや長めであるといえます。

断熱塗料との違い

遮熱塗料と似た塗料に、断熱塗料と呼ばれるものがあります。どちらも熱を遮る効果を持つ塗料ですが、特徴や単価、耐用年数は異なります。

遮熱塗料 断熱塗料

  • 特徴 ・熱を反射して発生を妨げる
  • 室内への熱の侵入を防ぐ
  • 熱の伝導を抑える
  • 室内への熱の侵入を防ぐ
  • 室内への冷気の侵入を防ぐ
    耐用年数 10〜20年 12〜20年
    価格相場 (1平米あたり) 2,600〜3,500円 3,500〜4,000円

遮熱塗料は熱の侵入のみ防ぎますが、断熱塗料は冷気の侵入も抑えてくれます。断熱塗料には保温効果もあるため、寒い冬場でも快適な室温をキープしてくれる役割があるのです。ただし、遮熱塗料より価格相場は少々高くなります。

遮熱塗料の5つの効果

ここからは、詳しい遮熱塗料の効果を見ていきましょう。遮熱塗料には、大きく5つの効果があります。

  • 太陽光を反射する
  • 屋根の温度上昇を防ぐ
  • 屋根や外壁の劣化を妨げる
  • 光熱費の削減につながる
  • 塗り直しの回数を減らせる

太陽光を反射する

通常の塗料を屋根や外壁に使用すると、太陽光を吸収してその熱が室内に広がってしまいます。屋根に近い二階部分の室温が上がるのは、太陽光の影響を受けやすいためです。しかし、遮熱塗料には太陽光を反射させる効果があるため、熱をダイレクトに吸収するのを防いでくれます。

屋根の温度上昇を防ぐ

熱が反射されない場合、屋根に熱が溜まりその温度が室内に伝わります。その結果、屋根裏部屋や二階部分の室温が上昇し、夏場はまるでサウナのように感じるほど温度が高くなる可能性も高いです。遮熱塗料を使うと屋根に熱が溜まらず、温度上昇の心配が不要になります。

屋根や外壁の劣化を妨げる

屋根や外壁に熱が溜まり温度が高くなると、劣化が進み耐用年数が短くなる可能性があります。しかし、熱を反射させる遮熱塗料を使うことで温度の上昇が抑えられるため、熱による屋根や外壁のダメージを防ぐことが可能です。

光熱費の削減につながる

室内温度が高いと、自然とエアコンなどの冷房器具を使う頻度が高まります。特に日差しが強い日は、冷房器具を使っても熱が室内に広がり続けるため、必然的に設定温度が下がり使用時間も長くなってしまいます。

しかし、遮熱塗料を使っていると熱が室内に流れにくいため、無駄な冷房器具を使う必要はありません。その結果、光熱費の削減になるうえに、エコにもつながります。

塗り直しの回数を減らせる

遮熱塗料の耐用年数は10〜20年 程度であり、ウレタン塗料のような安価なものに比べて塗り直しの手間や費用が少ないです。そのため、長期的に見るとコストパフォーマンスが高い塗料ともいえます。

遮熱塗料の注意点

さまざまな効果のある遮熱塗料ですが、満足のいく施工とするには注意点を知っておく必要があります。ここからは、遮熱塗料を選ぶ際の3つの注意点について解説していきます。

  • 表面をきれいにしておく必要がある
  • 冬場の保温効果はない
  • 価格が若干高めに設定されている

表面をきれいにしておく必要がある

遮熱塗料の表面が汚れている場合、太陽の光が汚れによって反射されにくくなり、遮熱効果が十分に発揮できません。長期にわたり遮熱効果を得たい場合は、定期的に表面の洗浄を行うことが大切です。

冬場の保温効果はない

熱の侵入を遮る効果のある遮熱塗料ですが、断熱塗料と違い、冷気の侵入を遮ることはできません。そのため、冬場の寒さが気になる方は、遮熱塗料に加えて断熱対策も行う必要があります。断熱材や断熱カーテン、断熱サッシや窓の断熱シートを上手に使い、建物の保温に努めましょう。

価格が若干高めに設定されている

特殊な効果を持つ遮熱塗料は、通常の塗料よりも価格相場が高い傾向があります。塗料の中で最も安価といわれているアクリル塗料の平米単価は900〜1,300円ほどですが、遮熱塗料は2,600〜3,500円 ほどとおよそ3倍近く高くなります。

ただし、耐用年数で比べて見ると、そこまで驚く金額とはいえません。光熱費を下げる効果もあるため、長期的なランニングコストを考えると検討する価値は大いにあるといえます。イニシャルコストとランニングコストを天秤にかけ、じっくり考える必要があります。

屋根に遮熱塗料を施工すると冬は寒くなる?

遮熱塗料には太陽光を反射し夏の室内温度上昇を抑える効果がある一方、冬も太陽光による熱の吸収が少なくなる点は事実です。しかし、遮熱塗装を屋根に施す場合、冬が極端に寒くなるという事実はありません。


その理由は、日射角度が関係しております。夏はほぼ垂直に太陽光が当たるため、屋根への日射が多く、外壁への日射は少なくなります。一方、冬は横方向からの太陽光が多く、外壁や窓からの日射が多くなります。

つまり、冬は外壁や窓から日射が多いので、屋根に遮熱塗料を施工してもあまり関係なく、とても寒くなるということはないといえます。

まとめ

遮熱塗料とは、熱を反射させることで熱が溜まるのを防ぐ効果を持つ塗料のことです。断熱効果と異なり保温効果や冷気を遮る効果はありませんが、夏場は屋根表面温度を最大20度ほど下げる効果があるといわれています。その結果、建物の劣化防止や光熱費削減にも効果的です。

「菊地塗装企画」では、遮熱塗料をはじめ、さまざまな塗料を使い分けながら高品質の施工を行っております。代表を含め、施工経験が豊富なスタッフをそろえており、お客様のご希望やご自宅に合った塗料を用いて作業を進めてまいります。施工に関するご相談も随時受け付けておりますので、ご用命の際はお気軽にご相談ください。