外壁の塗装をする前には、汚れをしっかり落とすために高圧洗浄をする必要があります。汚れをしっかりと落とすことで、きれいに仕上げられるだけでなく耐久性も高められます。今回は、高圧洗浄とほかの洗浄方法の違い、塗装との関係について解説しますので、気になる方はぜひ最後まで読んでみてください。
外壁の高圧洗浄とは?
外壁の高圧洗浄は、高圧洗浄機を使用し、高圧の水で汚れや傷んだ旧塗膜などを洗い流す作業を指します。高圧洗浄は、外壁材の補修や下地の塗装を始める前に行うのが一般的です。
通常は水だけで洗浄しますが、それでも落ちきれないコケ・藻・カビがある場合、洗浄剤を使用した「バイオ洗浄」を行う場合もあります。また、目に見えるコケ・藻・カビだけでなく、増殖を防ぐ目的で洗浄剤を使うこともあります。
高圧洗浄が重要な理由
外壁塗装を行う前段階の作業として、高圧洗浄は非常に重要です。高圧洗浄により、外壁の汚れをしっかり落とし、塗装の密着を高める目的があります。
例えるなら、化粧をする前に洗顔をし、きれいな肌の状態にしたうえでファンデーションを重ねていくようなものです。洗浄が十分でないと、塗りムラができたり、塗料が付着しなかったりしてきれいに仕上がりません。また、塗装直後はきれいに見えても、密着度が足りないためすぐに剥がれが生じる場合もあります。
外壁の洗浄方法の違い
「業者に依頼しなくても、自分で洗浄できるのでは?」と考える方もいるでしょう。たしかに、汚れの度合いによっては自分でメンテナンスすることも可能ですが、さまざまな理由によってあまりおすすめできません。ここからは、主な外壁の洗浄方法4つと、その効果の違いについて解説していきます。
- ブラシやスポンジ
- 市販の高圧洗浄
- プロによる高圧洗浄
- バイオ洗浄
ブラシやスポンジ
一番簡易な洗浄は、ブラシやスポンジを使った手作業です。ホースで水をかけるだけでも、ホコリなどの細かい汚れは落ちます。水だけでは落ちなかった汚れも、ブラシやスポンジで擦ればある程度きれいになります。
手作業の洗浄は、日常的に行うメンテナンスとして有効です。しかし、外壁の範囲が広い場合には膨大な作業になるデメリットがあります。また、高い位置の洗浄は足場を組む必要があり、思うように作業できないかもしれません。
市販の高圧洗浄
ホームセンターで販売されている高圧洗浄機を使って洗浄する方法もあります。高圧洗浄機を使うと、手作業よりも効率良く汚れを落とせますが、高圧洗浄機の扱いにはいくつか注意しなければならないポイントがあります。
水が周囲に飛び散るのはもちろん、洗浄の際に出る大きな音が騒音になる場合もあり、近隣宅に対する配慮が欠かせません。また、あまりに高い圧力で洗浄すると、外壁を傷つける可能性があるため調整が必要になります。
プロによる高圧洗浄
高圧洗浄機を購入し、自身で高圧洗浄を行うのと、プロに依頼するのではいくつか違いがあります。プロに依頼する場合は、以下のメリットがあります。
- 壁を傷めるリスクが少ない
- 徹底的に洗浄できる
- 近隣住宅への配慮が手厚い
- 足場が必要な高所作業も問題ない
バイオ洗浄
バイオ洗浄は、高圧洗浄のオプションとして提案されるケースが多い、洗浄剤を使用する作業です。主に、コケ・藻・カビなどの生物系の汚れに効果を発揮します。
これらの汚れは、たとえ目に見えなくても洗い残しから増殖する可能性があり、薬品の使用によって根こそぎ除去しなければなりません。ただし、すべての住居に必要な洗浄とは限らず、以下のようなケースでの使用が適しています。
- 沿岸や河川沿いなど湿気の多い地域
- 湿気が多い北面の壁
- 細かい凹凸が多い外装材
高圧洗浄にかかる費用
高圧洗浄をするとき、やはり気になるのは費用面です。DIYでも業者に依頼する場合でも、高圧洗浄には一定の費用がかかります。ここからは、以下3つの費用について解説していきます。
- 水道代
- DIYする場合の洗浄機代
- 業者へ依頼する費用
水道代
最初に考えるのが水道代で、業者へ依頼する場合も、水道費は家主負担となるのが一般的です。ホースで作業をする場合は、こまめに水を止めれば節約になりますが、作業効率を考えると現実的ではありません。そのため、自分で作業した方が水道代は安く済むと考えて良いでしょう。
高圧洗浄機の水量を15L/分、高圧洗浄にかかる時間を7時間と仮定すると、使用する水量は6,300Lです。東京都の水道代で計算すると、水道料金は1,000円程度となります。雨水を溜めておき使用する節水方法もありますが、高圧洗浄機によっては使用不可なものもあるため注意が必要です。
参考:東京都水道局 「手続き・料金」
DIYする場合の洗浄機代
DIYで高圧洗浄する場合は、まず洗浄機を購入する必要があります。洗浄機は、水圧や機能などにより価格帯に差があり、全体的な価格相場は1〜15万円程度です。
汚れを落とす性能が弱いと、見た目はきれいになっても塗装できるレベルには仕上がらない可能性もあり、注意が必要です。また機種選びの際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 水圧の強さ
- 騒音の有無
- モーターの種類
- セット内容(洗車もできるなど)
- タイヤ付きなど
壁の洗浄には、日常的な清掃と塗装前の徹底的な洗浄という2つがあるので、使用目的に合った性能と価格帯の洗浄機を選ぶのがおすすめです。
業者へ依頼する費用
高圧洗浄を業者に依頼する場合は、1㎡あたり100~250円程度が相場です。また、薬品を使用するバイオ洗浄の場合は、1㎡あたり500~800円が相場となります。
一般的な住居の外壁面積を150㎡程度と想定すると、通常の高圧洗浄の料金は、15,000~37,500円程度となります。外壁塗装と同時に依頼する場合、割引サービスを提供している業者もあるため、見積書の内訳をよく確認するようにしましょう。
外壁を高圧洗浄するときの注意点
外壁を高圧洗浄する際は、トラブルがないよう注意したいポイントがあります。以下の注意点を把握し、スムーズに進めていくようにしてください。
- 近隣へ配慮する
- 養生をする
- 窓は開けない
- 洗濯物は干せない
- 無理をしない
近隣へ配慮する
高圧洗浄の際は、水の飛び散りや騒音などのトラブルが生じる可能性があります。お隣が干している洗濯物に汚れた水がかかり、近所トラブルになるケースも少なくありません。
また、使用する高圧洗浄機によっては、線路近くや飛行場ほどの騒音レベルになるものもあり、それもトラブルの原因になりかねません。高圧洗浄をする際は、事前に近隣住宅を訪問してスケジュールを伝え、十分な理解を得たうえで作業を進めていくようにしましょう。
養生をする
DIYで高圧洗浄をする場合は、養生もしっかりと行いましょう。養生をするべき場所として、主に以下6つが挙げられます。
- 換気口
- インターホン
- 照明器具
- コンセント
- 植物
- 隣宅との隣接部分
高圧洗浄では水を使うため、漏水・漏電のおそれがある電気製品を覆う必要があります。また、バイオ洗浄をする場合は、植物が枯れないよう養生します。これらに加え、隣宅に水が飛び散りそうな箇所もしっかりと覆っておきましょう。
業者に依頼する場合は、基本的には業者がしっかりと行うので安心です。しかし、わかりにくい箇所や大切な物品などについては事前に伝えておくと良いでしょう。
窓は開けない
高圧洗浄中は、窓を閉めておく必要があります。たとえ数センチの隙間であっても、家の中が水浸しになる可能性があります。そのため、家中の窓やドアなどはすべて忘れずに閉めるようにし、家族全員に窓を開けないよう伝えましょう。
なお、スライド式の窓は水圧で開く場合があります。単に閉めるのではなく、鍵までかけておくことを忘れないようにしてください。
洗濯物は干せない
高圧洗浄中は、飛散した水がかかるおそれがあるため、洗濯物は外に干せません。また、塗装と高圧洗浄をセットで行う場合、一定期間洗濯の外干しができないことになるので、あらかじめスケジュールを把握し洗濯物の干し方について検討しておきましょう。また、隣宅に影響する可能性がある場合は、隣宅にも洗濯を干さないように伝えておく必要があります。
無理をしない
一般的には、外壁塗装を目的とした高圧洗浄はプロに依頼するのがおすすめです。見た目がきれいになれば良い日常的な清掃と異なり、きれいに塗料を密着させるためには徹底的な清掃が必要になるからです。また、高圧洗浄機は適切に使わないと外壁を傷つける原因にもなってしまいます。
さらに、養生や高所の作業なども素人には難しい側面があります。プロが作業を行えば、効率的であるだけでなく近隣住人への説明の手間もかかりません。外壁の修繕や塗装と合わせて依頼すれば安くなるケースも多いため、一括してプロに任せるのがおすすめです。
外壁の高圧洗浄できれいな塗装を目指そう
塗装前の外壁高圧洗浄には、汚れをしっかり落とし、塗料の密着性や耐久性を高める目的があります。コケ・藻・カビがある場合は、洗浄剤を使用する「バイオ洗浄」を行うとより徹底的な洗浄ができます。市販されている高圧洗浄機を使って自分で作業する方もいますが、外壁の損害などのリスクがあるので、きれいな塗装仕上げのための高圧洗浄はプロに任せるのがおすすめです。
「菊地塗装企画」は職人直営店で、低価格・高品質・納得のアフターサポートを提供しております。高い技術力と幅広い経験を持ったスタッフがそろっており、お客様のご要望に応じて施工してまいります。近隣住民様へのマナーも大切に、工事前・工事中の挨拶や配慮も欠かさず行っておりますので、外壁の高圧洗浄をお考えでしたらお気軽にご相談ください。