外壁塗装のメンテナンスには、決して少なくはない費用がかかるため、「できれば先延ばしにしたい…」と思っている方も多いのではないでしょうか。自宅の外壁のメンテナンスが必要かどうかは、経過している年数だけでなく、外壁の状態による見極めも重要です。今回は、外壁塗装が必要ないパターンと、それを見極める方法を紹介しますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
外壁塗装が必要ないケース
日本の住居で使われる外壁素材は、基本的に塗装が必要です。しかし、例外として以下の素材・ケースなら塗装が必要ありません。
- タイル
- レンガ
- 張替えから年数が経っていない場合
タイル
タイルは、無機質の外壁材のため耐久性が非常に高いです。無機質とは石や砂、金属、ガラスなど自然界に存在する物質を原料とするもので、紫外線や雨風の影響を受けにくいです。また、成形の際に1300度近い高温で焼き固められるため、耐傷性にも優れています。
さらに、質と外観ともに劣化しにくいため、耐用年数は30年以上であるとされています。なお、タイルのメンテナンスは、塗装ではなく部分交換により処置するのが一般的です。
レンガ
レンガもタイルと同様、無機質で紫外線や水分の影響をほとんど受けない外壁材です。レンガ作りの家には長い歴史があり、外国では100年以上の歴史を持つ建物も少なくありません。ただし、「レンガ風」のサイディング外壁材の場合は塗装が必要なため、使用されている素材の確認は必要です。
張替えから年数が経っていない場合
一般的なサイディング外壁は、張替えから10年程度は塗替えが不要とされています。ただし、塗装の劣化のスピードは住居の環境や外壁の素材、塗料によって変わります。
たとえ10年が経っていなくても、剥がれやヒビなどが見られる場合はメンテナンスが必要です。また、塗装のほかに目地のシーリングの劣化にも注意する必要があります。
外壁塗装が必要か見極める方法
自宅の外壁に塗装が必要かどうかを見極める方法は、以下の3つです。不当に高い料金を請求する悪徳業者に騙されないよう、正しい知識を身につけましょう。
- 外壁材の種類
- 劣化の症状
- 前回塗った塗料
外壁材の種類
まずは、使用している外壁材の種類を確認しましょう。耐用年数の長い外壁材を使用していれば、外観に損傷がない限り塗替えは不要です。また先述したとおり、タイルやレンガを使用した外壁は塗装の必要がありません。
劣化の症状
特に重要な判断基準は、外壁に劣化の症状が見られるかどうかです。劣化の症状として代表的なのは、一般的に以下の5つです。
- 色あせ
- カビの発生
- チョーキング現象
- 塗膜の膨れ、剥がれ
- ひび割れ
特に塗膜の剥がれやひび割れが見られる場合、建物内部に雨水が浸入するおそれがあるため、早めに対処しましょう。
前回塗った塗料
塗料によって耐久年数が異なるため、前回塗った塗料のメーカーが提示する耐久年数も塗替え時期の目安にできます。塗料の耐久年数を過ぎると、目に見える劣化は少なくても防水性が薄れていると判断でき、メンテナンスを行う必要があるといえます。
外壁塗装をせず放置すると段階的に被害が広がる
外壁塗装には時間や費用がかかるため、つい後回しにしてしまうのも無理はありません。しかし、長期間外壁塗装をせず放置していると、以下のような順序で段階的な被害が生じます。ここからは、それぞれの被害について詳しく解説していきます。
- 艶がなくなり湿気やすくなる
- ゆがみや小さなヒビが生じる
- 大きなヒビ、コーキングの亀裂が発生する
- 内部まで水が浸入する
- 内部が劣化する
- 土台や基礎部分まで劣化していく
艶がなくなり湿気やすくなる
初めに起こる劣化は見た目の変化です。艶有りの塗料を塗装しても、経年劣化すると表面の艶がなくなっていきます。
艶がなくなる状態は、目に見える防水性の劣化の現れです。防水性が失われると、外壁は湿気を帯びやすくなり、次の段階のゆがみやヒビへつながります。
ゆがみや小さなヒビが生じる
外壁が劣化していくことで、ゆがみやヒビが生じます。弾力性のある塗装には、ゆがみやヒビを防止する機能がありますが、劣化しているとこの機能が弱くなります。ヒビが発生すると、その隙間からさらに雨水が浸入しやすくなり、大きな被害に発展することも珍しくありません。
大きなヒビ、コーキングの亀裂が発生する
ヒビは自然にふさがることはなく、次第に悪化していきます。小さなヒビを放置していると大きなヒビになり、より大規模な修繕が必要となることが多いです。
特に、0.3mm以上の幅がある大きなひび割れが見られる場合、深刻度が高いといえます。また、目地や窓やドアなどと外壁の接合部分にあるコーキングも、劣化すると雨漏りの原因となるため注意が必要です。
内部まで水が浸入する
大きなヒビを修繕しないままでいると、外壁の内部の防水材、防水シートまで水が浸入してきます。防水材は、水の浸入を食い止めるためのものなので、この段階ではまだ建物全体に被害が生じることはありません。
しかし、防水材自体も経年劣化したり、隙間から水が浸食したりするため、水の浸食は次第に進んでいきます。また、外壁の大きな傷から浸入した水は、防水シートだけでは受け止められない場合もあるためこの点にも注意する必要があります。
内部が劣化する
防水シートだけで防ぎきれなくなった浸水は、防水シートの内側にある鉄骨、コンクリート、木に影響を与え始めます。長い年月をかけて、外側からは見えない部分の劣化が進みます。木や鉄の内部構造は湿気に弱く、浸水を受けるとあっという間に寿命が縮んでしまうため要注意です。
土台や基礎部分まで劣化していく
外壁塗装をせず放置していると、最終的には土台や基礎部分が劣化していきます。この段階になると住居の安全性が低下し、台風や地震の際は倒壊のおそれもあります。
また、雨漏りだけでなくシロアリが発生する可能性もあるでしょう。断熱材補修工事や基礎補修工事には、数十万~数百万円もの費用がかかり、最悪の場合解体工事になる場合もあります。ここまで被害が進まないうちに、早めにメンテナンスしておくことをおすすめします。
外壁塗装の要・不要はプロに判断してもらった方が良い理由
ここまで、外壁塗装が必要かどうかを見極める方法と、建物の段階的な被害状況について解説しました。外壁の状態は見た目でわかるものもあるため、定期的に自宅の状態チェックをすることをおすすめします。
しかし、外壁の劣化状況は目に見えないケースもあります。防水性能の劣化状態は、素人では見極めが難しい場合も多く、「雨漏りで気づいたものの、想像以上にひどい状態だった」というケースも少なくありません。防水は、外壁塗装の重要な目的のひとつなので、外壁の劣化が心配な場合はプロに診断してもらうのがベストです。
もちろん、業者の中には不必要な施工を進めたり、強引に契約を進めたりする悪徳業者もいます。優良業者を選ぶためには、以下の点に注意しましょう。
- 無料診断サービスを提供する業者を利用する
- 具体的で丁寧な説明があるか見極める
- 見積もりの内訳が詳細に書かれているか確認する
- 複数の業者で相見積もりを取る
- その場で契約を決めない
外壁塗装を長持ちさせる方法
外壁塗装には費用がかかるため、できるだけ塗替えの頻度を減らしたいという方もいるでしょう。ここでは、外壁塗装を長持ちさせる以下の3つの方法を紹介します。
- 耐久性の高い塗料を使う
- 汚れが目立ちにくい塗料を使う
- 良質な業者を利用する
耐久性の高い塗料を使う
耐久性の高い塗料を使うと、外壁塗装の塗替え時期を延ばせます。外壁塗装に一般的に使われている塗料はシリコン塗料で、耐久年数は約7~10年です。
一方、フッ素塗料や無機塗料などは、15年程度の耐久年数があるとされています。性能が高い塗料ほど価格が高い傾向にありますが、長期的なメンテナンスを考えると安く済むかもしれません。外壁塗料は、将来のメンテナンスも検討に入れたうえで選ぶのがおすすめです。
汚れが目立ちにくい塗料を使う
美観が維持できる期間を延ばすために、汚れが目立ちにくい塗料を使う方法もあります。塗料の中には、汚れにくくする防汚性やセルフクリーニング機能、熱による劣化を防ぐ遮熱性を持つものなどがあります。また、ベージュ・グレー・アイボリーなどの中間色は汚れが目立ちにくい色なので、景観を重視する方は「長持ちするかどうか?」を基準に色選びをすると良いでしょう。
良質な業者を利用する
外壁塗装の耐久性と施工の技術には大きな関係があります。塗料が持つ性能を十分に発揮するためには、建物に適した塗料選びと、適切な施工方法が欠かせません。
もし建物に合っていない塗料を使用したり、補修作業がずさんだったりすると、早期に剥がれやひび割れなどが生じる可能性があります。外壁塗装を長持ちさせるためには、十分な知識と経験を持つ業者を利用することも大切です。
外壁塗装は適切な時期の見極めが大切!困ったときはプロに相談しよう
一般的な住居の外壁塗装は、基本的にメンテナンスが必要です。必要がないケースは、外壁材がタイルやレンガ、また張替えをしたばかりの場合などが挙げられます。目安は10年程度ですが、住居の環境により多少前後するほか、目には見えない防水性能の劣化もあるため、不安がある場合は経験豊富な職人へ相談するのがおすすめです。
「菊地塗装企画」は、東京都町田市を拠点に一般住宅塗替え専門店として各種塗装工事を請け負っております。足場仮設工事や防水工事、外壁調査・補修工事、各種シーリング工事などに定評がある会社です。部分補修、応急処置、診断のみの小さな要件も喜んで対応いたしますので、ご用命の際はお気軽にご相談ください。