「外壁塗装の費用を抑えるために、DIYに挑戦してみよう」と考える方も多いのではないでしょうか?外壁塗装は、手順に従って丁寧に行えばDIYも可能です。しかし、塗装は住宅を守る重要な作業でもあるため、慎重に考える必要があります。
今回は、外壁塗装をDIYする場合の手順と注意ポイントについて解説しますので、興味をお持ちの方はぜひ参考にしてください。
外壁塗装DIYの手順
まずは、外壁塗装をDIYする場合の手順を紹介します。主に以下のような流れで進んでいくので、施工の前に全体像を把握しておきましょう。
- 足場の設置
- 外壁の洗浄
- 外壁の下地処理
- 養生
- 下塗り
- 上塗り
- 養生と足場の解体
足場の設置
外壁塗装は高い位置での作業が必要になるため、まずは足場の設置から始めましょう。簡易的な足場として、梯子2つに板をわたして作る方法があります。また、本格的な足場はホームセンターで単管パイプを購入して作れます。
しかし、足場の設計には知識や技術が必要です。足場がしっかりしていないと塗装作業全体において事故のリスクが高まります。安全な作業を行うために、足場の設置だけ業者に依頼する方も珍しくありません。
外壁の洗浄
きれいな仕上がりのためには、洗浄は欠かせません。外壁には、ホコリ・カビ・コケなどの汚れがこびりついているため、ブラシなどの清掃道具を使い洗い落とす必要があります。手作業で洗浄するほか、高圧洗浄機があると便利です。
また、水を使って洗浄した後は、必ず1日以上乾燥の時間を取りましょう。洗浄や乾燥が中途半端な場合、塗装の持ちが悪くなるため丁寧な作業が大切です。
外壁の下地処理
下地処理は、外壁塗装の作業の中で特に重要な工程です。下地処理とは、主に以下の作業を意味します。
- クラック補修(ひび割れ)
- コーキング補修(目地)
- ケレン作業(目粗し、サビ取り)
外壁のひび割れや隙間を放置していると、そこから雨や湿気が入り込み家を浸食します。また、鉄部分は経年劣化するため、塗装がしっかり密着するようサビ取りの作業が必要となります。さらに、外壁の状態によっては下地処理に専門的な技術が必要となる場合もあるでしょう。
下地処理は、塗装の仕上がりや家の耐久性を決める重要な要素となるため、難しい場合は無理をせず業者に依頼しましょう。
養生
養生とは、塗料がつかないよう周りを保護する作業で、主にシートや養生用テープを使用します。窓や床などの広い面積の部分だけでなく、インターホンや雨どいなどの細かな部分も忘れず養生をすると、塗料の飛沫を防げるためよりきれいな仕上がりになります。養生を怠らずにしっかり行っておくとスムーズに塗装でき、効率良く作業を進められるでしょう。
下塗り
下準備を終えたら、いよいよ塗装作業に入ります。下塗りは、上塗り塗料を密着させるために行う作業のことで、広い部分はローラーを使い、細かい部分は刷毛を使って塗り残しがないようしっかり塗装します。下塗りが完了したら、乾燥のために1日以上時間を置かなければなりません。
上塗り
上塗りは、同じ塗料を使い2回ほど行うのが一般的です。重ね塗りすることで耐久性が高まるほか、塗り残しの防止にもつながります。手塗りの作業もできますが、スプレーガンなどを使うとより効率的です。
養生と足場の解体
上塗りが完全に乾いたら、養生を剥がします。養生を剥がす際は、乾いた塗料が散らばりやすいため丁寧に行いましょう。
そして、最後に足場の解体も行います。設置と同様、解体の際も事故リスクが高いため、慎重な作業が必要です。足場の設置を業者に依頼した場合は、解体時にも依頼が必要でしょう。
外壁塗装DIYに必要な道具
外壁塗装のDIYは、まず道具を買いそろえる必要があります。ここからは、事前に用意すると良い道具を紹介していきます。
- 刷毛
- ローラー
- スプレーガン
- 下塗り用塗料
- 上塗り用塗料
- その他
刷毛
刷毛は、塗装の基本的な道具です。柄が真っすぐになっている平刷毛や、柄が途中で折れ曲がった筋交い刷毛などの種類があり、広い面と細かい部分を塗り分けるための種類を準備するのがベターです。また、塗料によって使い分けるための本数も必要になります。
ローラー
ローラーを使うと、広い面を効率良く塗り進められます。主なローラーの種類は以下の5つです。
- ウールローラー(長毛、短毛)
- マスチックローラー(荒目、細目)
- スポンジローラー
- パターン用ローラー
- 特殊形状ローラー
ローラーの長毛・短毛、荒目・細目などは、壁面の粗さや仕上がりの模様によって使い分けます。うまく使い分けることで、さざなみ型模様やゆず肌模様、凹凸などの異なる模様に仕上げられます。
スプレーガン
スプレーガンがあると、作業はさらに効率的になります。たとえば、エアスプレーは空気を圧縮して塗料を噴出させるタイプのスプレーガンで、ほかにも塗料そのものを圧縮して噴出するスプレーガンもあります。それぞれ一度に噴出する塗料の量や飛び散りの量が異なるため、使いやすいものを選びましょう。
下塗り用塗料
外壁用の塗料は、下塗り用と上塗り用の2種類を準備する必要があります。下塗り用塗料は、主に以下3つの種類があります。
- 水性シーラー
- 油性シーラー
- フィラー
シーラーは、塗料の密着性を強くし、塗料の吸収を防ぐための塗料です。主に、ヒビのないところに適している水性シーラーと、劣化している場所でも吸収されにくい油性シーラーの2種類があります。また、フィラーは凸凹傷がある外壁の表面を平らにするために使う塗料で、下地用の塗料は外壁の状態に応じて選ぶのが基本です。
上塗り用塗料
近所のホームセンターなどで市販されている上塗り用塗料には、主に以下のような種類があります。
- アクリル
- ウレタン
- シリコン
- フッ素
塗料により、価格帯や耐久年数がそれぞれ異なります。またDIYの場合、素人には扱いにくい塗料もあるため、塗りやすさ・塗りにくさで選ぶ必要もあるでしょう。
その他
塗装作業のほかにも、洗浄や養生などの工程で必要となる道具があります。以下のリストでは、上記で紹介した道具以外にあると良いものを紹介していますので、必要に応じて用意しておくと良いでしょう。
- 高圧洗浄機
- ブラシ
- バケツ
- 中性洗剤
- 養生用シート
- 養生用テープ
- サンドペーパー
- コーキング材
- 梯子
外装塗装DIYを成功させるための注意点
外装塗装のDIYを成功させるためには、以下の4つの点に注意しましょう。
- 洗浄・養生をしっかりする
- 乾燥時間を守る
- まとまった作業時間を確保する
- 高所作業は安全第一で行う
洗浄・養生をしっかりする
外壁の洗浄は塗装の仕上がりに影響を与えます。コケやカビ、キズやサビなどの上から塗装すると、塗料本来の耐久性が発揮できないため注意が必要です。また、周囲を汚してしまうと景観が悪くなるため、養生も欠かさず行いましょう。
乾燥時間を守る
洗浄・下塗り・上塗りなどの工程において、しっかりと乾燥時間を取る必要があります。洗浄後は、外壁に水分が残らなくなるまで待ちます。また、塗料の乾燥時間はメーカー規定の時間をしっかり守りましょう。
まとまった作業時間を確保する
上記の乾燥時間も含め、外壁塗装には一定の作業時間が求められます。汚れがつかないよう、下塗りと上塗りは日数を空けずに行う必要があるほか、作業中に雨が降ってしまった場合、予定をずらさなければなりません。そのため、普段仕事をしている方がDIYをする場合は、連休を利用するなどまとまった時間が確保できるときに行うのがおすすめです。
高所作業は安全第一で行う
外壁塗装には高所での作業も含まれます。素人がDIYで作業をする場合、事故のリスクも高まるため、安全を第一に考えることは必須です。2階以上の箇所など塗装が難しい場合、無理をせず業者への依頼も検討しましょう。
外壁塗装をDIYするメリット
外壁塗装のDIYには、一般的に以下のようなメリットがあります。
- 費用が抑えられる
- 業者選びの際に悩まなくて良い
- 自宅への愛着が深まる
- DIYの趣味を兼ねられる
外壁塗装をDIYすると、人件費がかからないため費用が抑えられる場合があります。また、質の悪い業者にあたってしまうリスクも避けられます。さらにDIYを趣味としている場合、自分の手で塗装することで、自宅に対する愛着がより深まるでしょう。
DIYのデメリット
DIYは楽しいものですが、デメリットがあるのも事実です。外壁塗装をDIYする場合、以下の3つの点がデメリットになるでしょう。
- 下地処理ができないケースもある
- 塗装仕上がりの失敗
- 作業の安全面
下地処理ができないケースもある
外壁塗装の工程の中で、特に重要なのが下地処理です。外壁の状態が良い場合、DIYでも問題はありませんが、ひび割れなどの程度がひどいと修繕できない場合もあります。ひび割れや隙間をそのままにしておくと、住宅そのものに害が及ぶのでなるべく早めに業者に依頼しましょう。
塗装仕上がりの失敗
塗装には技術が求められます。塗装に失敗すると以下のような状態になり、仕上がりの見た目が悪くなる場合があります。
- 見る角度により光沢に差ができる
- 塗膜が白濁する
- 塗膜に剥離箇所が生じる
- 塗膜に水膨れができる
DIYの材料費だけを考えると経済的ですが、もし仕上がりが悪くやり直す場合、かえって高くついてしまう点はデメリットです。
作業の安全面
何よりも重視したいのは、作業の安全面です。特に、高所での作業は素人には危険が多いです。また、忙しい日常の中から作業時間を捻出している場合、作業スケジュールの焦りから安全面をおろそかにしてしまうこともあるでしょう。
足場作業は、業者に塗装作業と合わせて依頼すれば、全体のコストが抑えられるケースもあります。2階以上の住宅の場合は、無理をせず業者への依頼も検討しましょう。
外壁塗装DIYは安全第一が大切!
外壁塗装をDIYする場合は、足場の設置から最後の解体まで十分な作業時間を確保し、丁寧に行っていく必要があります。また高所での作業もあるため、安全第一を意識することが大切です。DIYするか業者に依頼するかは、自身の技術レベルや住宅のメンテナンスの必要度に応じて決めるようにしてください。
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