窯業系サイディングはなぜ人気?メリットや費用相場を紹介


多くの住宅の外壁材として用いられている「窯業系サイディング」は、安価で地震・火災に強く、デザインパターンも豊富であるなど有用なメリットが多いです。しかし、きれいに使い続けるためには日々の手入れやメンテナンスなどが重要な壁材でもあります。今回は、窯業系サイディングとはどんな素材なのか、壁材としてはどんなメリット・デメリットがあるのかを詳しく解説しますので、壁材選びやその後のメンテナンスの参考にしてみてください。

窯業系サイディングは現代の住宅において主流な壁材

「窯業(読み方:ようぎょう)系サイディング」とは、セメントと繊維質を主原料とし、板状に形成した外壁材のことです。比較的安価でさまざまなデザインや色を再現できるため、現代の住宅において非常にメジャーな存在となっています。

窯業系と他のサイディングの比較

サイディングには、窯業系のほかにも異なる材質で作られているものがあります。ここでは、それぞれの材質のサイディングを比較してまとめましたのでご確認ください。

  特徴 耐用年数
窯業系サイディング
  • デザイン性が高い
  • コストが安い
  • 耐震性・耐火性が高い
  • 防水性は低い
8~12年
金属系サイディング
  • 断熱性・耐震性が高い
  • 軽量
  • 変形しやすい
10〜15年
樹脂系サイディング
  • 耐久性
  • 軽量
  • 耐火性が低い
10〜20年
木質系サイディング
  • 耐震性が高い
  • 木独特の風合いがある
  • 腐食・変色に弱い
7〜10年

窯業系サイディングの外壁のメリット

窯業系サイディングは、以下のように非常に有用なメリットが多い壁材です。

〈窯業系サイディングの外壁のメリット〉

  • 比較的安価かつ工期も短く済む
  • さまざまな色とデザインが楽しめる
  • 耐震性が高い
  • 耐火性が高い

比較的安価かつ工期も短く済む

窯業系サイディングは、壁材の中では比較的安価です。すでに板状に形成されている素材(サイディングボード)を貼り合わせる簡単な施工方法で作業がなされるため、人件費や技術費用を含めてもコストが抑えられ、工期も短く済みます。

さまざまな色とデザインが楽しめる

成形の自由度が高い窯業系サイディングは、レンガ風、木目調、タイル調などさまざまなデザインから建物のイメージに合うものを選べます。色の選択肢も豊富であるため、取り扱いが難しかったり高価であったりする素材にこだわらずとも、自分好みのおしゃれなデザインの外壁に仕上げられることも大きな魅力です。

耐震性が高い

硬くて密度が高く、さらには比較的軽い素材である窯業系サイディングは、大きな地震の際にも建物にかかる負担が少なく耐震性が高いです。地震が多い地域に住んでいる場合、窯業系サイディングは非常に相性が良い壁材といえます。

耐火性が高い

窯業系サイディングは「防火外壁材」とも呼ばれるほど耐火性に優れています。メーカーによっては不燃材料として国の認可を受けている場合もあり、近隣で火災が起こった際の安全性が高いです。

窯業系サイディングの外壁のデメリット

窯業系サイディングには、以下のような主原料由来のデメリットも存在します。

〈窯業系サイディングの外壁のデメリット〉

  • こまめなメンテナンスが必須
  • 素材自体には耐水性がない
  • 室内に熱がこもりやすい

こまめなメンテナンスが必須

窯業系サイディングは塗装の剥がれやひび割れなどの劣化が起こりやすい壁材です。10年に一度は塗替えが求められます。初期費用は安く済むものの、メンテナンス費用が必要になるため、初期の予算を多くかけられるのであれば、耐久性に優れたほかの壁材に目を向けてみるのもひとつの手です。

素材自体には耐水性がない

窯業系サイディングの素材自体には防水の機能がないため、塗装によって耐水性を付加する必要があります。塗装が剥がれてくると雨水の影響をダイレクトに受けてしまうため、定期的なメンテナンスは特に重要です。

室内に熱がこもりやすい

窯業系サイディングの主原料はセメントであり、こちらは熱を溜め込む性質を持っているため、室内が高温になりやすいです。塗装によってある程度の遮熱・断熱効果を付与することは可能ですが、特に夏の暑さ対策は万全にする必要があります。

窯業系サイディングに関する施工の費用相場

では、外壁面積が150平米の施工にかかる費用を見ていきましょう。窯業系サイディングの外壁を張り替える場合と、塗替えをする場合の費用相場 は以下のとおりです。

張替え 190万円~
塗替え 80万円~

※状況に応じて料金は大きく異なる

現在の外壁の劣化や損傷が著しい場合は、一度撤去し新たなものに張り替える工事が必要です。日頃から丁寧に扱い、定期的に塗り直すことで長く使い続けられるので、手入れを欠かさないようにしましょう。

窯業系サイディングのメンテナンスが必要なサイン

窯業系サイディングの外壁に、以下のような状態が見られたら、メンテナンスが必要です。

□苔や藻、カビ
□コーキングの汚れ
□チョーキング
□サイディングの反り
□クラックや割れ

苔や藻、カビ

外壁に苔や藻、カビが発生している場合、外壁の防水性が落ちているサインです。放置していると外壁内部まで浸水が進み、外壁そのものが使えなくなる恐れがあります。早い段階での洗浄と塗装の塗り替えがおすすめです。

コーキングの汚れ

コーキングとはサイディングボードの継ぎ目の部分です。コーキングに含まれている可塑剤が分離し、染み出てくることで汚れが付着します。汚れが発生しているということは、コーキングが劣化しているサインです。コーキングが持つ緩衝材としての役割や雨水の浸入を防ぐ効果が落ちている状態のため、早急なメンテナンスが必要です。

チョーキング

チョーキングとは、外壁の表面を触ったときに粉が指に付く現象です。塗料が紫外線により分解され、顔料が表面に粉として浮き出てくることが原因で起こります。チョーキング現象が見られる場合、塗装の劣化のサインです。防水機能が落ちていることが予想されるため、塗り替えが必要となります。

サイディングの反り

窯業系サイディングには、水を含み再び乾燥することを繰り返すと変形し反りが生じる特性があります。反りが出るとその部分から雨水が入りやすくなり、他の部分も反りが始まるという悪循環になります。反りが小さい場合は、釘やビスを増し打ちして反り矯正する方法もありますが、根本的な解決方法としては張り替えが必要です。

<h3>クラックや割れ</h3>反りなどの変形が生じると、ビスや釘などの部分に余分な力が入りクラックや割れが生じます。クラックや割れが小さい場合は部分補修を行い、その後塗装でコーティングします。クラックや割れが外壁全体に生じている場合は、張り替えを行う必要があるでしょう。

まとめ

窯業系サイディングは、低価格かつ工期が短い、個性豊かなデザインが楽しめるといったさまざまな理由から、現代の住宅においてメジャーな外壁材となっています。ただし、きれいな状態を保って長く使うためには日々の手入れや10年周期での塗装が必須です。窯業系サイディングを採用する場合、最低でもこの2点は押さえておくようにしましょう。

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