外壁塗装の塗料の選び方は?主な塗料の特徴と注意点を解説

塗料とはけ

外壁塗装を依頼する場合、依頼主も塗料についての基礎知識を持っておくと最適な選択ができるでしょう。塗料によって、耐久年数や性能などは異なります。今回は、一般的に外壁に使用される主な塗料の特徴と注意点を解説しますので参考にしてください。

外壁塗装塗料の主な選び方5つ

外壁塗装塗料にも多くの種類があるため、どのように選べば良いか迷ってしまうものです。まずは、選ぶ際の基準となる以下の5つの要素について解説します。

 

  •  一般的な塗料を選ぶ
  •  耐久年数と相場価格
  •  性能
  •  ニオイ
  •  メーカーの知名度

 

一般的な塗料を選ぶ

「比較検討に時間をかけるのが面倒」という場合、スタンダードに使用されている塗料を選ぶのがベストです。シリコン塗料は、外壁塗料の主なシェアを占める人気塗料です。

シリコン塗料に絞れば、選択肢が狭まり選びやすくなるでしょう。なお、シリコン塗料にも異なる製品があるため、価格差の理由も確認すると納得できるものを選べるはずです。

耐久年数と相場価格

塗料の種類によって耐久年数は異なり、耐久年数が長いものほど価格は高くなる傾向があります。主な塗料の耐久年数と相場価格を、以下の表にまとめましたのでご覧ください。

 

塗料

耐久年数

相場価格(1缶)

シリコン

約7~10年

15,000~40,000円

アクリル

約3~5年

5,000~15,000円

ウレタン

約5~7年

5,000~20,000円

フッ素

約15年

40,000~100,000円

光触媒

約15年

50,000~100,000円

無機

約15年

50,000~120,000円

 

塗料の価格を見る際は、塗り直しが必要になる回数も検討に入れる必要があります。価格が安いものを選んでも、耐久性が低く塗り直しの回数が多ければ最終的に高額な費用となるため、長期的なメンテナンスを視野に入れた選択が大切です。

性能

塗料によっては、付加的な性能を持っているものもあります。求める性能に応じて塗料を決めるのも良い方法です。代表的な性能として、以下6つが挙げられます。

 

  •  遮熱性
  •  防水性
  •  防汚性
  •  セルフクリーニング
  •  防サビ性
  •  防カビ性

 

夏の暑さが気になる場合は、遮熱性のある塗料を選ぶと室内温度上昇を抑えられます。また、遮熱性の塗料には熱による建物の劣化を防ぐ効果もあります。

建物の劣化の大きな原因のひとつは雨水のため、防水性のある塗料もメンテナンスに効果的です。さらに、汚れの付着を防ぐ防汚性や、雨水で汚れが落ちるセルフクリーニング性能を持つ塗料もあります。1つの塗料が複数の性能を持ち合わせていることもあり、選択基準のひとつにできるでしょう。

ニオイ

外壁に使用する塗料のニオイは窓から室内に入るため、ニオイに敏感な人は注意して選ぶ必要があります。塗料には、液状にするための水、もしくは溶剤が含まれています。

水と溶剤それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが良いか一概にはいえません。しかし、ニオイを基準に選ぶなら、水性塗料を選ぶのがおすすめです。水性塗料の多くはVOC(揮発性有機化合物)の排出量が少なく、やっかいなシックハウス症候群を起こしにくいとされています。

メーカーの知名度

塗料を販売するメーカーにも、大手メーカーとあまり知られていないメーカーがあります。「知名度が低いメーカーの塗料は質が悪い」というわけではなく、なかには特定の性能に特化した優れた製品もあります。比較の際はまず大手メーカーを把握し、聞いたことのないメーカーの塗料についてはその製品を推薦する理由を担当者に聞いてみると良いでしょう。

主な外装塗装塗料9種の特徴

外壁で主に使用される塗料は主に以下の9つです。ここからは、それぞれの特徴について詳しく解説します。

 

  •  シリコン
  •  ラジカル
  •  アクリル
  •  ウレタン
  •  フッ素
  •  セラミック
  •  光触媒
  •  無機塗料
  •  ナノテク塗料

 

シリコン

シリコンは、外壁塗装塗料のトップシェアを占める最もスタンダードな塗料です。耐久年数・費用ともに標準的でバランスの良い製品が多く販売されています。また製品開発も盛んであり、豊富な製品ラインナップから選べるのが特徴です。

ラジカル

ラジカル塗料は、2012年に販売を開始した比較的新しい塗料です。塗膜の劣化・変色を防ぐ効果があり、アクリル・シリコン・フッ素などの合成樹脂と配合した成分となっています。シリコン塗料とほぼ同価格帯ながら、耐久性がアップすることで人気を集めていますが、利用実績数が少ない点はデメリットです。

アクリル

アクリルは塗料の中で最も安価な塗料で、一般的には家電や自動車の上塗りなどに使用されます。耐久性が低いため、外壁塗装には費用を抑えて施工するケースのみ使用されるのが一般的です。主に、頻繁に塗替えをする場所に使用されています。

ウレタン

ウレタンは、アクリルの次に耐久性の低い塗料で、コストパフォーマンスに優れているとはいえません。ただし、やわらかく密着性に優れており、艶や光沢が出るという特徴があります。複雑な形状の箇所への塗装や、高級感ある仕上がりにこだわりがある場合に使用されることもあります。

フッ素

フッ素塗料は、耐久性と費用ともに高グレードな塗料です。少々費用が高いですが、一度施工すると長い期間メンテナンスをしなくても良い点がメリットでしょう。

また、フッ素は通常の住宅よりも、大きな邸宅や商業用施設などに使用されるケースが多いです。なお、マット仕上げは選択できないことを頭に入れておくようにしてください。

セラミック

セラミック塗料は、合成樹脂にセラミックを加えて作られた塗料です。断熱や遮熱効果、防汚性などの性能を持つ製品が人気を集めています。また、陶磁器の材料を吹き付けることにより、石材調のデザインにできるのも特徴で、性能やデザインにこだわりがある場合におすすめの塗料といえます。

光触媒

光触媒塗料は、「酸化チタン」の性質を利用し、紫外線の化学反応により壁面についた汚れを分解する性能を持つ塗料です。耐久年数が長く、雨水で自然に汚れが落ちる点はメリットですが、値段が高い点に注意が必要です。また、主原料の酸化チタンは白色顔料であるため、色選択は薄い色に限られます。

無機塗料

無機塗料とは、鉱物やレンガ、ガラスなどの無機物を配合した塗料です。劣化が遅く、耐用年数が長いのが特徴です。

また、親水性が高く、表面の汚れを浮かせ雨水で洗い流す性能もあります。耐久性は高いですが、ほかの外壁メンテナンスの周期と合わせると、コストパフォーマンスが悪くなる可能性があるため注意が必要です。

ナノテク塗料

ナノテク塗料とは、アクリルシリコン樹脂を配合した水性塗料の一種です。石油系の合成樹脂の使用を抑えた塗料で、CO2削減による地球温暖化の抑制やシックハウス症候群対策に効果があるとされています。耐久性が高くコストパフォーマンスも良いですが、対応できる業者が限られている点はデメリットです。

塗料の基礎知識

塗料を選ぶ際は、分類名の意味を知っておくと比較の役に立ちます。知っておくと良い主な基礎知識を以下の表にまとめましたので、ご覧ください。

 

分類

違い

具体内容

樹脂

価格と耐久年数

アクリル、ウレタン、シリコンなど

顔料

色の有無

エナメル顔料は色有り

クリア顔料は色無し

光沢度

艶の程度

艶消し、3分艶、5分艶など

水系・溶剤系

ニオイ、耐久性、艶など

・水系→水で希釈

・溶剤系→シンナーなどの有機溶剤で希釈

1液・2液

扱いやすさ、密着性、耐久性

1液→安価で扱いやすいが密着性、耐久性に乏しい

2液→密着性、耐久性が良いものの扱いにくい

 

 

外装塗装塗料を選ぶときの注意点

上記で外装塗料についての基本的な選び方を紹介しましたが、ほかにも選ぶ際に注意したい点があります。最後に、以下3つのポイントについて解説していきます。

 

  •  製品により選べる色が違う
  •  費用について
  •  塗料だけでなく工事品質も重要

 

製品により選べる色が違う

塗料を選ぶ際は、性能や費用はまずチェックしたいポイントですが、見た目の好みも忘れてはいけません。製品によって展開する色のラインナップは異なり、塗料の成分によっては実現できない色もあります。イメージする色がある場合は、最初に塗装業者に希望を伝え、選択する製品のラインナップに希望に近い色があるか確認しましょう。

費用について

外壁塗装を業者に依頼する場合、塗料は全体の一部です。塗料のほかにも施工費や足場代などがかかるため、塗料だけでなく全体の施工費を検討し、妥当な費用であるかを見極めることは大切です。外壁と屋根の塗装を同時に依頼するなど、なるべく安価で済ませられるような工夫をしてください。

塗料だけでなく施工品質も重要

塗料選びも重要ですが、それと同じくらいに施工品質も重要です。質の高い塗料を使っても、施工する職人に技術がなければ満足な仕上がりにはなりません。塗料の性能を十分に活かすためには知識や経験が必要なので、実績の多い業者を選ぶようにしましょう。

外壁塗装塗料選びは施工品質と合わせて検討しよう

外装塗料の選び方のポイントは、主に耐久年数や費用、性能などです。費用については、メンテナンス回数なども検討し、コストパフォーマンスの高いものを選ぶのがおすすめです。また、製品によって色のラインナップや艶感のバリエーションが異なるため、最初に仕上がりのイメージを決めておきましょう。

質の高い塗料を選ぶことも大切ですが、施工を行う業者の技術も忘れてはいけないポイントです。「菊地塗装企画」は、主に一般住宅の各種塗装工事を行っております。弊社は職人直営店のため、代表・スタッフともに職人で、低価格・高品質な塗装を行うのが特徴です。

大切な財産を守るという使命感を持ち、日々変わりゆく現代に合った塗装技術を提供いたしますので、ご用命の際はお気軽にお問い合わせください。