フッ素塗料のメリット・デメリットは?価格や耐用年数を徹底解説!


建物の屋根や外壁に使う塗料にはいくつかの種類があり、見た目の美しさや耐久性の高さ、施工にかかる価格はそれぞれ異なります。塗料は下地や材質との相性も重要なため、住まいや環境に合ったものを選ぶことが大切です。

今回は、塗料のひとつである「フッ素塗料」について解説します。価格や耐用年数、メリットやデメリットを把握し、ほかの塗料と比較検討しながら選んでみてください。

フッ素塗料とは

フッ素塗料とは、フッ素が含まれる合成樹脂を主成分とする塗料のことです。フッ素塗料は、主に以下のような特徴を持っています。

  • 汚れを弾く非粘着性
  • 酸性雨に強い耐薬品性
  • 汚れが滑り落ちやすい低摩擦性
  • 紫外線に強い耐候性

このように高性能な塗料のため、一般家庭だけでなく高層ビルやタワーなどの建物や、重量のある飛行機などにもフッ素塗料が使われています。次項では、フッ素塗料の価格・耐用年数・主なメリットの3点を詳しく解説していきます。

フッ素塗料の価格

フッ素塗料の価格相場は、平米単価で2,500〜2,800円 となっており、ほかの塗料と比べると割高です。屋根や外壁塗装は塗装範囲が大きくなるため、トータルコストの差はさらに大きくなるといえるでしょう。

フッ素塗料の耐用年数

フッ素塗料の耐用年数は、15〜20年 といわれています。価格が高い分、フッ素塗料の耐用年数はほかの塗料よりも長めです。価格は高いですが、塗り替えの頻度が少ないため、長期的な視点で見ればランニングコストを抑えることができます。

フッ素塗料のメリット

高い機能性を持つフッ素塗料には以下のようなメリットがあるので、塗装選びの参考としてお役立てください。

  • 耐久性が高い
  • 親水性がある
  • 光沢が長持ちしやすい

耐候性が高い

耐候性とは、太陽光や温度、湿度や雨などの自然環境に耐えられるかどうかを表す言葉 で、この力に優れているものは「耐候性が高い」「耐候性を持っている」などと表現されます。屋根や外壁に使う塗料は外の環境のダメージをダイレクトに受けるため、耐候性が高いものが求められます。

フッ素塗料は炭素とフッ素の結合が強固なため、たとえ強力な紫外線を受けても簡単に成分が破壊されることはありません。塗料の中には紫外線を受けると変色するものもありますが、フッ素塗料はそのような心配は不要です。さらに密着率が高いため、雨が塗装面から染み込むのも防いでくれます。

親水性がある

親水性とは、水への親和性が高い性質のことです。水に溶けたりすぐに混ざったりするなど、表面の状態がすぐに濡れる状態のことを指します。

塗料に親水性があると、雨と一緒に汚れが落ちていきます。 屋根や外壁は砂やホコリ、排気ガスなどさまざまな要因で汚れる可能性が高いです。しかし親水性があることで汚れが付着しにくく、少ないメンテナンスできれいな見た目がキープできます。

光沢が長持ちしやすい

フッ素塗料は、光沢があるのが特徴の塗料です。ほかにも光沢感がある塗料は多くありますが、どれもフッ素塗料ほど長持ちしません。

たとえば比較的ポピュラーなシリコン塗料の場合、光沢は8〜10年で、約20%減少するといわれています。しかしフッ素塗料の場合、20年経っても光沢が約10%しか減少せず、長期間ツヤのある表面を維持できるのです。

フッ素塗料のデメリット

高性能のフッ素塗料ですが、以下のようなデメリットも持ち合わせています。

  • 価格が割高である
  • 再塗装が難しい
  • 弾力性が弱い

価格が割高である

フッ素塗料のネックポイントは価格面にあるとされています。安価な塗料と比べると3倍ほど値段が高くなることもあり、簡単に決断できるものではありません。しかし耐用年数が長いため、長いスパンで考えるとコストパフォーマンスが優れた塗料だともいえます。

再塗装が難しい

フッ素塗料は硬さを持つ塗料のため、柔軟性が弱く塗り直しに向いていません。親水性の高さも、塗り替えの密着率を低下させるおそれがあります。 塗り替える場合は特別な下塗りが必要なこともあり、さらに出費が増えてしまいます。

弾力性が弱い

塗料に弾力性があれば、屋根や外壁が何らかの理由でひび割れたとしても、それに合わせて伸びることが可能です。しかし、弾力性が弱いとそれが難しく、ひび割れに合わせて塗装膜にもダメージを受けてしまいます。フッ素塗料は弾力性が弱いため、モルタルやコンクリートなどの割れやすい素材に使うとトラブルの可能性が高くなります。

フッ素塗料の製品比較

フッ素塗料には各メーカーの様々な製品があります。ここでは、代表的な以下の3つの製品を紹介します。

□ファイン4Fセラミック
□クリーンマイルドフッ素
□セラMフッ素

ファイン4Fセラミック

「ファイン4Fセラミック」は、日本ペイントが販売する弱溶剤系2液フッ素塗料です。日光に強く、超低汚染性を備えているため、年数が経っても美しい見た目を維持できる点がメリットです。また、非粘着性、低摩擦性によりホコリや排気ガスの汚れをはじく効果もあります。フッ素塗料の中でもトップクラスの品質を誇り、スタンダードな製品で、当社でも当製品を使用しています。

クリーンマイルドフッ素

「クールマイルドフッ素」は、エスケー化研が販売する弱溶剤系2液フッ素塗料です。高い耐久性、低汚染性や防カビ性・防藻性を備えています。塗装可能な素材が多く、用途が広い点も特徴です。

セラMフッ素

「セラMフッ素」は、関西ペイントが販売するセラMシリーズのフッ素グレード製品です。耐久性、耐候性、耐汚染性の性能のほか、内部塗装にも適応性がある点が特徴です。

フッ素塗料とほかの塗料の違い

塗料には、フッ素塗料のほかに主に4つの種類があるので、それぞれの特徴やフッ素塗料との違いも押さえておきましょう。

  • アクリル塗料
  • ウレタン塗料
  • シリコン塗料
  • 無機塗料

アクリル塗料

アクリル塗料は、現在使われている塗料の中で最も価格が安い塗料です。しかし耐用年数は短く、フッ素塗料の約1/5 の長さしか持ちません。さらに耐久性も弱いため、屋根や外壁などの塗装には向いていない塗料だといえます。

ウレタン塗料

ウレタン塗料はアクリル塗料の次に価格の安い塗料で、耐用年数は7〜10年 ほどとフッ素塗料の半分ほどの長さです。フッ素塗料とは違い弾力性に優れているため、モルタルやコンクリート、木材などの使用におすすめです。

シリコン塗料

価格と耐用年数のバランスが優れており、人気の高い種類の塗料です。価格はフッ素塗料よりも安いですが、耐用年数はフッ素塗料よりも劣ります。需要が高くさまざまなメーカーが複数の商品を出しており、商品によって特徴は大きく異なります。

無機塗料

ほかの塗料と違い、合成樹脂に無機物が配合された塗料です。無機物の特徴と同じく耐候性に優れており、なかには20年以上持つ商品もあります。ただし、塗料の中では高額の部類に入るので、予算について考えてから使用することになるでしょう。

まとめ

フッ素が配合されたフッ素塗料は耐候性に優れており、耐用年数15〜20年と比較的長持ちする塗料です。価格は割高ですが、汚れにくい効果や光沢が持続する特徴もあります。せっかくの高品質のフッ素塗料を選ぶなら、塗装はプロの職人に任せてみてはいかがでしょうか。

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