屋根塗装はDIYでもできる?メリット・デメリットと屋根の種類別ポイントを解説

屋根塗装

 

自宅の屋根を見て、「屋根塗装をDIYでやってみよう」と考える方も多いのではないでしょうか。屋根塗装は高所作業で危険を伴うため、実際にできるかどうか慎重に検討する必要があります。今回は、屋根塗装をDIYするメリット・デメリットや、屋根の種類別の注意ポイントについて解説していきますので、施工を検討中の方はぜひ参考にしてください。

屋根塗装をDIYするメリット

屋根の高さや形、劣化状況などにもよりますが、屋根塗装をDIYすることは可能です。DIYには以下のようなメリットがあります。

 

  •  費用を節約できる
  •  好きなスケジュールで施工できる
  •  自在な施工ができる

 

費用を節約できる

業者に塗装を依頼する場合は、材料費のほかに人件費がかかります。DIYは自分で作業するので、人件費の必要がなく費用が節約できる点はメリットです。うまく塗装ができれば、業者に依頼するよりも大幅なコストダウンが可能でしょう。

好きなスケジュールで施工できる

業者に依頼する場合、依頼したい日時に予約が入っていれば待たなければなりません。その点、DIYなら自分の好きなタイミングで施工を始められます。

自在な施工ができる

業者に依頼する場合、施工の内容を説明して施工してもらうため、うまく伝わらないと自分がイメージするデザインにならないおそれがあります。一方で、DIYなら好きな塗料を使い自由に模様を作ることができます。自分で手間をかけて行った施工は、業者に依頼した場合より愛着を感じやすいでしょう。

屋根塗装をDIYするデメリット

屋根塗装のDIYには魅力的なメリットがある一方、デメリットがあるのも事実です。以下のデメリットを踏まえ、業者に依頼した方が良いかどうか検討してみてください。

 

  •  作業に時間がかかる
  •  事故のリスクがある
  •  近隣トラブルが起きやすい
  •  施工クオリティーが低くなりやすい

 

作業に時間がかかる

業者に依頼する場合、施工は効率良く進んでいきます。一方で、DIYは素人が行うため、慣れていないと作業がなかなか進みません。業者に依頼すれば数週間で完了する作業が、DIYだと数ヶ月かかる場合もあるでしょう。

事故のリスクがある

一般的な2階建て住宅は、地面から屋根までの高さは7~9mほどになります。また、屋根には滑りやすい箇所や凸凹の箇所もあり、移動だけでも一苦労です。

屋根はプロであっても転落事故が起こるほど、作業の難易度が高い場所です。安全に登るための足場を組むのにも知識や技術が必要となるため、素人にとっては大きなネックとなるでしょう。

近隣トラブルが起きやすい

塗装工事の際には、塗料のニオイや飛散、足場の組立による騒音などで近隣トラブルが起こりやすいものです。業者には手早く作業を済ませるノウハウがありますが、DIYでは苦労してしまうかもしれません。

施工クオリティーが低くなりやすい

塗装を長持ちさせるためには、塗料に対する正しい知識が必要です。また、トラブルにならないよう、適切な扱い方も把握しておかなければなりません。特に以下3つの要素は重要なので、事前に押さえておくようにしてください。

 

  •  正しい塗料の選択
  •  適切な下地処理
  •  塗料の均一な撹拌

 

プロのアドバイスなしに作業を行うと施工のクオリティーが低くなり、早期に剥がれが生じる可能性があります。塗り直しが必要になると、業者に依頼するよりも余計に費用がかかってしまうかもしれません。自分の知識と実力を検討したうえで、DIYにチャレンジするかどうか決めるのがベストです。

屋根塗装DIYの安全確保に必要な道具

屋根塗装をDIYすると決めたら、まずは道具をそろえなければいけません。屋根塗装で特に重要なのは、安全を確保するための道具なので、まずは以下のものがそろっているかどうかチェックしましょう。

 

  •  作業用足場
  •  安全帯
  •  安全靴
  •  ヘルメット

 

屋根に上る際にはしごを使う人もいますが、安全面を考えるなら足場を組むのがおすすめです。しかし、足場を素人が組むのは難しいので、足場だけは業者に依頼することになるでしょう。また、安全帯には固定する位置が異なるタイプもあり、あらかじめ使い方を学んでおく必要があります。

屋根塗装をDIYする際に必要な道具

屋根の塗装作業に必要となる道具の例は、一般的に以下のようになります。

 

  •  高圧洗浄機
  •  ヘラ
  •  やすり
  •  ナイロンたわし
  •  ディスクサンダー
  •  養生材
  •  刷毛
  •  ローラー
  •  塗料
  •  コーキング材
  •  タスペーサー

 

洗浄とケレン作業は、手作業か機械を使うかによって効率性はもちろん、費用面も変わります。ケレン作業とは、サビや木部のささくれなどを除去し表面を滑らかにする作業で、きれいな仕上がりには欠かせません。また、ひび割れや穴を補修するコーキング材や、屋根材と屋根材が塗膜でくっつくのをふせぐためのタスペーサーも重要な道具です。

屋根塗装をDIYで行う際の手順

道具がそろったら、実際の作業に入ります。屋根塗装をDIYする場合、一般的に以下のような流れで進みます。

 

  •  足場と養生の設置
  •  洗浄
  •  下地処理・修繕
  •  下塗り
  •  上塗り

 

足場と養生の設置

まず、屋根に登るための足場を設置します。屋根塗装の場合は、足場にメッシュシートをかけ、塗料の飛び散りを防止するのが一般的です。また、窓や室外機、車など塗料がかかると困るものも養生材で保護しなければなりません。

洗浄

屋根に乗っている大きなゴミは、ほうきやトングで取り除きます。表面の汚れやコケなどは、高圧洗浄機を使って一気に洗い流すと良いでしょう。ただし、水分が残っていると塗料が十分に密着しないため、洗浄後は乾燥のため少なくとも1日以上時間を空ける必要があります。

下地処理・修繕

下地処理・修繕は、塗料をしっかりと密着させるために屋根表面の状態を整える作業で、具体的には以下の3つを行うことになります。

 

  •  サビやささくれ、古い塗膜などを除去する
  •  ヒビや穴をコーキング材で補修する
  •  欠損が大きい部分は屋根材の差し替えを行う

 

下地処理と修繕は、塗装の成功を決める重要な要素です。もしDIYでは修繕不可能な傷や欠損を見つけた場合は、無理せず業者へ依頼することをおすすめします。

下塗り

屋根が金属の場合は、錆止めを塗ります。もし金属以外の材質の場合、上塗りの塗料を密着させるための下塗り材を塗ります。下塗りは、上塗りする塗料の性能を最大限に発揮するために欠かせない作業なので、メーカー推奨の施工方法や乾燥時間を守って塗りましょう。

上塗り

スレート屋根の場合は、上塗りを始める前にタスペーサーを差し込みます。屋根材同士が塗膜によりくっつかないよう、隙間を作る工程が終わった後に仕上げ用の塗料を塗っていきます。

また施工のコツとして、細かい部分は刷毛、広い部分はローラーを使い、ムラがないよう全体を塗り上げていくと良いでしょう。なお、上塗りは2回以上重ね塗りするのが一般的です。

屋根の種類別で見る塗装のポイント

塗装の際に注意するポイントは、屋根の種類によってそれぞれ変わります。最後に大事なポイントを屋根別に紹介していきますので、自宅の屋根をイメージしながらチェックしてみてください。

 

  •  スレート屋根
  •  モニエル瓦
  •  トタン屋根
  •  ガルバリウム鋼板

 

スレート屋根

まずは、スレート屋根のポイントを見ていきましょう。

 

  •  棟板金の塗装が必要
  •  塗装非推奨の屋根もある
  •  下塗り材を吸っていないか見極めが大切

 

スレート屋根の場合は、頭頂部にある棟板金と呼ばれる金属部分の塗装を忘れないようにしましょう。また、スレート屋根の製品の中には、経年劣化により屋根材自体が剥がれるため塗装を推奨していないものもあります。このタイプのものは、塗装ではなくカバー工法で施工する、または葺き替えが必要になります。

また、屋根の傷みが激しいと下塗り材を吸ってしまい、膜ができず繰り返し下塗りをしなければならないので、見極めが難しい場合は施工のプロに相談しましょう。

モニエル瓦

モニエル瓦は、表面を覆う「スラリー層」と呼ばれる層があります。この層を除去しないと、塗料がしっかりと密着せず、数年で剥がれ落ちることも珍しくありません。モニエル瓦とスラリー層のないセメント瓦を見分けるのは難易度が高いため、業者によるチェックが必要になるかもしれません。

トタン屋根

トタンは金属でできているため、サビ対策が重要です。ケレン作業のときにサビを十分に落とし、下塗り材には錆止めの性能があるものを選びましょう。対策をしっかり行えば、ある程度経年によるサビの発生を遅らせることができます。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は、亜鉛・アルミ・シリコンの合金の金属素材でできており、表面が滑らかなのが特徴です。そのため、塗料が定着しにくく塗装が難しいといわれています。塗料を密着させやすくする専用の下塗り材もありますが、DIYだと失敗の可能性が高いので、施工前に確認しておく必要があるでしょう。

足場は業者に依頼するのが無難

本記事の中盤部分でも軽く触れましたが、屋根の塗装はたとえDIYでも足場だけは業者に依頼するのが賢明です。はしごで屋根の上に登る方法もありますが、作業中の転落のリスクを減らすためには足場の設置がベストです。

また、足場の高さが5ⅿを超えると、足場の組立には「足場の組み立て等作業主任者」という資格が必要になります。素人が足場を組むと、作業中の倒壊や転落の危険もあるためプロに任せた方が安心です。

屋根塗装DIYをするなら安全第一で!困ったときは業者へ依頼しよう

屋根塗装のDIYは可能ですが、屋根に登って作業するため、何よりも安全を第一に考えて作業しましょう。安全な作業のためには、足場だけは業者に依頼するのがおすすめです。また、屋根の状態によっては塗装が難しい、または不可能な場合もあるので、見極めが難しい場合は業者に相談してみてください。

「菊地塗装企画」は職人直営店のため、高品質で安価な施工が可能です。屋根にはさまざまな種類があり、耐用年数が長いものも多くあります。屋根は点検するのが困難な場合が多く、劣化に気づかない方も多いので、一度も確認をしたことがない方や、屋根を見に行くのが難しい方はぜひ弊社にお任せください。