トタンの屋根塗装はいつ頃やるべき?塗装の時期と塗料の種類について詳しく解説

トタン屋根

 

トタン屋根はサビやすい特性があるため、劣化状況の把握は欠かせません。サビが内部まで進行し、屋根自体を張り替えなければいけなくなる前に、定期的な塗装メンテナンスを行いましょう。今回は、トタンの屋根塗装の適切な時期と塗装のポイント、具体的な塗料の選び方について解説していきますので、気になる方はぜひ参考にしてください。

トタン屋根の特徴

トタン屋根とは、薄い鋼板に亜鉛でメッキを施した素材を使った屋根です。トタンの強度を確保するために、波板加工を施すのが一般的です。

また、トタン屋根は薄くて軽く施工しやすい一方、表面に傷ができるとサビが発生しやすいという特徴を持っています。トタンは薄く、一度サビが発生すると広がりやすいため、早めにメンテナンスを行うことが大切です。

トタン屋根の塗装時期を見極める方法

トタン屋根は、いったいどのくらいの間隔で塗装したら良いのでしょうか?ここからは、適切な時期を見極める際に必要な知識について見ていきましょう。

 

  •  一般的な周期
  •  劣化状況

 

一般的な周期

トタン自体の耐用年数は30〜60年程度ですが、トタンはサビやすいため定期的な表面の塗装メンテナンスが必要となります。塗装の目安は、おおよそ7〜10年に一度程度です。また、塗装に使用する塗料によっても塗装の耐用年数が異なりますので、以下の表で確認しておきましょう。

 

合成樹脂調合ペイント

2~3年

アクリル塗料

4〜6年

ウレタン塗料

8〜10年

シリコン塗料

7〜15年

ラジカル塗料

8〜16年

 

 

劣化状況

トタンの劣化状況によって施工するかどうか決めるのもおすすめです。もし一般的な周期よりも早い時期でも、劣化の兆候が見られたらメンテナンスを検討した方が良いでしょう。一般的な劣化のサインは主に以下の5つです。

 

  •  色あせ
  •  チョーキング
  •  塗膜の剥がれや膨れ
  •  ひび割れ
  •  サビ

 

屋根の塗装は、紫外線によって劣化し次第に色あせてきます。また、劣化により表面に白い粉が現れるチョーキングも起こります。この段階ではまだ緊急性は高くありませんが、放置していると劣化が進むため注意が必要です。

さらに劣化が進み、塗膜の剥がれや膨れ、ひび割れなどが生じた場合、塗膜の保護機能は大きく失われていると判断できます。塗膜が剥がれた部分はサビやすく、進行すると穴が開いてしまうこともあるため早めに対処しましょう。

トタン屋根の塗装はケレン作業が重要

トタン屋根の塗装の大きなポイントは「ケレン作業」です。ケレン作業とは、屋根のサビや旧塗膜をそぎ落とす下地処理のことです。

屋根の表面にサビや汚れが残っていると、その上から塗装しても塗料が密着しません。結果として、塗装がきれいに仕上がらないほか、すぐに塗膜が剥がれてしまう可能性も高いです。塗装の耐久性は、ケレン作業の丁寧さで決まるといっても過言ではないでしょう。

トタン屋根の塗装はDIYできる?

トタン屋根の塗装をDIYで行う方も多いですが、DIYにはいくつかデメリットがあります。業者に依頼するかDIYをするかで迷ったら、以下のポイントを考えてみてください。

 

  •  仕上がり
  •  安全面

 

仕上がり

先述したとおり、トタン屋根の塗装で重要なのはケレン作業です。屋根全体を塗装する場合、ブラシやサンドペーパーを使ったケレン作業は膨大なものとなります。また、サビが十分に落とせているか、ほかの補修が必要でないかを見極めるのが、素人では難しい場合もあるでしょう。

さらに、きれいに仕上げるためには適切な下地塗料や上塗り塗料を選び、十分に性能を発揮させられるよう正しい方法で塗装する必要があります。施工が不十分だと、見た目が悪いだけでなく早期に剥がれなどが生じ、結果的にメンテナンスの時期を早めることになりかねません。この場合、逆にコストが増える可能性があります。

塗装の知識や経験が十分でない場合、業者にかかる費用を確認したうえでDIYにするかどうか決めた方が良いでしょう。

安全面

DIYをする際、特に気をつけたいのが安全面です。屋根での作業は落下事故の危険がつきもので、万が一落下してしまうと、骨折などの大事故になりかねません。また、屋根に登るための足場を組むだけでも一定の知識や技術が必要になり、素人が組むと倒壊などのリスクが高まります。

もし足場を組む場合、近隣住民への配慮が必要です。効率良く作業が行えないと、足場を作るときに生じる騒音でクレームが発生したり、「崩れてこないか?」などと近隣の方に不安を与えたりする原因にもなります。安全面に不安を持つ場合は、無理をせず施工のプロに任せる方が賢明といえるでしょう。

トタン屋根に使う塗料の種類

トタン屋根に使う塗料によって費用や性能が異なるため、塗料選びも大切です。ここからは、トタン屋根に使われる主な塗料を紹介していきますので、どれが自分に合うのか検討しながらチェックしてみてください。

 

  •  合成樹脂調合ペイント
  •  アクリル塗料
  •  ウレタン樹脂塗料
  •  アクリルシリコン樹脂塗料
  •  フッ素塗料
  •  ラジカル塗料

 

合成樹脂調合ペイント

合成樹脂調合ペイントは、DIYで使用されることが多い塗料で、近所のホームセンターなどで販売されています。ニスのような樹脂に着色顔料を混ぜ合わせて作られた塗料で、艶有り、艶消しの調整も可能です。乾燥時間が早く、また平滑に仕上げやすいため、施工がしやすい点はメリットです。

一方で、耐用性は低く約2〜3年で塗替えが必要となります。ただし比較的低コストで施工できるため、予算に関する不安はほとんどないといえるでしょう。

アクリル塗料

アクリル塗料は、アクリル樹脂を主成分とした塗料です。耐久性は比較的低く、ひび割れしやすいのが特徴です。以前は価格が安いため、屋根塗装にもよく使われていましたが、近年ではあまり使用されなくなってきています。

アクリル塗料は透湿性が高く、軒天井などの付帯部分に使用されることがあります。また鮮やかな色を出すために、目立たせたい部分に使用するケースも少なくありません。

ウレタン樹脂塗料

ウレタン塗料は、ウレタン系の樹脂を主成分とした塗料です。樹脂がやわらかいため密着性があり、伸びが良いのが特性です。密着性が高いため、ひび割れが起きている箇所もカバーし浸水を防げる点はメリットでしょう。

一方で、防汚性が低いのがデメリットです。また、汚れやすく紫外線に弱い特性があり、見た目の劣化が早いのも注意しなければなりません。

アクリルシリコン樹脂塗料

アクリルシリコン樹脂塗料は、アクリル塗料とシリコン樹脂塗料の良いところを併せ持つ塗料です。アクリルシリコン樹脂塗料の価格は、アクリル樹脂の約1.5倍、ウレタン樹脂の約1.2倍とされています。それらの塗料に比べ、耐用年数が長いことを考えるとそれほど高価格ではないといえるでしょう。

また、アクリルシリコン樹脂塗料は防汚効果が高く変色しにくいです。そのため美しい外観も長くキープでき、現在屋根塗装のシェアの大半を占めています。

フッ素塗料

フッ素塗料とは、蛍石などから採れるフッ素樹脂を使用した塗料です。ウレタン樹脂やシリコン樹脂よりも紫外線に強く、耐久性が高い点がメリットです。

フッ素塗料は価格が高く、以前は頻繁に塗替えができない商業用施設や公共施設などに使用されていました。しかし、現在では技術開発が進み、個人宅用のリーズナブルな製品も販売されています。ただし、業者によっては取り扱っていないところもあるので、事前の確認が必要です。

ラジカル塗料

ラジカル塗料は、「高耐候酸化チタン」と「光安定剤」の2つの成分が配合されており、塗膜の劣化を抑える性能が高い塗料といわれています。チョーキングが起こりにくく、防汚性・防カビ性に優れている点はメリットです。

ラジカル塗料は2012年に販売を開始した新しい塗料のため、現時点では使われている事例が少ないです。このような背景があることから、まだ扱っていない業者も多くあります。また、ラジカル塗料に含まれる高耐候酸化チタンは白い顔料のため、濃い色が選べない可能性がある点もデメリットになるかもしれません。

劣化が進み塗装できないケース

屋根の劣化が進んでいると塗装でのメンテナンスができず、ほかの方法での修繕が必要になります。塗装は屋根の表面上のコーティングですが、屋根そのものに傷がある場合は張替えが必要になることが多いです。穴の開いている箇所があったり、雨漏りが発生したりしていると張替えが必要で、主に「葺き替え」と「カバー工法」の2つから選ぶことになります。

「葺き替え」は、すでにある屋根材をすべて剥がし、新しい屋根材に張り替える工法です。また「カバー工法」は、屋根材の上から新しい屋根材を重ね張りする工法で、古い屋根材の撤去費がかからないため葺き替えより費用が抑えられます。張替えの機会には、トタンと同じ金属系屋根材で、より耐久性と防食性が高いガルバリウム鋼板に変えると良いかもしれません。

トタン屋根の塗装のポイントはケレン作業!技術のたしかな業者に依頼しよう

トタン屋根の塗替え時期の目安は、おおよそ7〜10年程度です。しかし、塗膜の剥がれやチョーキングなどの劣化が見られたら、早めにメンテナンスすることをおすすめします。トタンはサビやすい性質があり、塗膜の劣化を放っておくとサビがすぐに広がりますが、劣化が進む前に塗装メンテナンスをすれば、費用の節約につながります。

「菊地塗装企画」は、地域でも評判の職人直営店です。代表自身も塗装職人、スタッフも全員職人で、低価格・高品質で納得のアフターサポートを提供しております。屋根は高所のため、点検するのは困難な場合が多く、劣化に気づかない方も多くいらっしゃるので、屋根の修理をご検討中ならぜひ一度ご連絡ください。