外壁を石貼りで飾るメリットはデザイン性だけではない?実用性も兼ね備えた装飾の魅力を解説


通常の外壁の上から石材を貼り付けて装飾する「石貼り」は、住宅のデザインに高級感・重厚感を与えつつ、外壁の耐久性をアップさせることができる工法です。通常の外壁だけでは物足りないと感じている方に選ばれていますが、「具体的にどんな特徴を持っているの?」と疑問を抱いている方も少なくありません。

今回は、外壁の石貼り装飾のメリット・デメリットについて詳しく解説します。長所と短所の両面を見て、石貼りが自分の住宅に合っているかどうか確認しましょう。

外壁の石貼り装飾は必ずプロへの依頼を

「外壁の石貼りをDIYで行うことはできるのか?」と考えている方も多いかもしれませんが、一般の方が石貼りを行うのは極めて危険であるため避けてください。重い石材を使っての高所作業は、大きな怪我や事故につながりかねません。外壁の石貼りの施工を請け負っている業者を探し、希望のイメージ通りに仕上げてもらえそうか、費用はどのくらいかかるのかを相談するところから始めましょう。

外壁を石貼りで装飾するメリット

外壁を石貼りで装飾することには、住宅をおしゃれに演出できること以外にもさまざまなメリットがあります。

〈外壁を石貼りで装飾するメリット〉

  • 高級感・重厚感あるデザインにできる
  • 耐久性が高く手間いらず
  • 外壁自体の耐久性を高められる

高級感・重厚感あるデザインにできる

石貼りによる装飾を施すことによって、一般的な壁材だけでは出せない高級感・重厚感を演出できます。石材の形状や色などによっても雰囲気が変わり、個性豊かなデザインが楽しめるのが魅力です。

建材として広く使われている天然石としては、以下のような種類があります。

〈建材として使われる天然石の種類

  • 花崗岩(御影石)
  • 安山岩(火山岩)
  • 大理石
  • 粘板岩(スレート)
  • 石灰岩
  • 砂岩
  • 凝灰岩

それぞれが独特な質感と模様を持っているため、選び方次第で住宅全体のイメージを大きく変えることができます。プロに相談してアドバイスを受けながら、どの石をどこに使うかを決めましょう。

耐久性が高く手間いらず

石材は耐久性に優れているため、特別なメンテナンスをせずともきれいな状態を保って長く使い続けられます。窯業系サイディングのように、通常は定期的な塗り直しが必要な壁材を選んだ場合でも、上から石貼りを施しておけば劣化を防げるという実用的なメリットもあるのです。

外壁自体の耐久性を高められる

耐久性が高い石材によって外壁をコーティングすることにより、衝撃や火、熱への耐性が向上します。耐久性の低さがネックで気になる壁材を採用すべきか迷っている場合は、石貼りの装飾の追加を検討してみると良いでしょう。

外壁を石貼りで装飾するデメリット

外壁の石貼り装飾には、デザイン面だけでなく実用的なメリットも多くありますが、当然ながらデメリットも存在します。長所と短所の両方を踏まえたうえで、採用するかどうか検討しましょう。

〈外壁を石貼りで装飾するデメリット〉

  • 装飾のための費用が高くつく
  • 外壁の重量増によって耐震性が下がる

装飾のための費用が高くつく

石材は、輸送にかかるコストが大きいため原材料価格が高くなりがちです。加えて、外壁への石貼りの施工には手間と人員が必要であるため、人件費・技術費もかさんでしまいます。

使用する石材や外壁面積などによってトータルの費用は大きく異なるため、目安の金額を提示することは難しいです。しかし、最低でも通常の外壁工事でかかる1.5倍以上の費用を用意しておく必要があり、予算の捻出に苦労する方も少なくありません。

外壁の重量増によって耐震性が下がる

建造物は、総重量が重いほど揺れやすく、耐震性が低くなる傾向にあります。石材は一般的な壁材よりも重さがあるため、装飾を施すことによって外壁の重量が大きく増し、耐震性が下がるのが難点です。建物の劣化が進むにつれて倒壊の危険性も増すため、特に地震が多い地域に住んでいる方にとっては大きなデメリットとなります。

石貼りの外壁でメンテナンスが必要になるケース 

「石貼りの外壁はメンテナンスいらず」と言われるほど管理の手間がかからない素材です。しかし、住宅環境の条件によっては、メンテナンスが必要になるケースもあります。ここでは、以下の3つのケースを解説します。

□目地や下地の劣化
□石材のタイルの浮きや剥がれ
□石材のひびや割れ

目地や下地の劣化

石材そのものは無機質のため外的条件の影響を受けにくく、劣化しにくい素材です。目地や下地は他の素材を使用するため劣化します。紫外線や気温、湿度の変化などが原因で目地や下地が劣化すると、ひびなどが生じ、雨漏りの原因となる場合があります。特にコーキングの劣化が著しい場合は、打ち直しのメンテナンスが必要となるでしょう。

石材の浮きや剥がれ

目地の劣化により付着力が低下すると、石材の浮きや剥がれが生じる場合があります。特に寒冷地では、隙間に入り込んだ水分が凍結・融解を繰り返すことで付着力が低下する恐れもあります。高い位置の石材が落下すると事故にもつながりかねないため、早急な補修が必要です。

石材のひび割れ

ごくまれなケースとして、強い外的衝撃が加わり、石材そのものにひびや割れが入る場合もあります。損傷がひどい場合、ひび割れの部分から水分が浸入し、他の部分の剥がれを連鎖させる原因になります。ひび割れが生じた場合も、早めの業者への依頼が重要です。

予算がなくても石貼りデザインにしたいとき選択できる方法

石貼りのデメリットの1つが価格が高価である点です。「予算オーバーだけど、どうしても石貼り風に外壁を仕上げたい」という場合におすすめの方法があります。ここでは、以下の2つの方法を紹介します。

□一部だけを石貼りにする
□石貼り風の窯業系サイディングを使う

一部だけを石貼りにする

石貼りのデザインは、外壁の一部だけに取り入れてもおしゃれに見えるでしょう。単色の塗装の一部に石貼りを置くことでアクセントになり、個性を表現できます。最近では、外壁のパーツとして使用するための石材の製品も販売されています。仕上げたいイメージと予算を業者に伝え、適したパーツを紹介してもらいましょう。

石貼り風の窯業系サイディングを使う

窯業系サイディングは比較的安価で、一般住宅の外壁で最も多く普及している材質の1つです。デザインのバリエーションが豊かな特徴があり、中には石貼り風のデザインのものもあります。最近では、デザインプリントの技術も向上しており、本物と見分けが付かないクオリティの製品もあります。予算を抑えたい場合は、本物の石貼りではなく、「石貼り風」を検討してもよいでしょう。

まとめ

石貼りによる外壁の装飾は、高級感あふれるデザインを楽しめるだけでなく、石材が持つ耐久性の恩恵も受けられるのが魅力です。石貼りは必ずしも全面に行う必要はなく、外壁の一部分にのみ採用してアクセントにすることも可能で、外壁や屋根の塗装と組み合わせてコーディネートを楽しむ方も少なくありません。ただし、施工方法が少々複雑であり、施工にかかる費用が割高なので、予算について悩んだときは専門の業者に相談しましょう。

「菊地塗装企画」は、東京都町田市近郊で外壁や屋根の塗装・補修などを行っている施工会社です。豊富な知識と確かな技術を有した職人の手で、お客様にご満足いただける塗装を提供いたします。施工内容に関するご相談も随時受け付けておりますので、ご用命の際はお気軽にお問い合わせください。