屋根塗装で雨漏り改善はできる?可能なケースと塗装以外の修繕方法について詳しく解説

雨が降る屋根 雨どい

 

「屋根塗装と雨漏りは関係があるのだろうか?」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。根本的な解決のためには、雨漏りを引き起こす要素と適切な修繕方法の知識を知っておく必要があります。今回は、塗装で雨漏りの改善が可能なケースと不可能な場合の修繕方法を紹介しますので、お悩みの方はぜひチェックしてみてください。

屋根塗装と雨漏りの関係

まずは、屋根塗装と雨漏りの関係について見ていきましょう。以下の2つについて知っておくと、業者との話がスムーズに進みます。

 

  •  雨漏りの早期抑制はできる
  •  雨漏りの修理はできない

 

主な雨漏りの原因は「塗装の劣化」です。そのため、適切な時期に塗装メンテナンスをすることは、雨漏りの早期抑制に役立つといえます。

しかし、すでに雨漏りが起きている場合、屋根材自体に破損があるケースも多く、塗装だけでは修理できないことも珍しくありません。塗装が有効かそうでないか、業者の判断が必要になるところです。

屋根塗装で雨漏りが改善されるケース

前回の塗装の施工時に、使用する塗料が少なかったり、塗りムラがあったりしてヒビができているケースも珍しくありません。このような施工不良によって雨漏りが起きている場合、塗替えにより改善される可能性があります。しかし、基本的には塗料を塗る部分の下の層には防水シートが入っており、塗装だけが原因で雨漏りが起きるケースは稀といえます。

塗装では雨漏りを改善できないケース

すでに屋根に雨漏りが起きている場合は、塗装だけでは改善できないケースがほとんどです。その理由として、主に以下の3つが挙げられます。

 

  •  屋根の内部が劣化している
  •  屋根以外に原因がある
  •  屋根の構造によって雨漏りが起きている

 

屋根の内部が劣化している

塗装は、屋根の一番外側にある部分です。塗装の下には浸水を防ぐ防水シートや防湿、断熱のための構造があります。雨漏りが生じる際、塗装部の表面上の問題ではなく、これらの内部の劣化である可能性が高いです。このような場合、表面上の塗装だけを強化しても雨漏りは改善されません。

屋根以外に原因がある

雨漏りの原因箇所が屋根にはない場合もあります。たとえば、外壁や窓サッシやベランダなどの複数箇所から雨水が侵入していることも珍しくありません。雨漏りの原因は、目視だけでは特定できない場合も多く、原因を特定し雨漏りを解決させるには、建物全体の専門調査が必要となります。

屋根の構造によって雨漏りが起きている

屋根の構造の問題で雨漏りが生じている場合は、塗装とは無関係のため、塗替えを行っても雨漏りは改善しません。たとえば、差し掛け屋根と呼ばれる屋根の構造があります。これは、1階の面積の方が大きい2階建て以上の住居でよく見られる、屋根が段違いになっている構造のことです。

差し掛け屋根は、屋根と外壁のつなぎ目に雨水が溜まりやすく、雨漏りを起こすケースが多々見られます。この場合、水切り板金の再設置などの施工によって改善を図ります。建物構造による雨漏りも原因特定が難しいため、プロによる診断が必要です。

DIYにより雨漏りが生じてしまうケース

人によって異なるものの、なかには節約のために屋根塗装や雨漏りの修繕をDIYで行う方もいるかもしれません。しかし、間違った施工によって、雨漏りがより悪化する場合もあるため注意が必要です。その原因のひとつとして、「縁切りが不十分」というものが挙げられます。

縁切りとは、排水のために空いている屋根材の接合部分を、塗料によってふさがないようにする作業です。この工程を省くと、雨水が排水できず雨漏りの原因となります。

またよくあるのが、排水用の隙間を破損と間違えてふさいでしまうというケースです。雨漏りが悪化した場合、より多くの修繕作業が必要になるため、安易なDIYはおすすめできません。

塗装で雨漏りが直せないときはどうする?

すでに雨漏りが起きている屋根は、塗装だけでは修繕できない場合がほとんどです。その際には、以下の3つの方法を試してみてください。

 

  •  部分補修
  •  屋根のリフォーム
  •  防水工事

 

部分補修

屋根の破損状態が小規模である場合は、部分補修で対応できます。たとえば、飛来物により屋根の一部だけが損傷しているなら、その部分だけを交換しますが、単に穴をふさげば良いというものではありません。

屋根の構造を考えず、むやみに穴をふさぐとほかの部分に水が溜まり、再び雨漏りが生じる可能性があります。先ほども軽く触れましたが、安易な修繕は状態を悪化させる可能性があるので気をつけましょう。

屋根のリフォーム

屋根全体が劣化し、損傷箇所が大きい場合、屋根のリフォームが必要となります。特に経年劣化が見られる場合は、部分補修で応急処置をしても、次々とほかの部分で雨漏りが起こる可能性があり、結果的にリフォームの方が安く済むかもしれません。

屋根全体をリフォームする方法は、主にカバー工法と葺き替えの2つです。カバー工法は、既存の屋根材の上に新しい屋根材を乗せて修繕していきます。廃材の撤去や処理が必要ないため工期が短く、費用も安めです。

一方、葺き替えは既存の屋根材を撤去したうえで新しい屋根材を取り付けます。下地まで損傷が及んでいる場合はカバー工法ができず、葺き替えのみの選択肢となるケースもあります。

防水工事

一般的に、平らな屋根やベランダがある住居には防水工事が施されています。防水層の劣化が原因で雨漏りしている場合は、防水の補修工事が必要となります。この工事を行う前には、雨漏りの原因が屋根かそれ以外の場所なのか特定させておく必要があるでしょう。

屋根塗装で雨漏りを防止する方法

すでに起きている雨漏りの場合、塗装での修繕は非常に厳しいですが、塗装により予防することは可能です。塗料の中には、ウレタン防水やFRP防水といった防水性能を持つものが多々あります。

ウレタン防水は、伸縮性と粘性があり、さまざまな形状の箇所に塗装できる点がメリットです。またFRP防水は、耐久性が高い一方で伸縮性が低いという特徴があります。防水塗料は、屋根の形状が平らな「陸屋根」や屋上に限られますが、雨漏りを事前に防ぐ選択肢として検討できます。

屋根材ごとの雨漏り防止ポイント

屋根材によって、雨水に対する耐性の度合いがそれぞれ異なるため、屋根材の特性に応じたメンテナンスが重要です。ここからは、以下3つの屋根材で注意したいポイントを紹介していきますので、自宅の屋根をイメージしながらチェックしてみてください。

 

  •  スレート屋根
  •  セメント瓦屋根
  •  金属屋根

 

スレート屋根

スレート屋根は、一般の住居用屋根材で特に広く使われている屋根です。屋根材自体の防水性は低く、簡単に水が染み込んでしまうので、塗装の劣化状況に注意し、適切な時期に塗装メンテナンスを行いましょう。またひび割れも起きやすいので、定期的な点検も欠かせません。

セメント瓦屋根

セメント瓦屋根とは、粘土を焼き固めた粘土瓦とは違い、セメントと川砂を混ぜ合わせて瓦に成形したものです。耐用年数が長く、粘土瓦よりも安価なため、一時多くの住居に使われていました。

セメント瓦は吸水性があるため、塗装によるコーティングが必要です。また衝撃に弱いため、台風の後などは飛来物による損傷がないかチェックしましょう。

金属屋根

ガルバリウム鋼板などの金属屋根は、サビやすいという特徴を持っています。表面の塗装が剥がれ、金属部分がむき出しになると、その部分からサビが広がっていくので定期的な塗り直しが必要です。

雨漏りの点検方法

雨漏りを未然に防ぐためには、定期的に点検を行い、兆候が見られたら早期に対処することが大切です。主に点検するのは以下の2つなので、スケジュールを立ててチェックしてください。

 

  •  室内
  •  屋根・外壁

 

室内

日常的にできるのは、目視での点検です。室内の壁や天井を定期的に点検し、湿気を帯びていないかチェックしましょう。お金もかからず簡単にできるので、季節ごとに確認してみると良いでしょう。

屋根・外壁

家の外側についても、定期的に目視による点検をする必要があります。屋根や外壁に損傷やひび割れ、塗装の剥がれなどがないかチェックし、見つけた場合には今後の対策を考えましょう。

屋根は確認が難しい場所ですが、周辺の高台から見下ろすほか、双眼鏡を使えば確認できる可能性があります。もしセルフチェックが難しい場合、無理せず業者に依頼しましょう。その際、雨漏りが疑われる箇所の写真を撮っておいたり、雨漏りがする特定の状況をメモしたりしておくと、原因の特定に役立ちます。

屋根塗装や雨漏りについて業者に聞いてみることも大事

先ほども軽く触れましたが、業者に依頼した場合、主に以下のような調査方法で雨漏りの原因を特定します。

 

  •  目視調査
  •  散水調査
  •  赤外線サーモグラフィー調査

 

費用が安いのは目視調査ですが、これだけでは目に見えない箇所の原因を特定することはできません。雨漏りの根本解決をしたい場合は、散水調査・赤外線サーモグラフィー調査で徹底的に調べてもらうのがおすすめです。

屋根塗装の性質を知り、やっかいな雨漏りによる被害を防ごう

屋根の雨漏りは、塗装だけでは修繕できないケースがほとんどです。屋根材の内部に損傷が生じている場合は、部分補修やカバー工法などの施工が必要になります。また、雨漏りの原因が屋根だけではない場合もあり、目視だけでは確認が困難なので、厳しい場合は専門の業者に相談しましょう。

「菊地塗装企画」では、各種塗装工事をメインに足場仮設工事や各種防水工事、外壁調査・補修工事などを行っております。高い技術力を持った実力のあるスタッフがそろっており、小さな塗装や部分補修にも手を抜くことはありません。費用やスケジュールに関するご相談も随時受け付けておりますので、ご用命の際はお気軽にご相談ください。