ガルバリウム鋼板の外壁とは?特徴やメリット・デメリットを解説


新築やリフォームの際、専門知識がないと、外壁の材質をどれにすべきか悩むかもしれません。そこで今回は、「ガルバリウム鋼板」という素材について、特徴やメリット・デメリットを解説します。

ガルバリウム鋼板は外壁素材のひとつなので、基礎知識を理解できれば、外壁選びの判断材料になります。理想の住宅を完成させるためにも、基本的な部分から理解を深めていきましょう。

ガルバリウム鋼板とは?3つの特徴

まずは、ガルバリウム鋼板の特徴について、素材・耐久性・デザイン性の3つの面を見ていきましょう。新築やリフォームなどで外壁素材の選択肢に加えられるよう、それぞれの特徴をチェックしてみてください。

素材

ガルバリウム鋼板は、以下のような素材で構成される鋼板です。

<ガルバリウム鋼板を構成する素材

  • アルミニウム:55%
  • 亜鉛:43.4%
  • シリコン:1.6%

ガルバリウム鋼板にはアルミニウムが多量に含まれており、酸化被膜(腐食へ対抗する膜)を形成しています。防食性に優れているほか、軽量で耐久性も高いという特徴を持っています。

耐久性(耐用年数)

ガルバリウム鋼板の耐用年数は20~25年 が目安です。また、金属系素材の外壁はサビによって劣化していきますが、ガルバリウム鋼板は腐食性に優れているためサビにくいです。外壁が劣化する主な原因を防ぐことで、ガルバリウム鋼板の耐用年数は長く保たれています。

デザイン性

ガルバリウム鋼板のデザインには、以下のようなバリエーションがあります。

【ガルバリウム鋼板のデザイン

デザイン名 デザインの特徴
ストライプ

・金属感があり、スタイリッシュでおしゃれな印象
・色のバリエーションも豊富

凹凸 ・外壁に不規則な凹凸を作る
・シンプルモダンなテイスト
積石 ・石を積み上げたようなデザイン
・自然物のような温かみ
細石積 ・細長い石を積み上げたようなデザイン
・模様の陰影が目立ちやすい
レンガ ・レンガ調の洋風建築にデザインできる
・温かみ+高級感を持たせる
木目 ・本物の木のように自然なデザイン
・シンプルかつ温かみのある印象
塗り壁 ・左官職人が仕上げたようなナチュラルな風合い
・周囲の環境に合わせやすい

ガルバリウム鋼板は、モダンやスタイリッシュなどバリエーション豊富なデザインがそろっているため、住宅のテイストに合わせやすいことが特徴です。

ガルバリウム鋼板を外壁に利用するメリット3つ

続いて、ガルバリウム鋼板を外壁に利用する3つのメリットについて解説します。どの外壁を選ぶべきか悩んでいる方は、各メリットを参考にしてみてください。

耐久性が高い

ガルバリウム鋼板の耐久性が高い理由は次のとおりです。

<高耐久の理由

  • アルミニウムが含まれているためサビにくい
  • 施工時の継ぎ目がない

先述したように、ガルバリウム鋼板は防食性に優れているため、ほかの素材よりもサビにくいことが魅力です。さらに、外壁として普及率の高い「窯業系サイディング」 とは異なり、ガルバリウム鋼板なら継ぎ目を目立たせない工夫が可能です。窯業系サイディングは継ぎ目から劣化しやすいですが、ガルバリウム鋼板はそのリスクを軽減できるため、耐久性に優れている素材といえるでしょう。

ほかの素材よりも軽量

ガルバリウム鋼板の厚みは1mm以下で、重量は窯業系サイディングの3分の1 程度です。軽量な建物は、地震による揺れの影響を抑えられるため、ガルバリウム鋼板を採用することで耐震性アップに期待できます。

また、ガルバリウム鋼板は、外壁カバー工法(重ね張り)にも適用できます。外壁カバー工法とは、既存の壁を残した状態で新たな外壁を重ねる工法のことです。 ガルバリウム鋼板は軽量な素材なので、建物の軽量化を意識しつつ外壁リフォームが行えます。

水の侵入を防ぐ

ガルバリウム鋼板は防水性が高く、隙間も少ないことから壁の中に水が浸入しにくいこともメリットです。防水性が高ければ、凍害(水分の膨張による壁の劣化)の被害も抑えられます。 雨漏りの発生も防ぎやすくなるため、カビ・コケなどの発生も抑えられるメリットがあります。

ガルバリウム鋼板を外壁に利用するデメリット3つ

ガルバリウム鋼板には、メリットだけでなくデメリットもいくつかあるので、それらもチェックして採用するかどうか判断することも大切です。次項から、ガルバリウム鋼板の具体的なデメリットを解説するので、新築・リフォームの際は参考にしてみてください。

場合によってはサビが発生する

防食性に優れるガルバリウム鋼板でも、表面のメッキが剥がれるとサビが発生します。台風などの影響による傷が原因で、サビが発生するケースもあります。 定期的なメンテナンスはもちろん、「サビを防ぐ」「防水性を保つ」といった対策も必要です。

傷がつきやすい

ガルバリウム鋼板は衝撃に弱く、家具や金属の衝突で凹んだり傷がついてしまったりする可能性もあります。凹み・傷は外壁の劣化を早める原因なので、物置や駐車スペースなどでは注意しなければなりません。

軽微な傷や劣化であれば、外壁塗装で補修できます。凹み・傷を見つけた際は、塗装で対応すべきか専門業者に相談してみましょう。

サビが生じやすく注意が必要な住宅条件

ガルバリウム鋼板は金属建材の中では比較的サビにくい素材ですが、条件によってはサビが発生する場合もあります。以下のような住宅の場合では、よりこまめな点検をおすすめします。

□沿岸地域
□工業地域
□異種金属の接合部
□雨水がかかりにくい外壁

早めのメンテナンスであれば軽微な作業で済むため、施工後の保証の手厚い業者を選ぶと安心です。

ガルバリウム鋼板以外の金属建材

□エスジーエル鋼板
□アルミ
□ステンレス鋼板

エスジーエル鋼板

エスジーエル鋼板は、従来のガルバリウム鋼板にマグネシウムを加えた建材です。ガルバリウムと比べ、3倍以上の耐食性を持つとされ、ガルバリウム鋼板に次ぐ次世代の金属材として注目されています。

アルミ

アルミはガルバリウム鋼板が登場するより前から建材として使われていた素材です。特に軽量性に優れており、錆に強いのも特徴です。コストが高いデメリットがあるため、シェア率は低めとなっています。

ステンレス鋼板 

ステンレス鋼板を使用した外壁は、鏡のようなピカピカの外観を特徴としており、商業用施設などで多く見られます。近年では目への刺激が少ないマットな外観のものも登場しています。メンテナンスコストが少ない点はメリットですが、施工費用はやや高価な建材です。

まとめ

ガルバリウム鋼板は、耐久性・防食性などに優れた外壁素材です。住宅の耐震性にも効果を発揮しますが、いくら性能に優れているからといって、いつまでも安全に使い続けられるわけではありません。定期的なメンテナンスを行い、ガルバリウム鋼板の効果を維持することも重要です。

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