足場の仮設工事が必要な理由とは?設置の流れを詳しく解説

足場の仮設工事が必要な理由

足場の仮設工事が必要な理由として、以下の3つがあります。

• 安全確保のため
• 作業効率を上げるため
• 近隣住民への配慮のため

ここからは、それぞれの理由について詳しく解説していきます。

作業員の安全を確保するため

足場を設置する最大の目的は、作業員の安全の確保です。塗装工事では、ハケやローラーなどの工具を持ちながら作業します。足場が不安定では作業中に転倒したり、工具を落としてしまったりする恐れもあるでしょう。

転落事故が発生した場合には、作業員だけではなく依頼主にも精神的な負担がかかります。足場を設置すれば作業員の安全を確保できるので、安心して作業に集中できることでしょう。万が一バランスを崩したときでも、受け身が取れやすいので大きな転倒事故を防げます。

作業効率を上げるため

足場の代わりに脚立が使われることがあります。しかし脚立は足場よりも不安定ですし、1ヶ所の施工が終わるたびに脚立を移動させなければなりません。

前の施工場所に塗りムラや塗り残しがある場合には、その場所に脚立を設置しなければならず、時間や手間がかかるようになってしまいます。一方足場があれば施工場所の移動がスムーズになり、作業効率を上げられます。

近隣住民への配慮

足場の仮設工事では、飛散防止ネットを設置します。飛散防止ネットとは工事中に発生するホコリや塗料などの、飛散を防止するネットのことです。飛散防止ネットを設置すれば、近隣住民の敷地内に塗料が飛び散るのを防げます。

仮に塗料が車や外壁に付着した場合、大きなトラブルに発展する恐れもあることでしょう。トラブルを未然に防ぐためには、足場の仮設工事が重要です。

足場の種類

工事をする建物や設置環境により、さまざまな種類の足場を用います。ここでは戸建て住宅の工事で使用する2種類の足場について、詳しく解説していきます。

単管足場

単管足場とは、鋼管で作られた単管パイプにクランプなどの部材を固定した足場のことです。こちらは狭い場所でも足場を組めるというメリットがあります。また、使用する資材が単管パイプとクランプのみのため、簡単に組み立てが可能です。

くさび緊結式足場

くさび緊結式足場とは、一定間隔に緊結部を備えた鋼管を支柱として、水平材や斜材を支柱の緊結部にくさびで緊結した足場のことです。以前は木造家屋を工事する際の足場として主に用いられていましたが、最近では高層ビルなどにも用いられるときがあります。くさび緊結式足場にはハンマーのみで解体が可能、輸送コストを下げられるなどのメリットがあります。

足場の仮設工事の流れ

足場の仮設工事は大きく分けて3つの工程があります。ここからは、それぞれの工程について詳しく解説していきます。

部材の輸送

足場の仮設工事を行うときには、必要な部材を現場まで運びます。現場によって異なりますが、トラックを使って運ぶのが一般的です。現場に到着した後は、建物の周辺に部材を配ります。

仮設足場を組む

水平器を使って床面のレベル調整をしながら、足場を組み立てます。足場を組むときは、脚部の固定・手すりの取り付け・ブランケットの設置・アンチの取り付けといった順番で行われます。

養生の取り付け

足場の設置が終わった後、塗料の飛散や作業員の落下防止のために養生を取り付けます。養生を正しく取り付けていないと事故やトラブルに発展する恐れがあるので、慎重に作業を進めなければなりません。

住人の安全を確保するために、玄関部分に保護クッションをつけることがあります。また、現場によってはコンパネ養生やラッセルなどを設置する場合もあることでしょう。養生ネットの設置が完了した後は、すべての足場の安全確認を行い、最後に足場材の整理や清掃をします。

足場を設置した際の注意点

塗装工事やサイディング工事の目的で足場を設置した場合、生活面にさまざまな影響が出ます。足場を組むことで、2階や3階へ簡単に移動できます。不審者が侵入する恐れもあるので、玄関や窓の施錠をするなどの防犯対策をしておきましょう。

また、足場を組むことで洗濯物が干せなくなることがあります。状況に応じて、室内に干すスペースを作る、コインランドリーを利用するなどの対策を取るようにしましょう

まとめ