アクリル塗料のメリットとデメリットは?特徴やほかの塗料との違いを解説


建物を塗装する際、見た目の美しさや耐久性の高さ、施工にかかる費用は使う塗料によって異なります。納得のいく塗装を仕上げるには、それぞれの塗料の特徴を理解したうえで、目的に合った塗料を選ぶことが大切です。

今回は、塗料のひとつである「アクリル塗料」について、メリットやデメリット、ほかの塗料との違いを解説していきます。「どんな塗料を選べば良いかわからない…」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

アクリル塗料の特徴

アクリル塗料とは、アクリル樹脂を主成分にする塗料のことです。アクリル樹脂は、照明器具や看板、水槽など日常生活の身近なものにも多く使われています。

アクリル塗料は大きく水性と油性の2種類に分かれ、そこからさらに自然乾燥型と反応硬化型に分かれます。 建物に使われている建材や場所、環境によって使うべきアクリル塗料はさまざまです。

また、アクリル塗料には以下のような特徴があります。

  • 透湿性が高い
  • 変色が起きにくい
  • ほかの塗料に比べて耐久性は高くない

アクリル塗料が開発された1950年 ごろは、発色の良さや使い勝手の良さから人気の高い塗料でした。しかし、アクリル塗料よりも性能の高い塗料が開発されたため、現在の需要は決して多いとはいえません。耐久性の低さから、特に外壁や屋根に使われる頻度が少なくなっています。

アクリル塗料のメリット

アクリル塗料には、主に3つのメリットがあるので、次項で詳しく見ていきましょう。

  • 費用が安価
  • 種類や色が豊富
  • 発色の良さ

費用が安価 

アクリル塗料は、現在使われている塗料の中では最も安価で、手が出しやすい傾向にあります。アクリル塗料の平米単価は、900〜1,300円ほど で、ほかの塗料と比べると半分ほど費用を抑えることができます。頻繁に塗り替えをする予定の建物や、長期間使わない予定の建物などには、コスパが高い塗料といえるでしょう。

種類や色が豊富

アクリル塗料は誕生から70年ほどの長い歴史があり、さまざまなメーカーが多くの種類の商品を開発しています。カラーバリエーションも豊富で、絶妙なニュアンスの色合いも多いことから納得いく色の塗料を選べるでしょう。また、自然乾燥型の水性アクリル塗料はDIYでも使うことができます。

発色の良さ

アクリル塗料には独特の艶感があり、発色が良いのが特徴のひとつです。絵の具のように重ね塗りもできるため、鮮やかさを強調したり、色を複雑に組み合わせたりすることもできます。そのため、はっきりと鮮やかな色合いを求めている人には、向いている塗料だといえます。

アクリル塗料のデメリット

アクリル塗料のデメリットは主に以下の3つなので、メリットと一緒に押さえておきましょう。

  • 紫外線に弱い
  • ひび割れの可能性が高い
  • 色あせるスピードが早い

紫外線に弱い

アクリル塗料が紫外線を浴びると、化学反応が起き塗料の劣化が早くなってしまいます。最初は艶がありきれいでも、数年ほどでなくなり変色が起こるため注意が必要です。

ひび割れの可能性が高い

硬化が早いアクリル塗料には、素材をやわらかくさせる薬品の可塑剤が使われています。可塑剤は、時間が経つと大気中に抜けてしまうため、アクリル塗料の柔軟性は持続しづらく、最終的に塗装面がひび割れてしまいます。

色あせるスピードが早い

耐久性の低いアクリル塗料は、3〜5年程度で色あせする可能性が高いです。特に屋外に使用する場合、色あせのスピードが早まります。

また、色あせは塗装面が剥がれるデメリットもあります。塗装面が剥がれると、雨や雪が建物の内部に入ってくるようになり、場合によっては塗り直さなければなりません。

アクリル塗料が向いているケース

アクリル塗料には、費用が安価といったメリットがある一方で、紫外線に弱いというデメリットもあります。アクリル塗料の特徴を踏まえると、アクリル塗料の使用が向いているケースは以下のような場合です。

□何度も色の塗り替えをしたいとき
□数年で取り壊す建物に施工するとき
□DIYで塗装をするとき

アクリル塗料は耐久性が低い代わりに価格が安く、手軽に使える塗料です。そのため、短期的な用途に向いているといえます。

アクリル塗料ピュアアクリルとは?

ピュアアクリルはアステックペイントが製造している塗料で、通常のアクリル塗料に含まれる多くの不純物を取り除いたものです。従来のアクリル塗料と異なり、約15年と長めの耐久性を持つのが特徴です。また、ピュアアクリルにはゴムのような強い弾力性もあります。この弾力性により、外壁材にヒビ割れができても塗膜で覆えるため高い防水性を発揮します。

一方で、弾性が強いため外部の汚れを引き寄せやすく、汚れやすい点はデメリットです。また、温度上昇による水分の気化により、ふくれが起こりやすい特性もあります。ピュアアクリルは耐久性と価格帯ともにフッ素塗料レベルであるため、従来のアクリル塗料とは別物として捉える必要があるでしょう。

塗料の種類とアクリル塗料との比較

塗料には、アクリル塗料だけでなくいくつかの種類があります。アクリルの特徴が合わないと感じた場合は、ほかの塗料を検討してみましょう。アクリル塗料のほかに、一般的に建物に使われている塗料として、以下の4つが挙げられます。

  • ウレタン塗料
  • シリコン塗料
  • フッ素塗料
  • 無機塗料

ウレタン塗料

ウレタン塗料は、高い柔軟性と密着性を持つ塗料です。アクリル塗料よりは耐久性が高いですが、ほかの塗料と比べれば低い方です。また、アクリル塗料と同様に値段が安いですが、耐久性の低さから屋根や外壁塗装ではあまり使われていません。

シリコン塗料

シリコン塗料は、アクリル塗料やウレタン塗料よりも汚れや雨水、紫外線に強い特徴があります。価格も高額すぎるわけではないため、コストパフォーマンスが高い塗料だといえます。ただし、ウレタン塗料よりも柔軟性が低く、材質を選ぶといった問題がある点に注意が必要です。

フッ素塗料

フッ素塗料は、アクリル塗料やウレタン塗料、シリコン塗料よりも耐久性が高い塗料です。さらに防水性や耐熱性にも優れているため、一般的な住宅だけでなく高層ビルなどにも使われます。価格はアクリル塗料・ウレタン塗料・シリコン塗料よりも高額ですが、耐久性の高さから長期間にわたり塗り直しをする必要がありません。

無機塗料

無機塗料は、合成樹脂に、石やレンガ、ガラスなどの無機物を加えて作られた塗料です。フッ素塗料よりも耐久性が高く、日光や雨、汚れや火にも強い特徴があるため、屋根など劣化しやすい場所に使われることが多いです。ただし、無機物が含まれているため柔軟性が低く、すべての材質に使えるものではありません。

まとめ

アクリル塗料はアクリル樹脂を主成分とする塗料であり、価格が低くカラーバリエーションも豊富なのがメリットです。しかし、耐久性の低さからひび割れなどのトラブルが起きやすく、現在ではあまり使われなくなってしまいました。アクリル塗料の代わりに、シリコン塗料やフッ素塗料などが主流なので、価格や耐久性を比べて建物に合った塗料を選びましょう。

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